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記事一覧

毎日15分デッサンをしている日々のこと

毎日15分デッサンをしている日々のこと

アドラー心理学の名著「嫌われる勇気」を再読していたら、「ダンスをするように生きる」と書いてあった。

目標を立ててそれを達成するために生きると、もしその目標に到達できなかった時や、道半ばで死んでしまった場合、その人生は失敗ということになってしまう。

そうではなく、「ただ生きるために生きる。ダンスが踊ること自体が目的であるように。今踏んでいるステップ一歩一歩に集中する。それを積み重ねていったら、い

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"計画"とか"所有"とか"将来”とか”富の蓄積”からの解放〜「ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと」感想

"計画"とか"所有"とか"将来”とか”富の蓄積”からの解放〜「ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと」感想

「ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと」
読み終わった。予想通り超おもろい本だった。

・ 文字も暦も持たない。
・数字は1から10までしかない上にほとんどの人はうまく数えられられないので「10まで数えられるかチャレンジ」が宴会の余興になってる。
・ 腕時計は要らないが、時計が読めることはステータスなので、皆時計をしたがる。時計の入れ墨を入れる人もいる。

この辺は、以

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優しさの半分は体力 〜SMの女王様から学んだこと

優しさの半分は体力 〜SMの女王様から学んだこと

もう時効なので言いますが、10年ぐらい前にSMバーで働いていた。

バーのママである40代の美しき女王様は、いつも、ゲラゲラ笑いながら鞭を振り下ろし、大男を床に転がし、股間に蹴りを入れていた。

細い体のどこにそんな体力があるのか知らなかったが、疲れをしらない人だった。

彼女は、「優しさの半分は体力」と言っていた。

そう、鞭や蹴りは優しさであり、それは体力がないとできないこと。

病人になった

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猫”だけ”が住む部屋に3時間だけ居候した日のこと

猫”だけ”が住む部屋に3時間だけ居候した日のこと

私は毎朝、自分のアパートの屋上に行って瞑想をするのだが。

ある日の朝の屋上での瞑想後、自室に戻ったら、部屋の鍵が壊れてて開かなくなってしまった。

幸い携帯電話を持っていたので、即大家に連絡した。
(昔、浴室の鍵が壊れて閉じ込められて以来、私はどこでもなるべく携帯を持参するようにしている)

大家は隣の家に住んでいるので、即来てくれた。

しかし、大家が持参したスペアキーでもなぜか開かない。

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「村上春樹しか読めない」という奇妙な4年半について

「村上春樹しか読めない」という奇妙な4年半について

私はいわゆるハルキストではないのだけど、ベトナム在住中のこの4年半のうちに、彼の小説を読むようになり、長編小説は全て読んでしまった。

というか、逆にいうと「村上春樹しか読めない」という時期があった。

大学生の時から月20冊は読んでいた多読魔で乱読魔の私が、「小説は村上春樹しか読めない」という、超偏食の摂食障害に豹変してしまった。

今もほぼそれに近い。



ベトナムで会った人にはほぼ語って

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毎日15分屋外デッサンをしていた日々のこと

毎日15分屋外デッサンをしていた日々のこと

断捨離をしていたら、大量のスケッチが出てきた。

私は去年の9月から12月まで、ほぼ毎日屋外デッサンに出かけ、花やら葉っぱやら、おじさんやらを描きまくっていた。

描けた日は、それだけで心が充足した。
朝のたった1日15分のルーティーンによって、夜までずっと幸せでいられた。

他者に依らず、金にも依らず、ただ地球が提供してくれるものを享受し、神様が人間にだけくれたクリエイティビティを静かに発揮する

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一ヶ月ほぼ寝たきりの人が外に出た感想 〜コロナ後遺症療養記〜

一ヶ月ほぼ寝たきりの人が外に出た感想 〜コロナ後遺症療養記〜

コロナ後遺症で約半年間、37〜38度台の熱が出続けている。
この一ヶ月は療養のため、家事と食事以外の時間はベッドで横になり過ごしていた。

しかし昨日、どうしても外せない用事があり、長距離バスに往復6時間乗ることになった。

ほとんど外には出ず、バスの車窓から外を見てただけなのだが……。

「世界は情報量多い、やべえ」
「そして、私が寝たきりの間も全然変わってない(厳密には、「あまりに目まぐるしく

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本当に具合が悪い人が欲しい言葉は「何か欲しいものがあったら持ってくから言って」ではなく

