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日米の「差」を痛感-第3回スポーツビジネス産業展訪問メモ


はじめに

2月初め@幕張メッセにて開催された第3回スポーツビジネス産業展を訪問しました。聴講した講演についてのメモは別途投稿したので、今回は展示会そのものについての簡単な印象メモです。(前投稿と被る内容は割愛します。)

1月初めにLas Vegasに行き、CES2020のメイン会場=LVCC=とは少し離れた場所で、着々と規模拡大進行しているスポーツビジネス向けの展示、およびメジャースポーツプレイヤー(メディア、IT企業等の関連産業含む)の取り組みを見ていただけに、日米の差を痛感せずにはいられない内容でした…。とはいえ、まだ第3回目のイベントなので、今後の期待も込めて、気になった点を残しておきます。

”Sports X Technology”or”Technology x Sports ”?

今回初参加した当社に加え、富士通、NTT-DOCOMO、SONY(子会社)、NEC(子会社)等のICT企業の展示が大きくスペースを取り、”Sports X Technology”の文脈で各種の提案をしていました。主だった内容は幾つかメディアが報じていたので、リンク共有します。

ただ残念ながら、「チーム、選手、観客の課題を解決する=”Sports X Technology”」という文脈には実際はなっておらず、自分達の会社の技術をスポーツに当てはめて売上を狙う”Technology x Sports ”になってしまっているように感じました。(両単語の順番がキモです。)

私もアメフト経験者なので、いくつかの試合分析ツール、スカウティングツールを説明してもらいましたが、映像こそよくとれるものの、実際の試合、Play by Playの分析には全く使えない…しかもそれで初期導入数百万円…というものもいくつかありました。良くも悪くも技術主体で考えられてて、実際に当該スポーツの選手なり、関係者に聞いて作ったのではないな… そのシステムに数百万円出せるチームは、日本の中に100チームも無いな…と感じさせるものが、いくつかありました。

また米国で急成長中のMirroに準じるもの(あるいはそのもの)を展示していた事例もありましたが、そもそも鏡を使ったテクノロジー、ソリューションは(自社はじめ)日本企業が2010年代初めに見出していたにも関わらず、米国勢にずっと先を行かれてしまったのも、Technology Drivenで考え、スポーツする側=顧客側の立場に立ててなかった証拠のようで、少し寂しく感じました。


まだまだ「露出至上主義」の日本企業のSportsへの向き合い方

100社を超える出展社があったとのことですが、会場の多くはスポーツのスポンサー側、球団側に対して「スポーツの露出効果を強調するもの」だったように感じました。具体的にはノベルティとか、会場案内用ツールとか、ファン会員用のオリジナルTシャツ、バッグ、各種グッズ等…。それはそれで重要なビジネスチャンスだとは思いますが、別投稿のnoteで触れたように球場内から生まれるビジネス価値は実はそれ程大きくありません…。各種講演では、「街づくり」「地域との共創・共生」「社会課題解決型…」等のKeywordが多数出ていたものの、展示内容はそのKeywordと比較すると、やや周回遅れに感じました…。この点は回を重ねていき2-3年後には、より選手・チーム/クラブ、周辺地域、関係ステークホルダー等多くの人々、団体の課題を解決し、スポーツの可能性そのものを広げるような取り組みを提案するブースが多く出てくることを期待したいです。

私が注目したスタートアップ Sportip, FANTS 

まだまだこれから、という感じの出展内容でしたが、中にはキラリと光る企業もありました。筑波大発のスタートアップ Sportipは、指導を受ける人の動きを通常のスマートフォンやカメラで撮影し、運動科学の知見をベースにAIが改善ポイントを判断し、個人に最も効果的な指導内容を提供する・・・というもので、筑波大学の保有するリソース(アスリート、各研究室等)、ナレッジ(生理学・スポーツ医学等)をベースにしており、頭一つ二つとびぬけている感じがしました。実際Jリーグ:浦和レッズ、大宮アルディージャ、プロ野球:埼玉西武ライオンズと連携し、実際に各チームが抱える課題を基にデータ分析を通じて解決に向けたビジネスプランを提案する…という流れになっているようで、今後注目しておいた方がいいかも。

もう1つ、株式会社スタメンという、もともとはHR Techの会社が、それをピボットしてファンクラブ運営社向けのオンラインファンサロン「FANTS」と、スポーツチーム向けのチームエンゲージメントツール「TUNAG」の2つのサービスを提案しているのも面白かったです。人・組織づくりの問題は、企業のみならず、スポーツチームでも必ず発生するだけに、同社の展開は面白いと思いました。(競争は厳しそうですが…)。

スポーツチームのビジネスに関わり始めて感じることは、
「スポーツチームは企業経営・ビジネスの縮図」ということ。
・ファン獲得から後援会員獲得し定着させることは、デジタルマーケティングの王道(認知強化、コミニティ創出,CRM,施策構築分析…)全てに通じる
・グッズ販売事業はB2C事業(商品開発、企画、仕入れ、発注、在庫管理、プロモーション、アフターサービス、オンライン/オフラインでの販売…)そのもの
・B2B(スタジアム向けソリューション、コラボパートナー…)、B2G(街づくり、地域創生…)の面もある
そういう意味で、今回のFANTS,TUNAGのように、一般的な企業向けのソフトウェアがスポーツチーム、組織にも横展開することもできるでしょうし、スポーツチームで成功した取り組みを、「組織マネジメント」の観点から、一般の起業に横展開していくこともできるように思います。

…というコトで少し辛口な投稿になったものの、本イベントの今後の発展、拡大に期待する次第です。 


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自称 ”Versatile Player”.On Offともに多動力で遊ぶように取り組む。早大、大前研一BBT-MBA、日本元気塾 楠木ゼミ出身、デジマ&イントレプレナーの社内複業@Panasonic。オフはシニアアメフト、Daddy Park Training トレランに熱中。