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一万年越しの初夕日

 赤き空に真円の日が落ちる。その輝きが、紅き大地をなお深く染め上げた。ドクロのフルフェイス兜に鉛色の装甲を伴った巨人達の軍勢が、銃を掲げその様を見守っていた。
 一万年、それが彼らが厚い厚い汚濁の雨雲に閉ざされた間の長い長い年月であった。
「この世界に、太陽ってもんがあるのはホントだったんだな……おとぎ話とかそんなんだと思ってたぜ」
「星の寿命は桁が違う。前々世代種族が残した研究によれば、太陽が燃え尽きる時は我々の世界も巻き込まれて燃え尽きるそうだ」
「燃え尽きる?俺達も?あんな全然手が届きそうにない、たまっころにか?」
「そうだ。手が届かないというお前の認識は正しい。空の遥か彼方、途方も無い長さの先に太陽は位置していると、記録されている。だが、そこまで距離が離れていてなお、太陽の最後の輝きは我々を焼き尽くすに足る威力を持つと推定されている」
「わけわかんねぇよ……」
 ドクロ巨人兵の一人は、インテリっぽい雰囲気の解説にかぶりを降って理解を拒絶した。
「まあ、星が燃え尽きるのはまだまだ遥か先の事だ。我らの稼働限界が来るのが確実に先だろうよ」
「そいつを聞いて安心したぜ、お星さまと心中なんてダムズの暗黒に行く理由にはちょっとばかし胸を張れないからな!」
 そうこうしているうちに、夕日は荒れ果てた地平線へと飲み込まれ、星々が数多輝く夜空の宵闇へと変わった。
「あーえー、さっきのが夕日ってやつだから、コレはアレだ、『夜空』だな?」

空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

現在は以下の作品を連載中!

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ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

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