本当に具合が悪い人が欲しい言葉は「何か欲しいものがあったら持ってくから言って」ではなく

コロナ後遺症をこじらせ、38〜39度の熱が出続けているので、家で寝倒している。

まったくありがたいことに、先週は毎日のように友人が訪れ、薬や食料を届けてくれた。

というのも、フェイスブックに39度の温度計の写真をアップしたためだ。

そしたら皆心配して「何か欲しいものあったら持ってくから言ってー」と言ってくれた。

しかし。

マジで具合悪い時はメンタルもひねくれるので

「みんな『何か欲しい

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「しくじり先生」とラファエル

「しくじり先生」とラファエル

Abemaで「しくじり先生」を観ていたら、先生の中にラファエルというYouTuberがいた。
私は知らなかったものの、登録者が200万人ちかくいる大物YouTuberらしい。

「フェラーリを買いたい」という動機で、稼げる副業を探し始め、YouTubeに目をつけ、ビジネス上の戦略をたて、全然好きでもないし面白いとも思ってない動画を粛々とあげつづけて、今の地位を築いたらしい。

「好きなことで生きて

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時計じかけのオレンジ/パルプ・フィクション

時計じかけのオレンジ/パルプ・フィクション

映画「時計仕掛けのオレンジ」みた。
10年くらい前に見て、「めちゃ怖暴力映画」ぐらいの記憶しか残ってなかったが…。
思った以上に構成がちゃんとしてた。

第一に、ストーリーがめちゃくちゃ面白いエンターテインメントとして成立しまくってた。
その中に、”オシャレな暴力”が入っちゃってるから「めちゃ怖暴力映画」なのだなと思った。

こんなにスルッと入り込ませちゃあかん……こんなん、”オシャレな暴力”をス

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「5・29文学フリマ東京」新刊できました(オンラインでも読めるよ!)&参加前日いきごみ

「5・29文学フリマ東京」新刊できました(オンラインでも読めるよ!)&参加前日いきごみ

新刊ができました。全部無料配布です。
これをばら撒くのは自分のためでもあるが、他人のためでもあったり、昔の自分みたいな人のためだったりもする。



昔の自分ーー文学フリマに参加していたのは6年前頃ーーの私は
「私が一番面白い、認めて認めて」
と思ってアホほどネットに文章を書き、紙媒体をばらまいていた。
でもそれってキツいし、結局、承認飢餓地獄なんだよね。
むしろ今は、一対一の、地味な信用を積み

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5/29「文学フリマ東京」参加のお知らせ

5/29「文学フリマ東京」参加のお知らせ

5/29「文学フリマ東京」@流通センターに、参加します。

ブースは「ア12」です。今回全て無料配布です。

・【新刊】スランプ脱出のノウハウを書いた本
・【新刊】齢35にして愛を知った渋澤怜による超短編童話
・【既刊】文藝賞途中審査通過の長編
・【既刊】謎に300部ぐらい出回った伝説短編

…などなど。
無料だし、海外在住ゆえ実家の紙媒体在庫を一層したいので、めちゃくちゃお気軽に貰いに来てくださ

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クリエイターのための「内発性」というガソリン、またの名を愛。

クリエイターのための「内発性」というガソリン、またの名を愛。

「全然書けない、作れない」
「というかそもそも元気が無い、生きてるだけで精一杯」
という時は無かろうか。
ガソリンが入ってないバイクを無理矢理動かすように生きている感覚。

私が住むベトナム・ホーチミン市では、街の規模の割にガソリンスタンドが圧倒的に少ないためか、路上ガソリンを売っているのだが。

急なガス欠に慌て、ペットボトルに入った安くて怪しいガソリンを買う。
ちょっと走るがガソリンスタンドま

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赤裸々すぎる新マガジン「人生編・創造神社『レヴェリー・レイレイ』」を建立しました

赤裸々すぎる新マガジン「人生編・創造神社『レヴェリー・レイレイ』」を建立しました

実は2月の頭、ひっそりと新定期購読マガジンを始めました。

自分的にはこの2月が「人生で一番の激動」というほど色々あったので、その記録をなるべくリアタイでつけるべく始めたマガジンです。

激動すぎて告知する暇もなかったわ笑

■新マガジンの内容 具体的には、

などなどです。

そんな中で、私がやったことと言えば、いつもどおりの「神主業」でした。

すなわち、

自分が言葉の力をマックス使って、「

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