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01.オールユアーズの服

旅する編集者と言われたりする僕が、必ず旅に持っていくモノや、長年使い続けているマイスタンダードなモノ、その他シンプルにお薦めしたいモノなどを紹介する企画。第一弾は「ALL YOURS」の服

みなさんはオールユアーズ(ALL YOURS)というファッションブランドについて聞いたことがあるだろうか? とある企画で、代表のキム兄こと木村昌史くんとご一緒させてもらったご縁から、その存在を知った僕だけれど、いまや僕のスーツケースの中身は、ほとんどがオールユアーズの服。

たとえば僕がほぼ毎日使っているオールユアーズのハイキックジーンズを初めて履いた瞬間、そう、これは本当に試着で片足を突っ込んだ瞬間の話。僕の頭のなかに、家にあるお気に入りのジーンズたちが浮かんだ。それらのデザインが僕は大好きだったのに、次の瞬間、もう履かないと確信した。そして今後もうこのジーンズ以外買わないんだろうなあとも。

つまりは待ってたんだなと思う。みんな勘違いしているかもしれないけれど、真に衝撃的な出会いというのは未知のものからは得られない。あくまでも既知のもの。しかしそれは頭のなかにあっても実際にはないもののことだ。つまりは「こんなものがあったらいいのに」というものが目の前にあった瞬間ほど衝撃的なことはない。

音楽が聴けて、映画も楽しめて、電話もできる。そんなツールがあったらいいのにと思っていたからこそ、ある日突然iPhoneが目の前に現れて興奮したように、オールユアーズの服を前に僕は興奮した。

ハイキックジーンズを履いた僕に、説明なんて不要だった。だって僕はこれをずっとずっと待ってたんだから。そのまま近くの郵便局に走ってジーンズ二本分のお金を下ろした僕は、初めて自転車を買ってもらったときの気持ちを思いだした。つまりは世界が広がった。これは比喩のつもりじゃない。ハイキックジーンズを履いた人だけがわかる、関節部の可動域の広がりからくる実感の話だ。

数日後今度はジャケットを買った。セットアップも注文した。そうやってオールユアーズの服が増えていくたびに、クローゼットの中がどんどん入れ替わり、そして服の数は減ってた。

もちろん年齢のせいもあるかもしれない。でも僕はもう今後服が必要だと思えば、このイカした友達が作る服をただ無心に買うんだと思う。そして僕が求めていたブランドとは、そういうものだったのかと思った。つまり、いまという時代を共に生き、同じ課題意識を共有している仲間のものづくりであること。仲間だから当然信頼できること。そして、そんな人たちと同時代を生きていることに喜びを感じること。それが僕が愛したかったブランドだ。

決して大げさではなく、僕はオールユアーズのおかげで人生の幸福度が上がった。そんなファッションブランドを僕はほかに知らない。彼らの先進性や革新性については、僕よりもしっかり語ってくれる人が多くいるし、なによりオールユアーズ代表のキム兄はとても雄弁だ。

そんな彼らが「第36回毎日ファッション大賞」にノミネートされた。僕はファッションの世界のことをよく知らないけれど、錚々たる方々が受賞されてきた素晴らしい賞なのだそう。そこで彼らがいまあらためて、クラウドファンディングで共犯者を求めている(〜7/17まで!)↓

僕は彼らを応援してる。1000円の支援で1000円分のチケットが貰えるから、まだオールユアーズ の服に触れたことがない人も、これを機にまずは応援してくれたら嬉しい。もちろん無理強いはしない。だけど僕は、オールユアーズが変えてくだろう世界のなかでファッションを楽しんで生きて、そして気持ちよく死にたいと思う。僕は本気でそう思ってる。

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編集者。1974年兵庫県在住。『Re:S』『のんびり』編集長。著書に『風と土の秋田』リトルモア、『魔法をかける編集』インプレス。『アルバムのチカラ』(共著:浅田政志)赤々舎。その他、『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』(佐藤健)など、手掛けた書籍多数。

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