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主観と客観のバランス

仕事上、物事の判断においては、主観的な思いや感情は極力排除するように求められてきた。

自分の所属する組織は、ある課題を解決しようとしているプロジェクトに対する資金的な支援を行うことを主目的としているため、主観的な思いや感情が入ってしまうと、適切な判断ができなくなる恐れがあるからだ。最悪の場合、癒着などのコンプライアンス上の問題も生じかねない。

これはこれで理解する一方で、果たして主観を完全に排除した仕事などというものはあり得るのだろうか、とも考える。

この事業はやるべきだ。我々が支援することによって、10年後、20年後の社会に必ず良い影響や変化をもたらすことができる。といった”思い”や”熱意”がなければ、何も動かないだろうとも思うのだ。

問題なのは”思い”や”熱意”だけで終わってしまっては、それは単なる夢物語なので、”思い”と”熱意”を具体的な形に落とし込む力が必要だ。

ここで重要になってくるのが”客観的”に物事を捉え、考える力。

・何故、その事業をやることに意味や価値があると考えるのか。

・支援することによって具体的にどういう社会的インパクトがあるのか。

・それらを裏付けるエビデンスはあるのか。

といったことについて、一つ一つ検証し、答えられなければならない。

頭では分かっていても、時として、この主観と客観が混ざってしまうことがある。

事業価値を説明する際に、エビデンスとして意図的にポジティブな材料ばかりを集めてしまうなど、そもそも客観的に物事を分析するはずが、主観的なバイアスがかかってしまったりする。

これを避けるためには、シンプルに、

「主観的に考える人と、客観的に考える人を分け、チームで取り組む。」

といったことが考えられるが、人を集められない場合には、

「主観的に考える時間と、客観的に考える時間を分けて取り組む」

あるいは、

「主観的に考える場所と、客観的に考える場所を分けて取り組む」

といったことがアイディアとして思い浮かぶ。

というわけで、仕事においては、主観も客観も両方の視点が必要。というのが私なりの見解だが、大事なのは、その二つを混ぜないこと。

人や時間、あるいは場所という物理的な環境を変えることで、二つの思考の混在を防ぎ、より良い判断ができるのではないかと思う。



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