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魂の灯 -10- #ppslgr

「チャンプ」
「何言ってるんだ、今のチャンプはお前だぞ。バティ」

イシカワ・ザ・ファーストチャンプ。パルプスリンガー達が目標とする小説大賞で、最初に栄光を勝ち取った男。その実力は他のパルプスリンガー達も認める所であり、独自の作品世界観をしてザ・パルプ、とさえ呼ばれる男だ。

「……やっぱりさ、オレには荷が重いよ、先代」
「やれやれ、だ。ま、気持ちはわからんでも無いがな」

大げさに肩をすくめるイシカワ。彼をして、バティが栄誉を受け取った時には、既に一度、激励しているのだった。イシカワはバティの肩を叩いて再び励ます。

「センセイも言ってた通り、お前はまだ『過渡期』なんだ。思うように書けなくて苦しむ事も、当然あるだろう。だが、ちゃんと乗り越えられるさ」
「そうかな」
「そうだとも。レイヴンも、そう考えているからこそ手を貸してる」
「何処まで力になれるかは、わからんがね。先達の努めのウチだ、やれることはやらないとな」

今までのやり取りで、何故大荷物を引っ張り出してまとめているのか察したイシカワは、バティの積み本の山に数冊、自分のコレクションを追加してみせた。

「持ってきな」
「イシカワ、良いの?」
「問題ない、もう読み切った。ならまだ読んでない者が読んだほうが、有益だろう。持っていけ」
「ありがとう、しっかり読んで返すよ」

そんな三人のやり取りを、各々が距離を取って見守りつつも、店内にいるパルプスリンガー達はそれぞれ、自分のしたいことに手を動かしていた。

「で、缶詰か。どこでやるんだ?」
「Note内の僻地で、だ。必要なら後でポイントを送る」
「くれくれ、暇が出来たら行く」
「えっ、イシカワも来んの?」
「お前らの積んでるの、俺が読んでないヤツも一杯あるからな。集中消化すんなら丁度いい」
「あー、でもその、厄介事にも俺ら巻き込まれてて……」
「そりゃあれか、あのNote内行方不明事件か。よりによってまた随分と、面倒くさそうなヤツに巻き込まれたもんだ。なぁに、自分の身くらい自分で守れるとも。それとも、なんだ、俺は頼りにならないか?」

わざとらしくおどけてみせる先代チャンプに、ブレるほどの勢いで顔を横に振るバティ。

「滅相もない!」
「ハッハッハ、コイツは意地悪が過ぎたな!」

大笑いと共に、イシカワはCORONAをあおった。ここでは新人も、ベテランも、チャンプも、挑戦者も、ビールだけは決まってCORONAを愛好する。

「よっし、決まりだ。パルプスリンガー、集中強化エンタメ消化合宿と行こうじゃないか」
「三人ならまあ、話題にも事欠かないだろう。良いことだ」
「ああ、うん、良いこと、だ。はあ」

普通、こういうドキドキイベントって一人くらい美少女が混ざるもんじゃないか?などとバティは一人心中でごちた。他の参加者は、どっちもガタイのいい男二人だ。もっとも、そもそも異性に対してコネクションが無いのに、急にそんなウキウキドキドキイベントが降って湧いたりは、しないのであった。

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#小説 #パルプスリンガーズ #毎日更新 #毎日note

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