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NAVA(TR-909クローン)製作記・備忘録

1. NAVAとは

NAVAは2020年現在購入可能なRoland TR-909のクローンマシンで、http://www.e-licktronic.com よりキットが購入できます。
ケースは erica synth が販売しています。
構成パーツは1300にも及びICソケットやワイヤー類、スイッチキャップなども含めると1400程度なるのでかなりの量です。
ハンダ付け箇所も大変混み合っている部分があるのでハンダブリッジなどができないように落ち着いて作業するのが良いでしょう。
前回記事のRE-303がレベル3だとしたらレベル4くらいな感じですね。
現在の在庫限りでもう次ロットの生産はしないかもしれないということなので作るなら今がチャンス。

2. 製作の参考になるサイト

1. gou.sさんという方がおおよそ全てのビルド過程を詳細に記しているのでとても参考になります。
https://gou2go.tumblr.com/tagged/NAVA909

2. こちらのTkSasakiさんの記事も参考になります。
http://diysync.info/nava/
記事内でファームウェアの書き込みに関して記載があり心配しましたが基本的にはキット内のICにインストールされた状態で届きますので大丈夫です。

3. 補足事項

大きな2枚の基板で構成されているので各パーツの実装位置を探すのが大変なのですが2020年1月にリリースされたこちらのWEBベースの簡易ツールが使い易く便利です。
下記のForum内よりDL可能です。

スクリーンショット 2020-06-01 0.54.18

その他のメモ
1. 10KΩ 0.1%誤差の抵抗を5個買いましょう。金物系のセクションで必要になります。
2. マニュアル通りに組んでいくとHAND CRAPのセクションで0.1uFのフィルムコンデンサが1つ足りなくなりますが、上記ツールで最新の実装パーツを見るとNOISEセクションのC48がセラミックの0.1uFになっているのでそれで組めば足りなくなることはありません。
3. C40はMID TOMセクションで10uFの電解コンデンサを実装する。
4. R694は220Ωにすることで液晶の明るさが改善される。
5. LEDスタンドはMouserカートに入っているのだと幅が広すぎて隣同士が干渉するのでこちらがオススメです(4つ必要)。
6. C82, C83の裏に1MΩの抵抗をつける。(これによりSNAREのディケイが改善される) ポテンショメータをつける前に処理しておく方が良いかと思います。
7.
R40にジャンパーをつける。

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4. 製作

コロナの自宅隔離中に製作しようと3月末に注文しましたがコロナ禍で配送が遅れ届いたのは4月末頃でした。。

僕の場合最初にMUXボードを仕上げました。
ちょっと前に表面実装のユーロラックモジュールを製作していたので結構綺麗にできました。

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この後にPSUとIN/OUTセクションを先に完成させてしまいます。
こうすることによって各セクション完成ごとに出音の確認をすることができます。

メイン基板では背の低いパーツからつけていくのがセオリーですので、僕の場合はダイオード(4箇所のみ1N4746)、抵抗、ICソケット、トランジスタ、コンデンサといった順番で実装していきました。今回はポテンショメータを最後にまとめてつけましたがハンダ箇所が結構混み合っていて大変でした。
また、最初に数カ所支点となる部分にポテンショメータをつけてしまいスタンド代わりにするのも良いように思います(次に作るならこの方法を試します)。


重要な事柄は基板に書いてあります。

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各セクション毎の出音チェックをする場合は"TRIG"の指す部分にトリガー(僕の場合KORG SQ-1を使用)を入力すると個別出力の部分から音声が出力されます。
ポテンショメータを実装していないと変な音が出ますが何かしら出ていれば大丈夫かと思います。
その際は電源となるJ5に加えて各ボイスごとの出力端子となるJ1, J3, J4の接続が必要となります。

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ノイズセクションの確認

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電源ONしてコントラスト調整と各部の確認を済ませて、、

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5. 完成チェック

これぞ909といった欲しかったサウンドと実機でしか得られないこのグルーヴ、まさに唯一無二としか言えません。大変だったけど作って良かった。。


そしてケース到着。ericaは即日配送でラトビアから3日ほどでの配送。

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ノブはKlangGeneratorさんが個人で製作しているものを購入しました。セットで20ユーロ+送料9ユーロなので意外と安い。

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あとはケースに入れるだけだから余裕と思って気を抜いてしまったのか一旦外したMUXボードのコネクタを逆に指すという失態を犯しMUXのICが逝ってしまったよう、めちゃくちゃ発熱する&まともな音が出なくなる。。
(ちなみにMUXボード外してしまってもアクセント効かないだけで他の機能的には問題なくちゃんと909の音が出る)

その後IC類を注文し直して再実装したらちゃんとアクセント効くようになりました。(みなさんもコネクタの逆挿しに気をつけてね。)

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無事完成!

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