藤本智士(Re:S)
記事一覧
『Culti Payという、やさしい革命』〜取り戻す旅とRe:Standard Booksについて〜
目指すはローカルの小さなワイナリー おかげさまで好評をいただいている #取り戻す旅 この一冊をお届けするべく、立ち上げたレーベル『Re:Standard Books』は、僕が地方…
やさしさの旅03 「隙間と移動とグリーン」
こんなふうに、フィジカルな体験を僕が好むのは、実感や体感の欠如を感じる場面が増えているからだ。そもそも世の中において、デジタルの万能性が多く語られがちなのは、デジタルが発展性や成長性を内包するゆえだろう。現状の不完全さを余白と捉え、未来に期待をするからこそ、デジタルなモノや技術に対して人々は寛容だ。一方、アナログなモノに対しては、それそのものに成長性や発展性を感じづらいからか、現状を批判して終わ
もっとみる各地でお喋りツアーな日々を整理
5月の文学フリマ東京で新著「取り戻す旅」をデビューさせて以来、
6/6 福島県猪苗代街「はじまりの美術館」
6/17 宮城県仙台市「曲線」
7/1 長崎県佐世保市「RE PORT」
7/2 佐賀県武雄市「武雄旅書店」
7/10 高知県安芸市「東風ノ家」
7/16 岩手県盛岡市「盛岡という星でBASE STATION」
7/25 青森県八戸市「アンドブックス」
7/26 青森県青森市「PENT H
沖縄首里「CONTE」の幸福な夜
沖縄県那覇市首里に「CONTE」という名のカフェレストランがある。料理人の五十嵐亮(まこと)さんと、編集者の川口美保さん夫婦が営むこのお店がオープンしたのは2015年のこと。
オープンの年にすぐさまお店に伺ったのだけど、それは、雑誌『SWITCH』の編集者として、秀逸なインタビュー記事を生み続けた美保さんが、雑誌編集をやめて沖縄でカフェを開くという知らせに驚いたからだ。そしてさらに僕は、美保さん
「夕焼けを見てエモいはなんか違うじゃないですか」に、思うこと。
先日、初めての街に講演に呼ばれ、地元の人にアテンドしてもらってまち歩きをしていた時のこと。一緒に歩いていたお手伝いの女子学生が、「どんな時に“エモい”って言葉が出ますか?」という問いを周りのおじさんたちに投げて、盛り上がっていた。
気になる話題だなぁと耳を傾けていると、そもそも女子学生がそんな問いを投げたのは、あるおじさんが夕焼けを見てエモいと言ったのを聞いたからだと言う。
「それってなんか違
山形県最上郡戸沢村にボランティアに行って考えた、「人の手」のはなし。
7月末の秋田山形豪雨で甚大な被害を受けた山形県最上郡。なかでも被害が大きく、集落全体が浸水した戸沢村のボランティアをしてきた。ネットを介して地元放送局のニュースを見た時の衝撃はかなりのもので、これまで幾度も、その穏やかな流れを見ていた最上川の氾濫に、自身の驕りを投影して、ゾッとした。
昨年の秋田市や五城目町のような日本海側北部での豪雨被害や、九州北部の大雨被害など、夏の自然災害が常態化してい
SとNの間にあるもの 〜エピローグ・東SoNogiの引き寄せ〜
佐世保と武雄温泉でのイベントを終えて、兵庫県に戻ると、静岡県の南伊豆でローカルローカルという宿をやっている友人の一徹から、やりとりしていたイベントの概要が決まったというメッセージが届いた。
今年の初めだったか、一徹から、東京 清澄白河にある「日本仕事百貨」で主催するトークイベントにゲストとして出て欲しいというオファーをもらったものの、その時はちょっとそういうモードになれなくて一度お断わりした
断熱に代わる言葉を探して(岩手県紫波町の旅)
夜に盛岡で行われるトークイベントに向けて花巻空港に到着した午後、僕はそのまま盛岡市内に直行せず、紫波町に向かった。友人で編集者仲間のいづみさんが空港から車で連れて行ってくれたのだが、花巻空港から盛岡へと北上するちょうど途中にあるのが紫波町で、想像よりもアクセスのよい町だと知り、岩手の地理の解像度がまた上がった。
そもそもどうして紫波町に寄ることにしたのか。その理由は、先月、宿泊した島根県隠岐島、
SとNの間にあるもの 〜中編・東彼杵の衝撃〜
大村湾を理解する
