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プライドと多様性のリアルストーリー:私たちの声 #2

プライド月間に際して、LGBTQ+のリアルな声をお届けする連載企画「プライドと多様性のリアルストーリー:私たちの声」第2弾。
本シリーズでは、Rayglintの目指すセクシャルマイノリティ支援の観点から、多様性の中で生きる人々の体験や考え方を広く知っていただければと思います。
今回は、弊社代表の池田氏です。
LGBTQ+当事者としての意見や社会の変化について語っていただきます。



◼️LGBTQ+コミュニティとの関わりはありますか?



ゆえ氏: こんにちは、池田さん。
今日はインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。
まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?

池田氏: はい、私はシスジェンダー男性で、ゲイです。
LGBTQ+啓発活動の一環として、個人としても会社としても東京レインボープライドに参加したり、企業交流会やトークセッションなどに積極的に参加しています。

ゆえ氏: 素晴らしいですね。積極的に活動されているんですね!

池田氏: ありがとうございます。
自分のLGBTQ+当事者としての経験を活かして、少しでも多くの人にLGBTQ+について理解してもらえればと思っています。


◼️あなたの周囲にLGBTQ+の友人や家族がいますか?またどのような関係を築いていますか?


ゆえ氏: LGBTQ+の友人や家族との関係はどのようなものですか?

池田氏: 家族にはLGBTQ+の人はいませんが、友人は数十人以上います。特別な関係というわけではなく、ごく当たり前に、他の友人と同じように日常生活で遊んだり、相談に乗ってもらったりする関係です。

ゆえ氏: そうなんですね!LGBTQ+だからといって友人関係が他とは違うことはないですよね!

池田氏: はい、本当にそうです!
ただ、LGBTQ+への理解のある友人の存在は非常に大きいです。


◼️日常生活や職場でLGBTQ+に関する差別や偏見を見たりしたことはありますか?


ゆえ氏: LGBTQ+の当事者として、差別や偏見の体験についてお伺いしたいのですが、何か見聞きしたことはありますか?

池田氏: いくつかの経験があります。
学生時代は同級生から「女の子みたい」「オカマみたい」といじめられたり、仲間の輪から外されたりしました。
直接言われるわけではないですが、「ホモって気持ち悪いよね」と言われるのを聞いて、自分のことを言われているように感じてしまい、悲しく傷ついたことがあります。

ゆえ氏: それは辛い経験でしたね。10代や学生時代はどうしても理解不足や想像不足で、直接的な表現を聞く機会も多いですよね。
では、社会人になってからはどうですか?

池田氏:社会人になるとどうしても会食の機会が増えるじゃないですか。
そういう場でのコミュニケーショントークで
「彼女はいるの?どんな女の子が好きなの?」と聞かれることがあります。相手に悪気はないとわかっていても、正直に「男が好きなんです」とは言えず、結果的にごまかしたり嘘をつくことになってしまうんですよね。
また、LGBTQ+の当事者だと分かったら分かったで、
「ゲイだからって俺のこと好きにならないでね」という偏見も見たことがあります。

ゆえ氏: そんなことがあったんですね。確かにコミュニケーショントークでそういう話題になることって多いですよね。もう少し言葉選びに配慮しないといけないなと私も勉強になります!
そういえば、賃貸を借りる際にも問題があったと聞きましたが。

池田氏: そうなんです。男女のカップルの同棲なら審査申込書にそのまま関係性を記入して審査などが進みますが、同性同士の場合は、同棲のカップルであるとわかると審査が落ちてしまったりすることもあるようで、
「ルームシェア」「兄弟で住む」と偽ることを余儀なくされました。
悪いことをしてないのに、関係性を偽ったりするのって、とても精神的にくるんですよね。

ゆえ氏: そんなことがあったんですね。大事な人との関係を偽らなきゃいけないっていうのは、本当に苦しいし悲しいですよね。

池田氏: そうですね。あとは、取引先にLGBTQ+と少子化の話と同じにされ、「権利を主張するなら、生殖できる男女より多く税金を払えば認められるようにしたら良いのでは」と言われたことがあります。
正直びっくりしました。さまざまな問題の根幹をわかっていないんだなと。
また、海外で生活していた時に、友人のLGBTQ+当事者がアンチLGBTQ+組織によって殺害される事件も実際にありました。
こういう現実に直面すると、自分たちLGBTQ+の存在が認められていないと感じてしまいます。


◼️日本におけるLGBTQ+の現状についてどう思いますか?


ゆえ氏: 日本におけるLGBTQ+の現状についてどう思いますか?

池田氏:多くのLGBTQ+の人がセクシャリティを隠して生きています。
社会的には少しずつ理解が広がっているように見えますが、当事者としては生活レベルで実感できることはまだ少ないです
悪意がなくても差別や偏見が無意識に行われていることや、日本では実用レベルに達している法的な保護がないに等しい状態がこの時代になっても続いています。
(LGBT理解増進法は存在するものの、法案を盛り込む際、当事者なしで作られた形だけの法案)はありますが、国からの実質的な法的保護はありません。そして、G7の諸国で唯一日本は同性婚はできない、などのさまざまな問題があります。
自治体の動きは、少しずつパートナーシップ(宣誓しても市区町村を引っ越すと無効)ができるよう地方でも動きが進んでいる動きがあることは嬉しいのです。ただ、国からの人権保護がいまだになく、本質的に守られていない現状ではあると考えます。
本来は逆であるべきです。
国がもっと動けば、根本的に動きは変わるはずです。

ゆえ氏: 確かにそうですよね。法的な保護やもっともっと理解する取り組みが必要ですね。


◼️カミングアウト時、あなたの正直な気持ちやその後の気持ちの変化はどのようにありましたか?


