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"デジタル人材"という言葉の違和感と提案

今月に経産省より公開された以下2つの資料を見て、いくつか気になる違和感と提案がありnoteを書いてみました。
誰に対しての提案なんだ…!という話は置いといて(笑)

資料1: デジタル人材育成プラットフォーム の取組状況について
資料2: デジタルスキル標準に関する取組状況について

こちらの資料は何の目的で、どのような情報ソースから、どのような議論や解釈からこのようなアウトプットになったのか、という背景を100%理解しきれてないのであれですが、公開された資料を見る限りなので断片的な私の解釈であり、あくまで私見として違和感が大きく3つあり、私なりの提案も最後に書いてみました。

違和感1

資料1(デジタル人材育成プラットフォーム の取組状況について)P3から引用
日本企業は両デジタル人材に共通して「デジタル人 材を採用する体制が整っていない」と「デジタル人材を育成する体制が整っていない」約40%と多い。

上記スライド内にある上記表現に違和感を持ち、デジタル人材はいつから受け身な人材になったのでしょうか?教育をする体制が無いとデジタル人材は存在しない、あるいは育たないのでしょうか?この表現に少し違和感を持ちました。
最近、ニュースでもDX人材をたくさん育成するというのも見かけますが。

例えば、あくまで一例ですが、アメリカのマーケティング職種はSQLがJob descriptionに記載してあったりします。

PayScaleを見るとSQLスキルの有無で、マーケティングマネージャーの給与を以下引用すると、$16,664の差があります。日本円で約200万円の差になりますSQLができて200万円給料上がるなら、50万円とか100万円くらいで自分でオンライン学習とかに自己投資して、給与上げたい人いそうですよね。日本でSQLを書けるマーケティングマネージャーで給与の差が200万円つくというのは、特定の業界以外はあまり聞かない話です。給与だけが全てではないですが、自己投資や主体的に学ぶような、デジタル人材が勝手に増える経済構造の1つかと。

*PayScale: 雇用主が従業員の報酬を管理し、従業員が雇用市場での自分の価値を理解するのを支援するアメリカの報酬ソフトウェアおよびデータ会社

The average salary for a Marketing Manager is $68,642

The average salary for a Marketing Manager with SQL Skills Salary is $85,286

デジタルスキルは例えば製造業の開発部門のように特別な部品や薬品を使うなどして、特殊な治験や工場や実験室がなくても、やる気とパソコン一台で、いつでも•どこでも、ほとんどのスキルを学べてしまうくらい、誰でも学べます。

違和感2

経営トップはDXを推進する人材では無いのでしょうか?他の報告書などでまとまっていて、私がキャッチアップできていないだけかもしれませんが、この資料を見ると、まるでピラミッドの2段目の”DXを推進する人材”たちが一生懸命頑張る構図になっていまして違和感を感じました。

資料2(デジタルスキル標準に関する取組状況について)P5から引用

ピラミッドの1番上の組織のリーダーやビジネスオーナーがビジョンを持ち、誰よりも主体的に行動し、DXを推進したら、仲間は集まり、人材は育つのではないでしょうか。ピラミッドの絵を書いた場合、まずピラミットの一番上の方々の意識や行動をもう少し言及しても良いように思えます。そもそもピラミッドでも無い気がしますが。

例えば"CxOのデジタルスキルレポート"とか、どこかかまとまっているのありましたら、知りたいです。

もし、仮にDXと言っている経営陣がごく一般的なツールさえ使えない非デジタル人材がだとしたら、DXを任された中間管理職は非デジタル人材である経営陣に、DXを依頼されたにも関わらず様々な説明や説得をするために多大なる労力をかける謎な構図になるかと思います。それだと、なかなか進まなそうですよね。

違和感3

全体的なニュアンスがDX(Digital Transformation)のD寄りな表現やまとまりで、D(Digital)は手段であって、Transformation(X)の方が目的であるかと。デジタルやシステムが関わる業務や既存プロジェクトを推進する際に必要なスキルとしては不可欠ですが、そもそもXをする際のマインドや行動にが先に来た方が、あるいは内容を濃くした方が、根本的な課題解決になるのでは無いかと感じました。

先日私が書いた以下noteですが、昨今世の中でデジタル人材やDXと言われている領域において、サラリーマンの主体性・当事者意識(意識という言葉は抜きたいですが)・本気度・行動力があり、サラリーマンが起業家を兼業すれば半年もすると一人前のデジタル人材、DXを推進をする人材になるのではないかという一つの仮説です。

デジタルスキル標準に関する取組状況についてに記載のある、スキルアップやスキルの標準化などにご尽力いただくのは大変ありがたく、スキルはスキルでとても大事で、大きな組織における組織創りや人材を体系的に捉える際や社内説明の際等にはわかりやすいですが、そもそも自発的に学習や行動し続ける心のスイッチを入れることもとても大事だと感じております。

最後に、全社的にデジタルへと業務の距離感や教育機会などに触れやすい環境や組織的風土情勢など取り組みは様々ですが、DXのD側(Digital)の施策や議論は色々なところで散見しますが、DX推進というか経営改革や心のスイッチを入れるために、X側(Transformation)の施策として、あくまで例えばの案ですが「社員に自分の会社を登記してもらい、1年以内に(できれば)300万円以上の売上を作り、デジタルツールを複数使って、効率的に会社経営をしてもらう。まずは第1期自分の会社の決算をして報告してもらう。もちろん経費などは全て自己投資。それを達成した人にはそれなりのインセンティブ」という副業推進を行うというのもDX推進の加速になるのではないか、と最近感じています。XのスイッチやXの在り方は、会社の状況や社員や役割によってバラバラしているものな気もしますので、自社や自身にとっての照らし合わせをしつつ。

私の身近でも試しにやってみたいと思います。


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