リポート(REPORT SASEBO)の小仙くんは、佐世保へと向かう道中にある東彼杵という町が面白いから案内したいという。何一つ予定を決めていなかった僕はありがたいばかりだと、言われるまま東彼杵に向かってもらった。長崎県のほぼ中央部、大村湾の東側に面する東彼杵町は、県下最大級のひさご塚古墳があったり、江戸時代には長崎街道の宿場町として栄えた歴史ある町だという。しかし僕は今回訪れ
SとNの間にあるもの 〜前編・近づく長崎と佐賀〜
佐賀と長崎との距離
今朝は高知にいる。昨夜も友人たちと馴染みの店で楽しい夜を過ごして、あらためて高知の豊かさ(特に食!)に圧倒された。47都道府県全てを旅する僕だけど、ここ高知のように何度も訪れる場所もあれば、その一方で、数回しか訪れていない土地もあって、ご縁というのは不思議なものだ。
そんな風に、これまで大きなご縁がなかったけれど、ここにきて俄然その距離が近づきつつある土地というのもあって、
南三陸の奇跡。レジリエンスのチカラ。
【シェア拡散大歓迎・渾身の記事アップ!】
震災直後から何度か足を運んでいる南三陸だけれど、戸倉のカキ部会の方達ほど、その情熱と行動をもって、自らの手で、未来を近づけた人たちを、ほかに知らない。ずっとずっと取材したかったレジェンドなお二人を、南三陸に長年伴走し続ける、尊敬する先輩、吉川由美さんにつないでいただいて取材することができた。
これ、マジで映画化したいくらいの話。
そもそも僕がジモコロ
『Culti Payという、やさしい革命』〜取り戻す旅とRe:Standard Booksについて〜
目指すはローカルの小さなワイナリー
おかげさまで好評をいただいている #取り戻す旅 この一冊をお届けするべく、立ち上げたレーベル『Re:Standard Books』は、僕が地方を旅するなかで出会ってきたワイナリーやクラフトサケなどの小さな醸造所がイメージ。
自然の恵みをベースに、出来る限り素材を無駄にすることなく、身の丈に合った量を醸し、美味しく飲んでもらう。その販売営業に全力を注ぐとい
やさしさの旅_02 「アメ民と風景印」
まるで夏な青森市。市内を出る前に「アイスコーヒーと美味しいパンとか買えないかなあ」と、助手席で甘える僕の目にちょうどパン屋さんが映る。「この店はどう?」そう聞くとアンリは「ハード系のパン美味しいですよ」と即答。「Mont d'Or(モンドール)」という名のそのパン屋さんは、まさにハード系菓子パンが充実で、やたらと目移りして仕方がなかった。そんななか、この組み合わせにハズレなどない、ゴルゴンゾーラ
もっとみるアルバムな旅07『アルバムサンタ』
島根県松江市にある佐野史郎さんのご実家は代々お医者さんで、長男だった佐野さんも、本来はその五代目としてお医者さんになる予定だった。しかし勉強はそんなに得意ではなかったという佐野さんが、高校2年のときに、理系クラスではなく、私立文系クラスに振り分けられたことを機に、弟さんが医学部を目指し、あとを継いでくれた。当時のクラス分けが、運命の分かれ目となって俳優佐野史郎を生み出したのだから、いまとなれば実
もっとみるやさしさの旅_01『ファンタジックなリアル』
今日もなんだかご陽気な青森の街。ホテルの部屋から眺める港湾地区に、また何か大きな建物が建ったのかと思ったら豪華客船。街に海外の人が多いのはそういうことか。今日の午後、僕は関西に帰る。
夜中のふわふわしたテンションのままに今回の青森旅の出来事を喋った寄り道だらけのVoicyを聴きながら、出会った人たちの優しさに今回もたくさん救われたなあと思う。前回の来青時同様、またしても友人のアンリにはスペシ
文学フリマ東京 初出店レポート
AM 9:05 この後僕は文学フリマ東京というイベントに初出店する。いまは平和島のホテルの部屋でこれを書いている。昨夜は一緒に出店するりスクール(Re:School)のメンバーとご飯を食べて、渋谷を少し散歩してホテルに帰った。寝る前、今朝流すVoicyを収録せねばと、夜中のうちにお喋りしたら深夜2時を過ぎても一向に眠くならなかったのは、やっぱり興奮していたからだろうか。いったいどれくらいの人がく
もっとみる