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Happy!Book!Making! -69- #ppslgr

接近戦とは、その本質においては知能戦である。
相手の行動を予測し、適切な動きを行う。思考が先回りできなければ、多少身体能力で上回る程度では覆されてしまう。仮に身体能力も知能も相手が上回っているとなれば、勝ちの芽を掴むことは困難だ。

(一手でいい、一手法条が読み勝てればチャンスが来る)

金獅子の動きは、劣勢ながらも徐々にビッグサイト武者の猛攻を捌きつつある。この戦いの中で、少しずつ相手の動きを理解して事前に対応できるようになりつつあるのだ。そして、その時は来た。

「ここだ……ッ!」
「ナニィ!?」

先ほどまでがっちりと噛み合っていた剣劇の応酬は、金獅子が突如剣をワンテンポ遅らせて振り下ろした事により爪武者のクロス爪撃が空振り、スキを晒した所へ振り下ろされた刃が深々と腕に、胴に食い込み切り裂く!

「父さん!」

なおも抗わんとちぎれかけた腕を闇雲に振るう爪武者に対し、今度は初手袈裟斬りを振り切ると見せかけ寸止めからの唐竹割り!フェイントに過剰に反応してしまったビッグサイト武者は二度目の本命をガードする事が出来ずに両断!その姿を瓦解させ光の粒子となって解け落ちる!

「ヌゥゥウウウウッ!何度分身を倒した所で!」
「そう何度も繰り返させると思うか!」

分身を再発生させる際、AIの補助が一時的に低下するのかビッグサイト武者の動きが鈍く、棒立ちとなる。その隙こそが俺が待っていたチャンスだ。
両の掌底より、もう一度鎖を生じさせては右を弓武者へ、左を大剣武者へと打ち払う。分身生成にリソースを割かれていたビッグサイト武者は回避できずに鎖に絡めとられていく!

「若造!貴様までもが儂の自由を奪わんというか!」
「俺達の自由を奪うのなら!誰であろうと打ち倒すまで!」

捕縛した鎖を媒介に慣性を御すれば、遅れて生じた大筒のビッグサイト武者へと二つの塊をぶつけて両鎖でもってがんじがらめになるまで巻き付けていく!三体のビッグサイト武者は今や一塊の鎖級となった!

「M・J!法条!今だ!」
「了解!アークデウス!ファイナルシークエンス!」
「これが、ボクの全身全霊だ!」

竜機は、右肩に背負った砲塔を刀身に、左腕の縦は展開してツバに、そして右腕の銃槍は基礎となる柄へと分離合体!その手にはビッグサイト武者の大剣を上回るサイズの大剣が現れた!

片や金獅子たるや、今までまとっていた黄金の闘気を剣へと集約させ、金色に輝く暁の刃を作り出す!最終兵器を手に鎖玉へと金と黒銀の戦士が迫る!

「アァァァァァク!バニッシャアアアアアァァァァ!!!!」
「福音剣!断罪斬りぃぃぃい!」

歪な球体に、Xの字に光の軌跡が走れば、一気に爆発へと変わった。黄昏に染まる枯れた荒野に、暁よりも眩い花火が上がっていた。光が収まった後にはもはやかの鏡武者の機影はなく、ただ茫然とした表情を見せる恰幅の良い中年紳士が赤茶けた土埃にまみれて転がるばかりであった。

【Happy!Book!Making! -69-:終わり:その-70-へ続く

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