言ノ葉、あるいは物語【創作SS等】

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記事

【SS】めぐりゆく流砂

ああ。
すべては、幻だった。
私が全てを懸けて為そうとしたことは、何もかも、砂上の楼閣でしかなかったのだ。

指先の、掌の感覚が消えていく。

あれで完成するはずだった。
画竜点睛、完璧に仕上げたと思っていたのに。
嘘のように、全てが無へと帰していく。
私の目の前で、さらさらと崩れ去っていく。

私の為すべきこと、それがアレを完成させること。
最後の役目を任されたのが、私だった。

計画は完璧だっ

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【SS】奇しき縁は溜息とともに

どうしてこうなったのか。
何故こんなことになっているのか。

背中に伝わる感触は、焼けつくほどに憎いはずのそれは、意に反して温かい。
奴もまたひとつの生命なのだと、何の属性もないひとりの人間なのだと、否が応でも感じてしまう。

あるいは勇者であり。
あるいは魔王であり。

あるいはティボルトであり。
あるいはマーキューシオであり。

そんな奴に、俺は今背中を預けている。
呉越同舟。
冗談じゃない。

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【SS】戯言は果てなく甘く

「愛している」

笑えるぐらい嘘八百。ひとかけらの真実さえも含まれてはいない。
ここまでくるといっそ清々しい。

一ミリたりとも僕を愛していない、ただの愛玩動物としか見ていない、それでも君はそんな戯言を言う。
それはもう、平気でさらりと口にする。

「だから言っただろう。愛していると」

ふ、と微笑みながら呟く君の双眸はどこか自嘲じみていて、君自身がそれを信じているのかどうかさえ分かりやしない。

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【SS】紅き椿は白へと堕ちて

ぽとり、ぽとり
ひとつ落ちれば誰かが消えて
もひとつ落ちればあの子が失せる

「何言ってるの?」
また妹は窓辺にぼんやりと佇んでいる。その視線の先には雪を纏う深紅の椿。冴え冴えとした純白に映える鮮やかな紅。それは確かに、美しくはあるけれど。
「うた。つばきが、おちる」
どうやら童歌のつもりらしい。その割には、どう聞いても不穏な色が滲み出ているようだけれど。
「椿が落ちたらどうなるの?」
ちょっと嫌

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