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小説の感想を作者に伝えることと、小説を褒められてもあまり嬉しくない話


賞レースがね、すっごく苦手なんですよ。ムキになり過ぎてそれ以外のこと考えられなくなっちゃうの。だから早く「やるだけのことはやった!あとは放置!」という状態にもってって、忘れたい。(しかしそんな状況来るんだろうか…?)

ノベルジャムのハッシュタグを1日10回くらい検索してる気がする。
病院に行ったら「ツイッターの見すぎですねー。気になるようでしたらエゴサとノベルジャムハッシュタグ検索できないお薬出しときますねー」って言ってもらえないだろうか。やめたい。全然楽しくないからだ。

正直noveljamから一週間がたち、もう世間の興味がかなり薄れてる。一週間経ったが、どの出場者の作品も数十部しか売れてない(つまり参加者同士で買い合ってるだけ)。これじゃあ「親戚が多い人が勝ち」「宗教に入ってる人が勝ち」みたいなバトルになってしまう。

あ、一ヶ月後に売り上げ一位の作品が賞をもらうっていうコンペなんですよ。


沢山の人が、小説の感想をくれている。私が賞レースに参加してるから、みんな応援してあれこれ言ってくれる。知らない人も言及してくれている。読み手としていろんなレベルやジャンルの人が言及している。

小説の感想をメールとかDMで送ってくれる人がいる。それは私がメールやDMで「読んでー」と言ったからであり、その返信として感想をくれるんだから、なんら間違ってないんだけど、なんか、「うるせーオモテで書け」と思ってしまうことがある。で、一瞬後に、あっ読んでくれたところ本当にごめん、ありがとう、って、無理矢理思おうとするんだけど、しかし、明らかに浅い読みや単なる好みのことを書かれると、それに対する返信もめんどい……でもメールだから返信義務がある……しんどい…………ごめん……しんどい……ってなる。

なお、オモテで何言われても全く問題ない。返信義務がないからだ。


小説に感想を言われること自体は慣れている。益な情報だけを取り入れ、無益なものは捨てれば良い。普段ならそれが出来る。
でも当日の審査員賞を逃し、一か月後の賞レースに向けて奮い立たないといけない状況で、ちょっと心の幕が薄くなってて、それが、やや出来ないでいる。


上記の話とは関係なく、日ごろから、私の小説の感想は外に出して欲しい思っている。
もちろん公開の場に書くことに抵抗ある人もいるのも分かるし、これはただの私の願いなんだけど。

小説の感想を公開の場に書いて欲しい理由は、「宣伝になるから」もあるんだけど、
「あなたが思ったことは尊いし、他の読者にも資することだから、公開して! 私だけにメールするのは勿体無い!」っていうのが、一番デカい。

だって、みんな、小説読んだ後にググッて他の人の感想読んだり、あるいは次に読む本を誰かのツイートを見て決めたりするでしょ?

「感想」って、単純にめちゃめちゃ有益な情報なんです。

更に言うと、私の小説は私の手を離れてどんどん読者のものになって欲しいし、私抜きで勝手に議論して欲しいんです。

私のことを褒めようとしないでくれ。「賞レース応援してね」とか言いつつ矛盾したことを言うが、小説を愛してくれたら私のこと愛さんでいいし、小説を応援してくれたら私のこと応援もしてくれなくていい。わかんないよね。わかんなくていいよ。ごめんね。でもそのために書いてるんです。


ていうか、実は、わたし、小説を褒められてもあんまし嬉しくない事が多いんですよね…………………………………。

(だからと言って褒めるなと言ってるわけではない。私のことなんかほっといて勝手に意見を言っててほしい、という意味)

私と同等かそれ以上に私の小説のことを考えた人の意見しか嬉しくないし、そんな人には褒められようが貶されようが等しく嬉しい。しかしそんな人は、現状数えるほどしかいない。それこそ審査員レベル、文学廃人レベルなんだよ。

…………こういうこと書くと『私なんかが感想言っても渋澤さんは嬉しくないよなー…』って思って感想ツイートやめました」とかよくわかんないこと言ってくる人がいるんですが、違うぞ。

この前も「ライヴ行かないのにファン面しててすみません」みたいなこと言われたが、「ライヴ来ないのにファン面するな」なんて私は言ってないんだぞ、「何もしてないのに『応援してます♪』とか言ってウザい自己語りをDMで送りつけてくる人間が嫌い」なだけだぞ(そんなの全員そうだろ)。ただ単にnote読んでるだけでもPV的に貢献してるしそれは立派なファンだよ。あーーーーーー。もう。あーーーーーーーーーーー。


だから、えーと、感想をツイートしてくれたらそれだけで誰かに資するし、それに「あ、縦書き読みにくいんだな」「あ、このギャグ、ウケるんだ」とか、アンケート的に部分的に私に資することもあるし、とにかく言及されることに価値があるので無責任にガンガン言及してほしいんですよ。私のことなんか気にするな。

私のことを喜ばそうとしないでくれ。

わけわかんないですか。わかんなくていいよ。

完全に自分が悪いのだが、「読んで!」と言ったら予想外に感想が返ってきて、アテられている。公開の場に書かれた感想はスルーできるのだが、私信で来た感想は返答義務が生じるため、辛い、が、完全に自業自得なのだ。

「小説書いたから読んで―!」と連絡するのは、「服脱いだから裸見て―!」というくらい暴力的なのだからもうやめた方が良いのかもしれない。でも、連絡先知ってる人って、濃いファン(あるいは元濃いファン)だから、出来るだけ繋ぎとめておきたい、って思ってしまう。でも濃いファンだからこそ、濃い感想を送ってくれて、で、ああ……しんどい……ってなる。

結局、ほとんどの感想は捨てるしかないんです。受け取った上で、都合の良いところだけもらって、あとは捨てるしかないんです。物書きなら分かるよね。わかんないならわかんなくていいよ。


私のTwitterにクソリプが来にくい理由のひとつは、「私が(他の奴に比べりゃ)本気で書いてるから」だと思う。人は、他人が本気でやってるものには茶茶入れにくいものだからね。

本気で書かれたものほど、本気でレスポンスせねばという圧がかかり、レビュー本数が減るという逆説があるね。でもまあそういう時は「うまく言えないけど好き」「最高!」とかだけでいいんだよ。あるいは黙ってファボとかRTでも、黙って課金でも良いんすけどね。

私も、いちファンとして、黙って課金、よくやります。コメントする場合は出来るだけ公共の場で、そしてnoteのコメント欄は半クローズというか返信義務生じるか微妙なラインな気がするので、無料記事の場合は課金したうえでコメントすることが多いです。でもこれはあくまで私の勝手なルールです。

とにかく私に対してマジでウザ長いキモいDMを送るのはやめてくれ。それは道端でいきなり知らない人からラブレター貰うのと一緒で、9割9分迷惑ですよ。https://twitter.com/RayShibusawa/status/965500224029433856

https://twitter.com/RayShibusawa/status/965504508787802112

小説について考えるって、こういうことです。


ちなみに今のところ一番嬉しかった感想は、これです。https://twitter.com/10kgtr/status/964559403595661312

そしてこの彼は同じくnoveljamに参加し「バカとバカンス」を書いた著者であり、私は「バカとバカンス」をベタ褒めしている。しかし「全然うまく褒められないな―」と思って、いまだにちょいちょいレビューを書き直している。


(そう、的確な感想を言うのは(たとえ褒めるだけでも)難しいし、自己の文学観の浅さが丸出しになるので、本当に鬼門なんだ)


そしたら審査員の米光一成さんが短い字数で端的に褒めてて、やっぱりかなわないなあと思った。ttps://twitter.com/yonemitsu/status/963067172997115904

ツイハイについては、あとは。審査員の新城カズマさんがずっと新しい人称、文体についての可能性を見出してくれてた一連のツイートが同点で嬉しかったです。





なんだか今日も、部屋の整頓ばかりして、まだ机に座れずにいる。


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渋澤怜によるnoveljamレポはこちらhttps://note.mu/rayshibusawa/n/n686d0e4938ac

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