見出し画像

道案内をした日の話

 何故か自分は、よく海外の人やご年配の方に道を訪ねられることが多いのです。

 たぶん、「こいつは絶対悪いことしない。」と思われるような平凡な顔立ちと服装だからなのでしょうか。

 その中でも特に印象的だったお話です。

 

 その日、仕事でくたくたになりながら職場の最寄り駅に着いたとき、上司らしき男性をつれた外国の女性に話しかけられました。

 かなりのマシンガントークで、しかも若干フランス訛りのある英語に焦りましたが、どうやらタクシーを拾いたいらしいのです。

 英語で道案内できる自信がなかったので、雑談しながら案内してあげました。

 夜のビジネス街には、残業帰りの会社員を狙ってタクシーがいっぱいいるので、すぐに乗せてあげることができました。

 彼女と上司はお礼を言ってくれました。しかし、私はそこであることに気がつきました。

 「お2人とも日本語話します?」

 私がそう聞くと2人とも首を横に降りました。そこでどこに行きたいのか聞き、運転手に行き先であるホテルの名前を伝えました。

 それを見た女性がとても嬉しそうに、

 「ありがとう!本当に助かりました!」

 と私の手を握りました。そして、

 「これ私の名刺。何かあったら連絡してね!」

 と名刺をもらいました。残念ながら名刺を持ってなかった私は自分の名前を教えて彼女たちを見送りました。

 帰宅後、無事に着けたのか名刺のアドレスにメールしてみたら、ホテルの部屋で寛いでいるとのことでした。

 ホッとしながら、何やかんやで人に感謝されるのってやっぱりいいもんだよなぁ、なんて思いながら眠りにつきました。

 あれから数年経ちました、残念ながら彼女たちと再会出来ていませんが、彼女たちも元気で願わくは覚えててくれたらいいなと思います。

以上、らずちょこでした。

ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

ではまた次回。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?