見出し画像

イドラデモン・アニヒレイト -53- #ppslgr

それでも、それでも彼女は決断した。

「アンタの……アンタの助けなんて、もう要らない!私はお婆ちゃんの孫だ!一人だって、やってやる!」
「……何だと?」

コクピット内に、タイピング音が鳴り響き、ビープ音を最後に止んだ。
それをきっかけに、噴出するボットの様子が激変する。

「お、お……おおお……!余を拒絶するというか!小娘風情が!」
「小娘に謀殺されたおヌシには、似合いの展開ってやつよ!」

白い地平線の彼方まで埋め尽くさんとばかりに湧き出していたボットは、いまや完全に供給が止まった。障壁を侵すボットの雨も、巨人の一撃も威力が頭打ちになり、無制限に強化されることはなくなる。

「むうううう!」

無尽蔵のエネルギー源が無くなれば、後は正面からの力比べだ。そして、もう一つの気がかりが解消すれば、こちらも遠慮する必要はなくなる。

「お嬢さん、いや真姫といったか。まだ迷宮内の様子は見れるか?」
「見れる、何が知りたいの?」
「生存者が残ってるかどうかだ!そろそろ派手に始めるんでな!」

障壁の解除と共に、真正面から突っ込んでくる巨人の右拳、ボットの頭部がこちらに一斉に向いている塊。その一撃に対して真っ向から大太刀をまっすぐ構え、魚をおろすが如く真っ二つに切り開く!ゴミ埋め立て場に投げ放たれた圧縮廃棄物がバラける様にして、斬撃の余波を受けた腕が散っていく!

「アンタ達がここに来るまでにどんどん避難してたから、もう中には誰も残ってないよ!シャクだけど遠慮なくやっちゃって!」
「あいよ!」

カワセミの漁めいて、宙を上昇、急降下から巨人の右腕を爆散!イクサが行き過ぎるタイミングでもって、斬撃をぶつけた事で奴の腕がもう一段破壊される!

「薙ぎ払え!」

可愛らしい声からの物騒なワードに、右後方へ視線を流すと、そこには竜が居た。水晶で出来た細工、しかしてそのサイズはボット巨人には及ばないものの、ソウルアバター三機を遥かに超えるサイズだ。

竜は、リリィ・クラウンの命令に応じてアギトを開くと、その口腔より膨大な輝きを蓄え一気に照射!前方はるか彼方の山の如き無貌の巨人、その裾野を熱線で薙ぎ払う!超高熱を持った線が撫でた痕には白熱のラインが刻まれ、一瞬遅れて爆発を起こし巨人の姿を飲み込んでいく!

「ヒューッ!物騒だな!」
「綺麗な花には棘があるどころじゃないじゃろあれ!」
「ヒッヒ、おっかないお嬢ちゃんだこと」

俺、J・Q、G・Rの三者がヤンヤヤンヤともてはやす一方で、真姫の方は絶句している気配を感じ取れた。まあそうだろう、このクラスの火力はソウルアバターを持ってして上位に入ってくる威力だ。火力だけなら上位ランカーとも競り合えるレベルといえる。

「もしかして私、一歩間違ってたらアレを相手にするハメになってたの……?」
「そういうことだな。言っておくが俺とJ・Qの機体も同等以上のスペックはあるぞ」
「無理、絶対勝てない」
「力量差を適切に認識出来るだけ、成長したってもんだな!」

【イドラデモン・アニヒレイト -53-:終わり:その-54-に続く

一話はこちらからどうぞ

まとめマガジンはこちらからどうぞ

ファンタジーミステリー?小説も平行連載中!

弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#小説 #パルプスリンガーズ #スーパーロボット #毎日更新

ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL