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noveljam 作品レビュー② バカとバカンス

2/10~12日の3日間、小説を書いて電子書籍出版をする、2泊3日の合宿「noveljam2018」に参加しました!

先ほどの記事で「16作品全部レビューします」と書いたとおり、noveljamで発表された作品を読んでレビューしていきたいと思います! 第2弾は編集の方からリクエストがあったので「バカとバカンス」。https://bccks.jp/bcck/153409/info

■受賞

優秀賞2作品のうちのひとつです! 最優秀賞は今回は無しだったので、事実上のトップです!

■審査員評(※渋澤のうろおぼえです)

・「平成」の使い方が巧い。「フラットになる」と使うとは。

・1930年代のSF(?うろおぼえ)ぽさと、平成ぽさが同居してるのが素晴らしい(すいませんうろ覚えです)

・ただし、既存のジャンルの再生産感があったので、最優秀には至らず(なんていうジャンルの再生産って言われてましたっけ?覚えてる方いたらお願いします……)

・作中のゆとり世代がかわいい

・ジャム感があった(noveljamで二泊三日で作った感があった)


■渋澤の感想

プレゼンがねー。イマイチだったんすよー。だから買わなかったんですよ(3つの人称が出てくるってこと説明する必要あったか?)。

でも、優秀賞ということでかなり褒められてたので、講評後に買いました。


いやいや! めっちゃ面白かった!


表紙詐欺も良いね! というか、読み終わってからもう一回見ると笑える表紙。でもまあ、内容と結構かけ離れてるし、どんな話かは分かりにくいから、「ジャケ買い」はしにくいかもね! ここは良し悪しだと思います。私は推す。ところで帯でネタバレしてるのはいいの?


そしてタイトルもまたよい。そもそも語感が良くて一発で覚えられるタイトル。(私は他の作品の「味噌汁とパン・オ・ショコラ」「ユキとナギの冒険」が何度きいても覚えられなくて「焼きそばパンみたいなやつ」「何とかと何とかの冒険」ってずっと言ってました。これは私が悪いんじゃなくて、覚えられないタイトルつける人が悪いんだからね!!!!)

「バカとバカンス」に関しては、「タイトルの意味は何だろう……?」と思いながら読み進め、最後の1割でストンと腑に落ちるっていうのが、とても良かった。


あえて難癖をつけると、うーん、8,9割くらいのところでちょっとダレてしまったのだよね。おそらく、5章で再び初めの一人称「俺」が出てきて、「種明かし」的な展開になったからだと思う。じゃあこの話のクライマックスが4章の終わりかと言うと、そういうわけでもないじゃないですか(※)。(もし4章がちゃんとクライマックスしてたら、5章が「種明かし」的でもエピローグ的に楽しめたと思う)そこらへんフラットになっちゃったから、ちょっと飽きちゃったんだと思う。

※追記 あとで考え直したら、「でもバカがバカだから4章がああいう感じなわけで、それはそれで大事なんだよな……」と思いなおした。

逆に言うと、1章でちゃんとツカみ、2~4章なかばまでずーーーっと面白かったんですよ。だから、まあ、めちゃめちゃ高度な要求かもしれません。


あとひとつ、気になるところは、やっぱり「既存のジャンルの再生産感がある」っていう点ですよね。審査員の人が「何の再生産だ」と指摘したかは忘れてしまったんだけど(覚えてる人いたら教えて!)、(以下、ほんのりネタバレ)(しかしそもそも帯でネタバレしてるので、気にしない人は引き続き読んでください)

「神が、ある程度以上の知性をもった人間に罰を与え、バカにする」っていう話って、それこそバベルの塔からの定番なんですよね(※)。あとまあ、3つのスイッチが無意味なのは元から読めたし(※)、うーん、なんだろう、冷静に思い出すとちょこちょこ、既視感・お約束感があるっちゃあるんです、が、しかしそれも含めて「ちゃんちゃん♪」って感じが楽しいし、とにかく1章のツカミがとても良かったので、最後までドライブしちゃって楽しく読めたんですよね。

追記 ※定番だからダメ、というわけでは勿論なくて、5章で「あー定番のアレねー」ってなって個人的に失速したってことだ。

※でもバカがバカなのが愛らしいからここがベタなのはむしろ良いポイントな気もする。という気もしてきた。


あ、米光さんが言ってた「ジャム感があった(noveljamで二泊三日で作った感があった)」っていうのは、読んでもあんまし分かりませんでした笑

でもとにかく二泊三日でこれを書いたのはすごい。10000字という尺の可能性を感じました。


ナイス優秀賞!!!


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こんなに偉そうなレビュー書いてるお前はなんなんじゃ、って感じだと思いますが、

渋澤怜noveljam参加作品「ツイハイ」はこちらから読めます! 

3/26までに一番売り上げた作品が「アワード」を受賞することになっていますので、是非……かってくれると……嬉しい……! おもしろさは保証します

6割立ち読みできます◎ 買ってくれたら、私は公開の場で作品について何言われても大丈夫なタイプなので、ジャンジャンお気軽に感想を書いてください! Twitterかbccksの書評欄がありがたいです◎ https://bccks.jp/bcck/153419 

kindle版はこちら(こっちだと立ち読みできないっぽいです、お手数ですが立ち読みは上記のbccksを参照ください)

平成とともにTuiitter終了のお知らせ!理由はなんと「ヘイセーション」?!

「Tuiitter Japan サービス終了」・・・・・・このお知らせに、日本のTuiitter民は大騒ぎ!なんでも和暦を使っていたTuiitter、平成からの新元号への移行にともなうコンピュータシステムの対応、通称「ヘイセーション」による業務負担で終了とか?! 慌てたTuiitter民、FBに行ったりインステに行ったりと右往左往する者もいれば、もうTuiitterそのものに見切りをつけるものも。
しかし、そこに海外から救いの手が!日本アニメ大好きなヤップル社のCEOビル・ノーラン氏が日本人のために新しいTuiitterを作ったという。その名もTuiittetter(ツイイッタッター、略して「タッター」)。
「タッター」は1000万人限定のため、すぐにいっぱいに。一方で「暴君」とも恐れられるノーラン氏に嫌われないように、彼の好きな日本アニメのコスプレをするなど、ノーラン氏に大いに媚びる。この事態により、もともと常に他人の目を気にしてSNSを利用していた日本人の習性はどんどん助長されていく。「タッター」は大いに繁栄し、平成が終っても安泰と思ったそのとき、まさかの事態がーー。』


渋澤怜によるnoveljamレポはこちら↓↓

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★渋澤怜のTwitter→ https://twitter.com/RayShibusawa

★『なんで東大卒なのにフリーター? 〜チャットレディ、水商売、出会い系サクラ…渋澤怜アルバイト遍歴とこれまでの人生~』
https://note.mu/rayshibusawa/n/nb6ca37670da8?magazine_key=mf858e39e18e9

★おすすめエッセイ https://note.mu/rayshibusawa/m/mb0d4bde3bf84
★おすすめ創作群 https://note.mu/rayshibusawa/m/m70e04479475e

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