内容には賛成だが、発言者が気に食わないから反対、という姿勢。

タイトルに書いたような態度は、コンサル時代、論理的に物事を考えられない人の代表として教えられてきた。今でもそれは正しいと思う。

ところが、ある時、自分が同じ考えに陥っていることに気付いた。何と建設的でない考え方をしているのだ、とさすがに自分に愕然とした。


その時は、仕事でもっと議論・相談をしたいと思っている人と、じっくり会話するタイミングが作れない状況が続いた。

先方も忙しいので、手持ちの仕事を回すので手一杯。こちらの会議にはあまり参加してもらえず、一方的に要望だけが飛んでくるように感じてしまう。

また、向こうの会議に呼ばれて、せっかくなので何かを発案しても、既に全員が余裕のない状況で、なかなか受け取ってもらえない。

言っても聞いてもらえず、聞かれずに言われるなら、自分がいる意味はあまりないのでは、などとダークサイドに気持ちが傾いていく。

そんな状態だと、相手の発案を斜に構えて受け取ってしまう。明らかに、相手との人間関係が内容に対する評価に影響を及ぼしてしまっているのだ。

その後、会話をする時間が増え、素直に話が聞けるようにはなったが、自分の感情がここまで仕事に影響を及ぼすのか、と今でもショックに思っている。


ただ、こういう態度に至る思考過程の一つが分かったのは大きな収穫だった。悪意のある人だけでなく、誰でもここに陥る可能性はあるのだ。

建設的な考え方のできない奴だ、と拒絶してしまう前に、何がその人をその姿勢に駆り立てているのか、一度考えてみても有意義かもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?