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ミルドレッドの二枚


Mildred Bailey(ミルドレッド・ベイリー)

言わずと知れたswing eraばかりかall timeででも 『代表的な白人女性シンガー』 である。


P・ホワイトマンから独立して夫君ともなるレッド・ノーヴォと組んだのが1936年、時代の後押しもあって彼女はコロムビア系レーベルに次々と佳作を遺してゆく。







♪My Melancholy Baby ヴォカリオン、1938年。

このときミルドレッド31歳、まさに ”脂の乗り切った” 見事な歌唱がここに聴ける。
H・ダミコ(cl)らを擁するバックバンドもR・ノーヴォの仕切りには一分の隙もない。





たっぷりと長めのヴァースを歌い切った後、こともなげに ”本編” に入る処・・・・


何度聴いても鳥肌もの。


これが鬼気迫る熱唱、とか云うのなら話は解るが、彼女のそれはまるで力まず あたかも『喋り言葉の延長』 のようだ。それでいて無味乾燥かといえばさにあらず、非常に情愛溢れる表現が ”同居” しているさまはまさに奇跡的ですらある。

こういう演り方を ”都会的” と言わずして何を ”都会的” と言うのだ。






もう1枚





8年後、1946年

♪Lover Come Back to Me マジェスティック・レーベルの赤盤だ。


ここでは一転して

”歌伴請負人” E・ラーキンス(p)を中心としたスモールコムボ・・・・・

どちらも甲乙つけ難い出来だ。




ラバカン、ラバカンと当節本邦女性歌手の皆さんは簡単に仰るが
この ”お手本中のお手本” を研究している人は何人いるか・・・・・?


このB面 ♪At Sundownをかようなテムポ(超slow)で演っているのを僕は寡聞にして知らない。













女性ジャズヴォーカルを語るなら

このM・ベイリー&R・ノーヴォセッションとブランズウィックのB・ホリディ&T・ウィルソンだけ持っていれば事足りる、



と言い切ってもあながち ”暴言” に聞こえないから不思議なものである。
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サポート本当にありがとうございます、これを無駄にせぬよう今後とも書いてゆく所存です‼️