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ありがとう、トリフル

今回の記事は、愛犬の死を通して私が今日体験したことを冥福を祈ると同時にどうしても書き記しておきたい気持ちを残した記載になります。読者の方は、不快な気持ちにもなりえますので予め伝えておきたいと思います。


愛犬と書きましたが、トリフルは、お隣のケリーの愛犬で、私がシェルターから保護したミニピンのコフィーの数年後に、同じくシェルターから保護されてケリーの家にやってきた保護犬です。それ以降、ずっと2匹は仲良しで、まだ1年未満だったトリフルをコフィーはずっと見守ってきました。ケリーがお出かけする時は、トリフルを私がみて、私がお出かけする時は、ケリーがコフィーを面倒みたりと、二匹はいつも姉妹の様に仲良くしてきました。今年でコフィーは14歳、トリフルは12歳になります。

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先週から、トリフルが咳き込んだり、息が荒くなったりして、少し調子が悪くなって、近くの動物病院に行って、血液検査とレントゲンをとって一応異常は見つかりませんでした。抗生物質をもらって飲むこと1週間、調子が良くなったり悪くなったり、波がありましたが、少しずつ元気を取り戻しているようでした。でも、今週突然苦しみだしたりしたのでケリーは今度は大きな病院に連れて行っていました。

今日は、日曜ということもあって、ケリーは教会に行くから私にトリフルを数時間だけみておいてくれる?といったので、もちろん!といつもどおり私は答えました。でも、今朝のトリフルは、咳とともに胃液を少し吐いていて、パティオの木陰で休んでいました。ケリーを見送ったあと、私は家の玄関を開けたままにしていて、トリフルが庭と行き来出来るようにして、朝食を作っていました。しばらくすると、私の家に入ってきて、また胃液をケホケホと吐いて、黄色い泡っぽいものを少しだしてから、また横になりました。何も食べていないなら、と思って、ドッグフードにお湯をかけて柔らかくしたものを作って、何か食べて欲しくって与えたんですが、全く無視。こんな事トリフルにはあり得ないことだったので、ますます私は心配になっていきました。

しばらくすると、また嘔吐しはじめました。今度は胃液の黄色い感じから、ほんのりピンクのものが混じっていて、私はますます不安になり始めました。教会のミサの最中なので、電話することは、躊躇してしまったので、ケリーに「出来たら直ぐ電話して」とメールを送ると、数分後に電話がかかってきました。「嘔吐物にピンクのものが混じって出てきて、これは出血してると思うから、病院に連れて行ったほうが良い。」と伝えると、「最後に行った病院に連絡したら直ぐかけ返す。」と言われて、私も病院に出かける用意をしようと、自分の部屋に戻って着替えはじめました。ケリーに用意できたと電話しようとしたら、トリフルは庭に出て倒れて痙攣していたのです。

私は、家から飛び出して、トリフルを擦って声をかけ続けました。でも、また嘔吐して、苦しいのか空を見上げて、舌を出して泡を吹いて動かなくなってしまったのです。私は、ケリーに泣きながら電話をかけて、「どうしよう、もう息をしていないの」と言ったと同時に心の感情のダムが決壊して、そこから電話越しに号泣してしまいました。

「トリフル、お願いだから息をして。」

「病院に連れて行ってあげるから頑張って。」

ラウルの家のドアを叩いて、

「ラウルー、助けてー」って叫んだら、ケリーは電話越しに

「ラウルはハリウッドに今出かけちゃってるんだ。」

私は、号泣していました。電話の向こうのケリーに、

「I’m sorry, I'm sorry」と連呼して。自分の無力さと、命の尊さと、この数分間で起きていることをまだどうしても受け入れられたくなくて、

「トリフルー、トリフルー」って何度も声をかけて。

ケリーは、「It's not your fault so don't need to say sorry.」(私のせいじゃないから謝らなくっていいよ)って言ってくれたんだけど、それでも、自分の非力さに泣くことしか出来ませんでした。

トリフルをどうにかケリーのお家に運んであげたかったけど、息を引き取ったトリフルは重くて私は一人じゃ運べませんでした。それから庭で横たわっているトリフルをバスタオルで覆ってあげて私は隣でひとしきり泣きじゃくりました。

身体が脱水状態になるほど、泣いた私は、それからトリフルに語りかけたのです。

「家に貰われて来て、幸せだったね。12年コフィーと私のそばに居てくれて、ありがとう。」

若い頃、好奇心旺盛なトリフルは、近所の丘でスカンクを追いかけまわして、おならをかけられて、あまりの臭さにトマトジュースの風呂に入れて、それから身体を洗われたり、トレイルにハイキング行った時は、リスか何かを追いかけて迷子になってしまって、私をパニックにさせたり、ある時は郵便屋さんにめっちゃ吠えかかって、庭に投げ込まれた郵便物を噛んでズタズタにしてしまって怒られたり、本当トリフルとの思い出が昨日のことのように蘇っては消えて、私は1時間以上トリフルの隣で泣いたり、収まったりを繰り返していました。

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ケリーはケリーで、チャーチで泣き崩れていたようで、神父さんに保護されていたようでした。

私は、トリフルのそばを離れることが出来ず、結局ケリーが帰ってくるまでずっとトリフルのそばにコフィーを抱いて座って待っていました。「もうすぐケリーは帰って来るからね。」とずっと語りかけていたのです。

ケリーは帰って来ると、先ず私をハグしてくれて、

「本当つらい思いをさせてしまってごめんね。」と私を労ってくれた。私も、ケリーがトリフルを失って辛いことが充分分かるから、

「一人で寂しく亡くならず、最期の最期までコフィーと一緒にトリフルのそばにいてあげられて良かった。だからケリーも元気だしてね。」と言って二人で一緒に泣きました。

それから、ケリーは、「トリフルを火葬する手続きをしたから、これから病院に連れて行くよ。」と言ったので、トリフルを車に載せる準備をしました。

そして、最期に私はまたトリフルにお別れをして、ケリーは病院へと向かったのです。


今回の愛犬の死は、何気ない普段どおりの日曜日に突然訪れて、私の気持ちをどん底に落としました。はじめは、本当に辛い気持ちが多かったんだけれど、時間が少しずつ経つにつれて、苦しみからトリフルは解放されて、今は安らかに眠っているのかと思うと、自然に良かった。とも考えられるようになっていきました。どんな生命であれ、いつか必ず死が訪れるわけだし、誰も避けることは出来ないことも私は重々分かっているつもりだったんだけれど、直面するとやっぱり死というものは私には耐え難いことでした。でも、この体験を通して、14歳になる私の愛犬コフィーの事も最期まで看取る覚悟が今日出来ました。だから、これからの1日1日を毎日精一杯、愛情を注いで、全身全霊で一緒に生きていこうと思います。


Dearest, Triffle. 

Love you forever n may god bless you in heaven. Please watch over us always. Rest in peace. 


最後まで目を通してくださった皆様、ありがとうございました。



最後まで一読ありがとうございました。