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軽トラベル。日本一の花火を観に長岡へ。

1日目。スノーピーク FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS〜

 秋田での仕事を終えて、軽トラで関西に向かって南下。「え?軽トラで?」っていつも驚かれるけど、意外に快適なのだ。とはいえ、時速80km超えた途端に車体が震え出すし、あっつあつに熱持ち始めるからゆっくりしか走れないし、そもそも二人しか乗れないし、普通車に比べたら不便なところいっぱいなんだろうけれど、その不便さはまっすぐ愛しさへと変わり、秋田での現場作業用にと買ったはずのこの子を僕はいまモーレツに愛している。

Re:Schoolメンバーの竹内巧くんが描いてくれたやつ。

 そんな軽トラでの秋田→神戸の日本海沿岸旅。しかし僕はこのルートを人生で何度往復しているだろう。10や20じゃきかないはず。兵庫県を出て、京都滋賀を超え北陸へ。福井石川富山と北上し、ようやく新潟に入っても、そこから延々と続く新潟の細長さたるや。やっとのことで山形に抜け、辿り着くのは秋田県最南端の、にかほ市。そこから秋田中心部まではさらに1時間半かかるし、そのまま青森まで突き抜けて、下北半島の北端、大間から北海道に渡ったこともある。

 しかし今回は飛行機で秋田入りしていたので、神戸までの帰途ルートを軽トラで移動。そのあいだにいくつか用事があるのだけれど、それにかこつけて最初に立ち寄ったのは、新潟県三条市に本社がある有名なアウトドアブランド、Snow Peakのスパ施設『スノーピーク FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS』だ。

 長野県諏訪市の大好きなお酒『真澄』の宮坂くんが家族で訪れている投稿を見て「いきたい!」と思いを募らせていたのだけれど、さすがに夏休み時期だし、いっぱいだろうなあと寄ってみると、夕方前の中途半端な時間がよかったのか、サ室独り占め時間もあって、まあ贅沢!

 Snow Peakチェアなど、いくつかの製品を愛用している身としては、スノーピークブランド製品は勿論のこと、細部まで「ええもん使こてる〜」と感動の空間に、これを1,600円で体験できるのはヤバ過ぎるでしょと絶句。

 僕の目当てはなんといってもサウナだったのだけど、全面ガラスで外を眺められるサ室の中央に、ドンッと鎮座するストーンタワーのごとしikiストーブの存在感が半端なく、そこにセルフロウリュ出来るってだけで興奮を隠せない。最上段に否応なしに降りてくる熱蒸気と、深さ120センチの水風呂、さらには目の前の自然あふれる風景を前にスノーピークチェアに座ってガッツリととのい!

 夜が近づくにつれ、目の前のキャンプ場を利用されているファミリーキャンパーのみなさんが増えてきて、子ども連れの微笑ましい姿をみながら、最高キャンプじゃん!と、めちゃくちゃ羨ましかった。いつか泊まってみたいな。

サウナ後のソフトクリーム美味しかった〜
キャンプ羨ましい

 旅の序盤にしてしっかりととのわせてもらった夜は、三条市内に戻ってホテル泊。と、その前に、久しぶりに燕三条系ラーメンでも食べるかとホテル近くの「ラーメン勝(まさる)」へ。背脂チャッチャ系なので濃ゆくてガッツリなイメージを持つ人も多いと思うけれど、背脂の量を調整できるし、何よりこちらのお店は岩海苔トッピングがあって、これが超絶良い仕事していてめちゃくちゃ美味かった。家系ぽさのある噛みごたえしっかりな太麺も好き。そして何より、金物の街、燕三条らしいこの器がめちゃくちゃ良いよね。

2日目。SANJO PUBLISING〜

 新潟二日目。今日は、最近よく情報交換している新潟県三条市の友人で、工場の祭典のフロントマンでもある、MGNET(マグネット)代表の武田修美くんとランチ約束。その前に少し時間があったので、『SANJO PUBLISHING』へ。前回伺ってから少しずつ進化している姿をSNSで拝見していたので、カフェが機能していることに嬉しくなる。アイスコーヒー飲みながら、Wi-Fiお借りしてガッツリお仕事させてもらった。めちゃくちゃ快適に過ごさせてほんとありがたい。まだ旅も序盤だからと控えめに本も購入。あっという間に約束の13時になったので慌てて移動。

仕事捗った。
控えめに3冊だけ購入

 おそらく4,5年来ていなかったように思う『三条スパイス研究所』。ちょうどMGNETの武田くん&小林さんも到着したところで、早速ランチタイム。

 以前はメニューになかったビリヤニを注文。そしてあまりの猛暑にノンアルビールまで頼んで大満足。色々雑談したり、近況報告しあったりした後は、つい最近、スパイス研究所のまん前にオープンしたばかりだという三条市立図書館へ。

