サブスク配信に思うこと
noteでは音楽活動してて思う本音をズバッと書いている。敬語、丁寧語はあえてなし。
サブスク配信について、じっくりと向き合えるだけの情報を受け止めて、今回記事を書いてみる。
結論として、時代の変革期にこそ、新譜のオリジナル楽曲が求められてると考える。
そしてデジタルコンテンツ、つまりサブスク配信で聴けることが、現在アーティストとして名乗れる条件ではないか?
1.過去はまるで通用しない
物理的距離を取らないといけない生活は常識を変えた。
緊急事態宣言前後はまだ心情が追いついていなかったものの、今はこの状況をやむなく飲み込んでいる認識。
こうなると過去の言葉遣いやメッセージを込めた楽曲は、その意味が通じなくなるものが多く出てくる。
約10ヶ月前、そんなに遠くないはずの今年の冬終わりから現在、異次元へと様変わりした。
地上でのパフォーマンスが難しく、オンラインコンテンツが混和する中、どうしてもそのような印象を受ける。
この状況で新しいものを制作するのは予算的にも、精神的にも厳しい中ではあるが、今の状況に合った言葉、テンポ感で新しいものが強く求められていると分析している。
タイムラインの流れが速い中では、唯一無二で時代にマッチしたものが、その価値が強く輝くと信じている。
2.日本のサブスク遅れ。
世界と比べても日本のストリーミング浸透はかなり遅い。
理由は言うまでもなく、CDの存在。
日本のCDが売れることを前提とした収益構造により、ストリーミング以降がなかなか進まない。
当方はCDの存在自体を否定する気はない。
ブックレットを見ながら音楽を楽しむ、ライブが終わった後にCDを買って帰るのは音楽の文化としてあるべき姿だ。
ただ新譜を出す=CDのリリースを意味していることがまだまだ多いように思う。
それとストリーミングは1再生が0.xx円だから儲からないとかそうした悪食ものに捉えられているから、リリースする側もためらうのかと。
お金儲けをしたい方はそのあたりをしっかり考える必要があるが、そもそもいろんな音楽に簡単に触れるようになったストリーミングは音楽発展のために大いに歓迎すべきなのである。
このようにリンクコアで使っているサービスにすぐアクセスできるのも便利だし、
ダウンロードなら大体の楽曲が1曲155〜255円くらいなので、せいぜいコンビニコーヒか缶ビールを買う程度。
しかもポチったら即聴ける。
音楽をよく聴くリスナーからすればこんなに便利なもの、利用しない理由はないでしょ?
ちなみにYouTubeの動画で上げるのも重要ではあるが、MVになっていないと効果は薄い。
動画の性質上、バックグラウンド再生が出来ないため、全てのシチュエーションで適切な音楽コンテンツとは言えない。
ワイヤレスイヤホンが売れ行き好調とのことで、耳だけで楽しめるコンテンツが重宝されるので、画面を占領しない音源の方が有利と言える。
またライブができない状況で、カバーの動画がたくさん上げられているが、クオリティにかなりばらつきがある。
努力を否定するつもりはさらさらないが、地上で行うパフォーマンスと、オンライン上のデジタルコンテンツは勝手がまるで違うので、YouTubeで音楽をするのなら、その辺りも考慮した音質で視聴したいところ。
さらに音楽以外のジャンルでもYouTubeが盛り上がっていると、見つけてもらうまでに相当時間がかかるだろう。
一方ストリーミングは基本的に音楽のみが配信されている。下手なものを探す方が難しい。
音源のクオリティはなるべく高い状態にする必要があるものの、しっかりしたものが用意出来れば、音楽としてちゃんと聴いてもらえる。
有料の配信サービスで音源をストリーミング視聴・ダウンロードできることは、他とは大きく意味が異なる。
ぶっちゃけどんな活動をしていようとサブスクサービスで検索できないミュージシャンはアーティストとは呼べないと言い切ってしまう。
いつまでもネオラットダイ運動をしているようでは、次の時代に進むことなんて到底できない。
せっかくなら、サブスク配信してから悩めばいいのに。。
3.サブスクは蓄積型コンテンツ
CDは発売日に売れることが重要視されているが、サブスクは勝手が違う。
配信スタートしてからすぐにランキングに登場する訳ではなく、視聴回数を重ねることで徐々に昇っていく。
そして配信リリースして、何年後かしばらくしてからバズることを目にする。
例えば瑛人さんの「香水」は2019年4月のリリース。
Tiktokのカバー動画から徐々に広がっていき、今年お茶の間で聴けるようにまでなった。
この夏TiktokバズりしたIndigo la endさんの「真夏のマジック」は2015年のリリース。
「Get wild 退勤」がトレンド入りした時にもサブスクのランキングに入ってたし、
他にもスピッツさんやaikoさんのサブスク解禁時に、過去の楽曲がランクインしている。
逆にCD時代にランキング上位にいたアーティストでも、サブスクのランキングではTop10に入らないことだってある。
そういった意味で、多数が繰り返し聴きたいと思う音楽がキチンと評価されるサブスクは非常に音楽的で面白い世界である。
SpotifyのCEO、ダニエル・エク氏は音楽を大量生産することがストリーミングで成功するカギと言っている。
音楽の価値を蔑ろにするニュアンスにも捉えられるが、正確には↓
いろいろなジャンルの楽曲をたくさんリリースしていれば、リコメンドに登場したり、プレイリストに入れてもらったり、それをきっかけにアーティスト検索してもらって視聴される可能性がある。
だから窓口を増やす意味でたくさんリリースすることが有利とされている訳だ。
もちろんクオリティが伴っていなければ当然ダメ、出せばいいと言う訳ではないが、、
まずはサブスクで配信することがファーストステップである。
4.本質的に変わらないことにこだわる
常識に変革が起こったとしても、本質的に変わらないことに拘れば良い。
音楽家がこだわるのはもちろん音楽。
地上でのライブが今は難しくても、音源制作することは特に変化はない。
当方は変わらず、楽曲を最大限磨き上げるため、レコーディングをひたすら行う。
ライブではオンタイムで披露することを念頭に演奏を磨くのに対して、レコーディングではノンリニアで音楽を構築することができる。
演奏を収録して、よく聴いて良し悪しを判断する。そしてじっくりと音作りすることで、ライブだけでは表現出来なかったものを生み出すことができる。
それが音楽の醍醐味の一つ。
そこからライブでどう再現するか考えればいいし、音源として完成して初めて自分の持ち曲になる。
レコーディングによって作り込みの甘いところをなくす。
サブスクでは多くの人に繰り返し聴いてもらうことが重要なので、レコーディングによって楽曲の魅力的に仕上げることは合理的だと言える。
5.まとめ
デジカル、フィジカル双方の最前線のプロでさえ、この先のことはやってみないと分からないらしい。
それならば時代にあったもの、本質的なものに熱量を注ぐまでだ。
今後もサブスクに関して、徹底的に追求して、また書いてみようと思う。
【サブスクリンク】
会いたくない / レコラボ
Rainy Dance / フランソワ・マリコ
※作曲・レコーディングを担当
毒リンゴを持った日 / レコラボ
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