宝塚再鑑賞

この前見た衝撃が忘れられず、再び宝塚に行った。
前回は二階のA席からの観賞であったが、今回は一階のS席で観た。
内容は前回と同じであったが、感動はひとしおであった。

前回は宝塚歌劇そのものの素晴らしさに圧倒されたが、入念な下調べと今回購入したオペラグラスの甲斐もあってか今回は一人一人の素晴らしさに気づけた。
中でも綺咲愛里さんに注目して鑑賞した。

私の意志によって綺咲さんを見たように書いたが、本当は違う。
何かわからない、制御不可能な恋心のようなものによって綺咲さんしか見れなくなっていた。
それほど彼女は美しく、可憐で輝いていた。

前半のエルベでは綺咲さん演じるマルギットの純真さに心を打たれ
後半のエストレージャスでは綺咲さんのダンスに心を奪われてしまった。

綺咲さんの顔立ちは、「男はつらいよ」で主人公、寅さんの妹、諏訪さくら役を演じた若かりし頃の倍賞千恵子さん

また、スキー選手のLara Gutに似ていると思う。

両者とも酷く個人的な話だが、私が大好きな人だ。

聡明そうな額と優し気な目が似ていると個人的に思う。

そんなことは置いといて、綺咲さんは顔立ちだけではなく、その歌、ダンスも素晴らしかった。
まぁ歌やダンスについての知見が私にはないので、その凄さも分からないのだが、少なくとも私の心は動いた。
英語では感動を表す表現として"be moved"というのがあるが、私の心もその文字通り動いた。

ただ、同時に私は物悲しい気分になった。
私が恋をした綺咲さんは舞台上の人であり、現世(うつしよ)の人ではないのだ。
いくら恋焦がれようとも、届くことはない。

私の情熱は綺咲さんを求めるのだが、同時に理性が届かないことを叫ぶ。
その相克の落としどころはまだ分からない。
時間が経てば、恋心が薄れ、忘れていくのだろうか。

人は手が届かないものに憧れるが、その執着は最終的に身を亡ぼす。

執着を捨てて、悟りの道を歩むのは本当に難しい。

ただ、彼女の笑顔に私の心は救われた気がする。

心の中の苦悩が黒洞々たる冬の闇の中に消えていった気がした。
また同時に、新たな悩みの種が植え付けられた気がした。

また、しばらくしたら観に行こうかな。

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