 ローカル公共施設お馴染みの隈研吾さん建築。まだオープンして間もないけれど、地元の人の馴染み方がすごくて、畳敷きコーナーなんて、ほぼスーパー銭湯。こういう姿見ると安心する。

寝転がりながら本読んでて最高だった。

 ちなみに写真撮影は受付で撮影したい旨を伝えれば、利用者の顔を写さないとか最低限のルール説明をしてくれた後、その場ですぐ撮影許可シールをくれる。この仕組み良いな。最近は公共施設でも撮影可なところが増えていて、それこそInstagramなどのSNS効果だなあと思う。昔は飲食店でも撮影不可が多かったけど、変化するものだね。もちろん、あんまりバシャバシャうるさかったり、横暴な撮影は注意しなきゃだけど、基本、性善説で運営していくのが、いろんな意味で優しいよ。

 さて、武田くんたちと別れたあとは、燕三条のおとなり長岡市へ。長岡は個人的にほんと大好きな街で、訪れるたびに学びをいただいて帰る稀有な街。そんな過去の気づきはぜひ以下の記事を↓

 毎回、長岡をアテンドしてくれる、市役所職員の真紀さんはじめ、飲み友達な長岡のみなさんが昨年のうちから色々と尽力してくださって、実は念願の長岡花火を初体験できることになっていた。間違いなく、今回の旅のメインイベント!!!

 そもそも長岡花火は、市街地の約8割が消失し、1488人ものかたが亡くなった長岡空襲の翌年、復興を願い再開された長岡まつりの花火がベースとなっている。花火大会は8月2日、3日だけれど、長岡入りした8月1日が長岡空襲の日で、市街の柿川では、灯籠流しが行われていた。

 女子高生たちがスマホでムービーを撮りつつ灯籠を流す姿を橋の上から眺める。たとえ形式だけでもこういう行事が残ることの大切さを思う。彼女たちにとっては、綺麗とか、映えるとか、そういう感覚の方が大きいかもしれないけれど、それでもその型の連続をもって、時と思いが未来につながるのだから、それでいいんだよって思う。

 そんな情景をしばらく眺めた後、その佇まいに惹かれてフラリ入ってみたのは、居酒屋「山葵」。お母さんがたった一人で切盛りされている。カウンターには常連さんらしき男性が二人。その隣に座らせてもらい、勝手がわからないまま、とりあえず長岡の銘酒「景虎」をもっきりでいただく。突き出しは湯葉と山葵漬け。素敵。

右上の貼り紙、なんて読むかわかる?

 なにせ食べ物のメニューがないから、なんとなく身を任せてだんだけど、お酒飲んでたらやっぱりお魚が食べたくなって、ダメもとでお刺身できます? と聞いてみたら、なんとまあ見事な手際で想像以上に美しい刺身盛をサラリと一皿。

「花火かい? 初めて? 感動するよ〜」って程よい会話も心地よく、〆の、のっぺがまた最高で、ほんとよいお店だった。

 町中ではまつりが開催されていて、素敵な浴衣の人たちがたくさん。花火に向けてみんなの気持ちが高まっているのを感じる。

3日目。長岡花火

 花火当日の8月2日。コロナ禍の中止から3年ぶりの開催ということで、長岡市民、いや新潟県民にとって、まさに悲願の復活だったに違いない。信濃川沿いに準備された観覧席には、既にたくさんの人がいたけれど、それでも例年に比べれば、人も少なめとのこと。全国的にコロナウイルスの新規感染者が増えているから、ひょっとするとキャンセルされた方も多いのかもしれない。しかし、現場のオペレーションはさすがで、思わず声を上げてしまいそうになる時も、できる限り歓声ではなく拍手で感動を伝えましょう、と呼びかけるアナウンスには学びをもらった。

 いきなり馬鹿みたいな感想だけど、花火がめちゃくちゃすごかった! 三尺玉の圧倒的なデカさと、スターマイン(連続花火)の華やかさに終始感動しっぱなし。秋田県大曲の花火大会にも伺ったことがあるけれど、競技大会である大曲とはまた違った良さがある。より一層わかりやすくエンタメでありながらも、その真ん中に慰霊と復興の願いを感じるとても良い花火大会で、これが日本一と言われる所以かと、とにかく圧倒された。

 配ってくれたお弁当が随分豪華で、さらに新潟限定ビールを幾らでも飲めるように準備してくださったり(ちゃっかり3本いただいちゃったよ)さらにはおつまみとして長岡の枝豆まで! 至れり尽くせりな枡席があまりに幸福過ぎて恐縮しちゃうほど最高の時間だった。

 さらには、副市長の高見さんに久しぶりにお会いできたり、磯田市長にも初めてご挨拶させて貰ったり、細やかに何から何までサポートしてくれた長岡のリスペクトな飲み友達には心底感謝。長岡で仕事生み出したい気持ちがむくむく立ち上がってきて困る。ほんと新潟は豊かだなぁ。

4日目。福井へ

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