2021年の注目記事
時よ止まれ、お前は美しい【#2000字ドラマ】

時よ止まれ、お前は美しい【#2000字ドラマ】

 ツキがない時……なぜか色んな“ついてない”は、だるま落としみたいに重なる。体育でボールが顔面に当たった。自販機で好きな飲み物が品切れだった。お気に入りのキーホルダーが壊れた。  そして今、学校の帰り道。ダイヤが乱れて駅は激混みで、人混みに押されながら電車に乗り込み、吊革にしがみついた。そして右の隣の隣に苦手なクラスメイトの男子、加藤(かとう)の姿を発見した。いつも無表情で、あまり人とつるまずに、一人で音楽を聴いてる加藤。今まで話したことはない。  加藤は私に気づいたよう

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作っているのは、商品じゃなくて食。口にする人を、考えるからこその有機栽培。
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作っているのは、商品じゃなくて食。口にする人を、考えるからこその有機栽培。

先日、落花生のことをもっと知ろうと約40年もの間、有機栽培で取り組まれている杉本さん(中央)の方の話を伺いながら、収穫のお手伝いをしてきました。 慣れない農作業のお手伝いをすると、農家さんによっては『同じことばかりやるから、飽きてきちゃうでしょ。』そう言われることがある。『いや、そんなことはないですよ。』と、僕は笑顔で言い返します。 実際、好い人を装っているわけでもなく、本当にそう思っています。日頃、パソコンやデスクワーク、今ではスマホ。電子機器を多くさわる機会の方が多く

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"JAPAN BROWN"が生み出される場所を訪ねて
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"JAPAN BROWN"が生み出される場所を訪ねて

「柿渋(かきしぶ)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 まだ青い柿を収穫して圧搾機で絞り、絞り汁を数年寝かすことでできる液のことをそう呼びます。 塗料、防腐剤、染料...など使い方は多種多様。 柿渋を木に塗ると防腐・防虫・防水などの効果があるそうで、平安時代には建物を建てるとき木材に塗られていたのだとか。 「つくるひとは少なくなりましたが、柿渋は自然素材だから、いまの時代に合っていると思います。」 そう語るのは、株式会社尾道柿園の現代表・宗(むね)八重子さん。

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新書を読んで歴史旅行  「物語 イスタンブールの歴史 「世界帝都の1600年」」(宮下遼)
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新書を読んで歴史旅行  「物語 イスタンブールの歴史 「世界帝都の1600年」」(宮下遼)

本好きな2人が「世界の見方が変わってしまうような本」をPodcast「Book Club」で紹介。 (第11回である今回から、更新した配信をnoteでもお知らせします。) 今回紹介するのは「歴史旅行」ができる一冊イスタンブールに交換留学もした私が紹介するのがこちら。 イスタンブールは東のローマとも呼ばれ、コンスタンティノープル、ビュザンティオンなど様々に呼ばれてきた。330年の「新ローマ」建設から、1922年のオスマン帝国滅亡までの1600年余り「世界帝都」として君臨し

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美容と健康にもってこいなしゃけ(鮭)の話 粕汁レシピ付き

美容と健康にもってこいなしゃけ(鮭)の話 粕汁レシピ付き

鮭は不思議な魚 北海道ではしゃけって言う人もいる、鮭。秋鮭ともいいますね。鮭は川で産卵・孵化し、海で数年(1-6年)すごしたのち、生まれた川に遡上してくる珍しい魚、、っと言うのはもちろん皆様ご存知の通りです。鮭の生態についてはわからないことが多く、なぜ海に出るのか、なぜ生まれた川がわかるのかなどは、諸説様々有りますが、まだほとんどが解明されていません。 私が育った北海道の田舎では、鮭やマスの遡上はこの時期の風物詩です。海に近い大きな川では、あっちこっちで鮭がはねている光景

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10月18日朝刊の広告から、ファミマの戦略を想像してみる
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10月18日朝刊の広告から、ファミマの戦略を想像してみる

読者の皆さんは、10月18日朝刊のこの広告、ご覧になりましたか? ファミリーマートが「業界1位のコンビニ」(=セブンイレブン)を対象とした比較広告です。 ちなみにヘッダーの写真は渋谷駅の屋外広告です。こちらは同じ戦略を屋外広告版に変換したもので、どちらも強烈なインパクトを放っています。 日本では、比較広告があまり一般的ではないので、とかくその手法ばかりに目が行ききがち。しかしよく見ると、このキャンペーンは単純な比較広告ではなく、その背後に緻密に考え抜かれた戦略があるこ

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知っているようで知らない「関ケ原の合戦」を、3分で解説に挑戦
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知っているようで知らない「関ケ原の合戦」を、3分で解説に挑戦

先日刊行になったポプラ社の人気シリーズ「コミック版日本の歴史」の79巻目『戦国人物伝 小早川秀秋』。旧暦の10月18日(新暦12/1)が小早川秀秋の命日といわれているそうです。この本の担当編集が新刊の紹介で何気なく社内のポータルサイトにあげていた内容が大変面白く、戦国時代にこんな人が!?と社内でも話題になったため、早速note記事にしてもらいました! 書き手:勝屋圭 主に学習実用関連の児童書籍を担当。過去にはnoteでサメ本について、こんな記事も書いています。 突然ですが

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私はサブカルが嫌いだ
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私はサブカルが嫌いだ

 私はサブカルが嫌いだ。  こう書くと、自虐的なジョーク、或いは今でいう逆張り、バズを狙った大袈裟な物言いだと感じる人もいるかもしれない。サブカルの権化のように生きてきて、その甘い汁を散々啜ってきたお前が何をと人は言うかもしれないが。  私はサブカルが嫌いだ。  というか、すっかり苦手になってしまったのである。  かつてサブカルは、容易にアクセスできないものだった。  東京の、中野の、ブロードウェイのあの店に行かないと出会えない本、手に入らないCDといったものが確実に存

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「根っからの負けず嫌い」本気で金メダルを目指した伊藤美誠が教えてくれたこと

「根っからの負けず嫌い」本気で金メダルを目指した伊藤美誠が教えてくれたこと

「普通じゃない」プレースタイルとは 伊藤選手のプレーのどこがどう独創的なのか。 まずほとんどの選手はスマッシュを浮いたボールに対して打つが、伊藤選手はラリー中の低いボールに対しても積極的に打ち込む。 「難しいボールでも結構私自身、パーンって打っちゃったら入ったりもする。そういうところは、真面目じゃない証拠というか。真面目だったらやっぱりそういう(低い)ボールは打たないと思うんですけど、真面目じゃない証拠、私らしいなって思います」(伊藤選手) ミスをするリスクが高いボール

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ショートショート『涙くんと涙ちゃん』
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ショートショート『涙くんと涙ちゃん』

「見ててな」 藤野は上目で俺を見ながら、人差し指で自分の目頭を差した。そこから、ツー、と涙が溢れ出す。鼻筋を通って、口元まで垂れてきたところで、涙を手で拭う。 俺は、急に泣き出した友人をまじまじと見る。 「まあ、びっくりするよね。これが俺の特技というか、特殊能力」 藤野はテーブルの紙ナプキンで涙を拭き取っている。 「自在に涙を流せる・・ってこと?」 藤野は頷く。 テレビで見るような、役者さんが役に入り込んで泣くのとはワケが違う。2秒ほどで、蛇口を捻るように藤野は

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