ゆえ氏: LGBTQ+の方達にとって、すごく大きな意味を持つカミングアウトについて教えてください。その時の気持ちや、その後の気持ちの変化などいかがでしたか?

池田氏: 家族にカミングアウトした時は、本当に胸が張り裂けそうな気持ちで伝えました。
家族の中で、母以外は受け入れてくれましたが、
母はキリスト教徒で「お前は地獄に落ちる」と言われ、自分の心を守るためにも縁を切りました
その経験から、大切な友人には関係が切れる覚悟で伝えました。

ゆえ氏: それはとてもショックでしたよね。でも勇気を持ってカミングアウトしたことはすごいと思います!


◼️LGBTQアライとしての役割についてどのように考えていますか?


ゆえ氏:LGBTQ+当事者として、LGBTQアライとしての役割について、どのように考えていますか?

池田氏: 私はアライですと声をあげることと、複数の情報源から正しい知識を身につけてもらえると嬉しいです。

この前、6歳下の後輩と話していた時、彼のノートパソコンの背面にLGBTQ+Ally のシールが貼ってあり、泣きそうなぐらい嬉しい気持ちでした。
言葉だけではなく、そう言った些細なことかもしれませんが、こういう行動で心が救われるんです。
もし周りに困っているLGBTQ+の人がいる時には、他人事ではなく自分事として考えて行動してほしいです。

ゆえ氏: 確かに、自分事として考えることは重要ですね。


◼️メンタルヘルスの支援はどのようなアプローチを取っていますか?


ゆえ氏: メンタルヘルスの支援についてはLGBTQ+の友人やご家族などへ、何かされていますか?

池田氏: LGBTQ+当事者として、いつでも話を聞くよと寄り添うようにしています。
相談しにくかったり、わかってもらえないんじゃないかという不安を少しでも無くして、悩んでいる誰かの支えになれればと思っています。

ゆえ氏: 話を聞いてもらえるか、理解してもらえるか不安という気持ちはとてもわかります。
そういう時に頼れる人がいるという安心感は精神的にもありがたいですね。


◼️職場ではLGBTQ+に対してどのような対応がされていますか?


ゆえ氏: 職場でのLGBTQ+への対応について教えてください。

池田氏: かねてより、LGBTQ+の方が、自分が持っている最大限のパフォーマンス発揮できるよう、様々な内部制度を整えています。
ただ、LGBTQ+の人たちへ実感レベルで感じていただけてるかは、常に声を聞きながら制度のアップデートが必要だと考えています。
これは、LGBTQ+の方だけではなく、全社員にも当てはまることです。

会社の行動としては、社会貢献としてもLGBTQ+当事者としての活動を情報発信したり社会への活動内容(研修会や交流イベントに参加できるなど)を可視化することで、社員が考えるきっかけを増やすようにしています。
社内でも定期的にディスカッションを行なっています。
小さな一歩でも、積み重ねが大切だと思います。

ゆえ氏: 社内での意識を高めるのは重要ですね。当事者の思いや経験を知れる機会は実はまだまだ少なかったりするので、情報発信は大事ですね!


◼️近年、社会全体でのLGBTQ+に対する認識はどのように変わってきたと思いますか?
また、今後社会にどのような変化を望みますか?


ゆえ氏: LGBTQ+というワードがここ数年よく耳にするようになってきていると思うんですが、社会的な認識の変化について、どう感じていますか?

池田氏: パートナーシップを認める自治体がが広がっていることは喜ばしいです。
当たり前に家を借りて一緒に暮らし、そのままの自分でいられるということが、メンタル面も含めてLGBTQ+当事者には大事なんです。

LGBTQ+の方々が今まで苦しんできた分だけ、これからはもっと生きやすく、自分らしくいられる日本社会になってほしいですね。

ゆえ氏: 本当にそうですね。日本社会がもっと包容力のある場所になることを願っています。


◼️最後に


ゆえ氏: 池田さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。
最後に、LGBTQ+コミュニティやその支援について、読者に伝えたいことがあればお願いします。

池田氏:  嬉しいことに、社会は少しずつLGBTQ+への理解が進んでいるような印象をうけます。
ただ、本質的にLGBTQ+への理解というのは何を指すのだろうか?という軸を元に考えると、世界と比べたら日本において、国レベルの理解というのはまだまだ0に等しいです。

ただ、今悩んでいたり、自分がLGBTQ+かもしれないと思う方も、世の中は少しずつですが良い方向に変わっていっていることを大きく伝えたいです。

これからも、さまざまな立場の方が、自分らしく生きていけるよう、僕自身も経験や思いを発信していきます!

ゆえ氏: そうですね!少しずつかもしれませんが、確実に前進していますよね!
誰もが自分らしく生きていける社会。そうなっていくよう、知っていくことが大事ですね!
ありがとうございました。

以上、池田氏へのインタビューでした。

LGBTQについての理解を深めるためには、多様な意見や経験を聞くことが重要です。
これからも様々な視点からお話を伺っていきたいと思います。

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