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写真と個性について

写真に宿る個性

個性の時代の被害者?

今の時代、就活でも何にせよ個性個性と言われてきています。学生である私から見ても、学生たちは「何か秀でたものがなくては」と焦り、他人と比較して自信をなくしています。個性の時代は人を伸び伸びとさせるどころか、かえって突出した個性という縛りを生んでいるかも知れません。
しかし、忘れてはならないのは、個性とは内から勝手に湧き上がってくるものであり、他人と比較したり優劣があったりするものではありません。
写真も同じです。同じ場所、同じカメラで撮っても、撮る人が違えば、何を切り取るかに差が生まれます。似たような写真でも完全に同じということはありえません。そこに個性が宿っていると思いませんか?

自分の写真歴を振り返って

私は2019年にカメラを始めました。祖父の後押しで、初心者には上物のX-T3を買いました。
それからの半年、私は友達との遊びやサークルで使いながらカメラライフをエンジョイしていました。

インスタを見漁っていた頃、「コハラタケル」さんというフォトグラファーを知りました。当時からとても有名な方でした。

私はコハラさんの写真の中に躍動する動きのある写真に強い憧れを持つようになりました。
もちろん静かな写真もあるのですが、それは被写体が止まっているかどうかというより、写真のもつ時空間に広がりがあるイメージです。コハラさんの写真は、写真が撮られた瞬間の前後の時間がイメージできたり、写真のフレームの外側が想像できるような躍動感があるのです。

それから、コハラさんが撮っていたような構図を真似したり、プリセットを買ったりもしました。が、なかなか思うようにはならず、途方に暮れていた時期にちょうど、コハラさんがnoteのサークルを始めました。

そこで、コハラさんがサークル立ち上げの時のメンバーの一人として、サークルに入りました。
そこではたくさんの事が学べました。コハラさんがどうやって写真を撮っているか実際に見させてもらったり、写真を講評してもらったり、レタッチを見せ合う会をしたり…。
そしてそれを実践もしました。が、私はコハラさんになることはできませんでした。コハラさんの写真はコハラさんにしか撮ることができないということにようやく気付きました。

自分の写真にもう一度向き合う必要があると考えた私は、そこでコハラさんのサークルを抜けます。
(サークルでは僕よりもずっと年上の方にも本当によくしていただき、ちょっとした悩みとかも聞いてもらっていたので、本当にいい場所でした。レタッチ技術とかはこのサークルに入らなかったら知らなかったことが沢山あったので、何か不満があったわけではありません!)

考えていくうちに、自分の写真で好きだなと思う写真を見ていくと、とある傾向があることに気付きました。
それは言語化すれはこんな感じです。落ち着いた雰囲気・時間をスっと切り取って収めた箱のような写真。

今にも動き出しそうな雰囲気をまとうなどとは程遠いものでした。ただ、ここが自分の写真の個性に気付いたタイミングでした。

当時撮っていた写真

ダイアン・アーバスとの出会い

どうしてもこういう写真の雰囲気になってしまう、というクセの価値に気付いたのはダイアン・アーバスの写真を知ってからでした。

ダイアン・アーバスの写真で最も有名なのはこちらだと思います。

映画「シャイニング」に出てくる双子の元になったと言われている写真です。
どこか不気味な印象を感じますね。
ダイアン・アーバスは、人を撮るときに真正面から撮影し、直接的な強いライティングを行います。これによって、撮られた人は美しく虚飾されることはなく、すべてを暴き出されます。
彼女の写真は、いつも不気味に撮れてしまうことを当初はコンプレックスに感じていたらしいです。それで、仕事を断られることもあってそう。
しかし、アーバスはどうしても写真が不気味になってしまう特性を活かす方向にシフトチェンジをしたといいます。

これと同じことが言えるのではないでしょうか。
自分の写真がまとっている雰囲気をしっかりと理解すること。その上で自分の個性を大事にすることはひつようなのだと思います。

わたしの個性

もうここからは自分のために書いているようなもので恐縮ですが、自分の好きな写真が固まってきたので1度言葉にしておきたいと思います。

選ばれた写真たち

撮影に行くと何枚も写真を撮ります。家に帰って、写真を選んでレタッチをします。その際に何枚も写真を削除します。
撮る写真の枚数は減らしたいとは考えているのですが、まだまだ沢山撮ってしまいます。
(撮る写真の枚数を減らしたいとなぜ考えているのかについてはこちらで解説をしています。)

例えば、この間初島に行ってきたのですが、初島旅行ではだいたい200枚ほどシャッターを切りました。
そして選定してレタッチした結果、34枚に絞りました。

そして自身のInstagramには8枚の写真を、Twitterには4枚の写真を投稿しました。

200枚の写真は最終的に8ないしは4枚に選抜されて投稿に至るわけです。今回投稿されなかった写真については、いずれ投稿される機会のある写真として手元に保存されます。

この選抜はなにを基準として行われるのでしょうか?

空気感を感じるかどうか

私はその写真に空気感を感じるかどうかを大事にしています。正直いって、感覚で選んでいます。
私はどうしても写真を撮るとしずかな写真になってしまう。だからこそ、落ち着いたゆったりとした時間を感じる空気感が流れているものがとても良いなと思うのです。

この2枚の写真をご覧下さい。
私はこの2枚のうち、上の写真を選びました。
下の写真も様々な楽しみ方をする人達が映っていて、旅情を感じる部分もあります。
しかし、私は上の写真にすっと海風が吹いたような感覚、おだやかな時間の流れを感じました。
それは構図だとかそういったことではなく、ただとても自分らしいなと思ったからです。

写真に上手さはそんなに必要ないと思っています。いいと思った瞬間をすぐに切り取ることが出来るくらいの力があればなんでもいいです。
それより、素敵な空間に居合わせる足を持つこと、それを見つけられる目があること、(レタッチの際に)写真の持っている空気をしっかりと活かす腕があること、自分の好きをわかっている頭があること。
私の写真の個性はここにあると思っています。

まとめ

私はあるフォトグラファーに憧れ、真似して、学び、そしてその人にはなれないことを知りました。
そこから自分が撮ると「こうなってしまう」を見つけ愛することに取り組みました。そのために必要な機材だけを集めました。
以前はインスタに細々と挙げていただけでしたが、こうしてnoteに言語化することで少しだけ自己分析が進みました。幸いなことにこんな駄文を読んで下さる方がいます。
私の今は、内省と言語化によってあるのかもしれません。

あの人みたいになりたいと願うことは何も悪いことではありません。でもその一方で、ただの真似事やってては仕方ないよなぁという小さな反骨心や、何度やってもあの人みたいにはなれない・できないという挫折があなたの個性になるかもしれません。(私は有名になりたい訳では無いので、なんとも言えませんが、毎日投稿とかほんとにできないです笑)

個性がないことに悩みがあるのであれば、なぜ個性がないと思うのか、そこを考えることに鍵があるかもしれません。

最後に、私が思う私らしいなという写真を載っけて終わります。では🗻

X-T4
Xf33mmf1.4
X-T4
Xf33mmf1.4
X-T4
Xf33mmf1.4
GFX50sⅱ
Gf80mmf1.7
GFX50sⅱ
Gf80mmf1.7
X-Pro3
Xf33mmf1.4
X-Pro3
Xf33mmf1.4
GFX50sⅱ
Gf80mmf1.7
GFX50Sⅱ
GF80mmf1.7

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