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デザインに向き合う時間 - Awwwards Conference Tokyo

はじめまして。
株式会社フォトクリエイトでデザイナーをしているikukosと申します。

noteに記事を書くのが初めてなので簡単に自己紹介をします。
デザインの受託制作会社のデザイナーを経て2016年に株式会社フォトクリエイトに参画し、写真サービスを中心としたECサイトやコーポレートサイトのデザイン制作、改修などに携わっています。

フォトクリエイトで関わったサイト
https://gloriare.jp/
https://photochoice.jp/
https://www.photocreate.co.jp/

1月23、24日に「Awwwards Conference Tokyo」に参加しました。
2日間に渡って世界最高峰のクリエイターの登壇を聞いてきたので、印象に残ったプレゼンとその感想を書きたいと思います。

Awwwards会場の雰囲気

日本の方よりも海外のデザイナーやデベロッパー、起業家の方々で大賑わいでした。
受付案内や、来場者同士の会話は英語で、登壇者のプレゼンも概ね英語でした。


印象的だったプレゼン

私は翻訳アプリでプレゼンを聞いたので、ニュアンスが少し違う場合があるかもしれません。ご了承ください。

Keitaro Suzuki. Shiftbrain
Shiftbrainの鈴木慶太郎さんは、日本と海外におけるクリエイティブの進め方の違いについて紹介されていました。

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日本では独創的な一人のクリエイターが、感情による決定をしながら周りを引っ張っていく傾向があり、哲学や価値を大切にする。
海外ではチームで話し合いながら、ロジックによる決定をしていく傾向があり、クリエイティブにおいて普遍性や事実結果を大切にする。
というお話でした。

確かに、日本のデザイン会社にはArt Directorという人がいて、Art Directorが周りを引っ張っていくのが昔は一般的だったように思います。

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しかし最近の日本では「感情による哲学・価値重視のデザイン」「ロジックによる事実結果重視のデザイン」の両方を大切にするようになってきているようです。

以前、弊社のデザインチームの勉強会で、感性とロジックについて取り上げた方がいました。
ほとんどのクリエイティブな仕事は、仮説(アイデア)に責任を負っていて、仮説をロジカルに突き詰めると誰がやっても同じになってしまい、デザイナーの仕事としての価値がなくなる。
演繹(結論を得る論理的推論の方法)で進めるものは既にクリエイティブな仕事ではないという内容でした。

感性や感覚は個人に依存するので、デザイン提案時に説得するためのロジックが必要だし、ロジックを突き詰めていくと味気ないものになるので、結局のところ両方大事なんだと思います。


また鈴木さんは、デザインのヒントを与えてくれる本の紹介もされていました。
・「エモーショナル・デザイン」 ドナルド.A.ノーマン著
・「誰のためのデザイン?」 ドナルド.A.ノーマン著
・「A Technique for Producing Ideas」 ジェームス・ウェブ・ヤング著

ドナルド.A.ノーマンの本は読んだことがあったのですが、ジェームス・ウェブ・ヤングの「A Technique for Producing Ideas」は、普段私が不思議に思っていた事について触れられていたので、早速読んでみようと思いました。

「A Technique for Producing Ideas」

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アイデアを作る前にファクトを集め、デザインの試行錯誤し、絶望する。
なぜかトイレにいる時や電車に乗ってる時など、デザインを一回放棄すると急にアイデアが出てくるものだ。
最終的な決断は感情に委ねる。

私も朝起きた直後や入眠時、通勤中の電車などで突然アイデアが降ってくることが多いように思います。
一旦画面から離れる事で、改めてデザインを見たときに客観的にそのデザインを見ることができるように思います。

「ひらめき脳とぼんやり脳は似ているから、ぼんやりしている時にアイデアを閃きやすい。」というのを以前NHKの脳科学の番組で見た事がありました。
アイデアは、その人の経験と脳の仕組みに関わっている気がします。
https://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_7.html

鈴木さんは「デザイナーはアスリートである」と仰っていました。
アスリートは練習して失敗した分だけ強くなれるって言うから、デザイナーも同じなんですかね...(そう思いたい)。

Claudio Guglieri

カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くデジタル製品のデザイナー兼クリエイティブディレクターのClaudio Guglieriさんは、イマジネーションを得る方法についてのお話をされていました。

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※私のメモ

因みに私は、窓から大草原や牛が見える職場で働いてみたいです。
Guglieriさんは「デザイナーでいることはストレスを抱えること。」
「デザイナーは病気である」とも仰っていました。

私は精神が弱い方なのでしょっちゅう心が挫けてデザイナーを辞めたくなるのですが、問題解決によってストレスをなくし続けるのがデザイナーなら、しょっちゅう心が挫けるのも当然か、と思いました。
「デザイナーは病気である」という言葉に、少し励まされました(笑)。

Vitaly Friedman

ドイツのSmashing Magazine社の共同設立者兼クリエイティブリードであるVitaly Friedmanさんは、とてもユニークなUIで会場を爆笑の渦に誘っていました。

数百の会社が細部の改善(ABテスト等による些細な改善)をしているが、デザインとは何なのか忘れているのでは?
・退屈なサイトを楽しくしたい
・もっと見たいと思うマーケティングが必要だ
・デザインのスピリットはミニマルなところから離れたかった
と問題提起した後、とても面白いUIを紹介していました。

・目を引くUI
今回のカンファレンスのプレゼンではないですが、UIの紹介をしている動画があったのでリンクします。

・残念なUI
https://vimeo.com/189919038

「人間的に、ニュートラルな方法でサイトを作ろう」
サービスや商品によっては向き不向きがありそうですが、他にも面白いUIがたくさん紹介されていました。

さいごに

Awwwards Tokyoに行ってよかったと思ったことは、デザインのトレンドだけでなく、日本と海外のデザインの進め方の違いや、デザインのインスピレーションを得る方法についても聞けた事です。

またどのクリエイターにも共通していることは、数々の失敗を踏み台にして不屈の精神でAwwwardsを受賞されているところでしょうか。

Awwwardsに限らずデザインに関するインプットを行うことは、デザイナーのモチベーションアップに繋がり、仕事がより楽しくなるようなきっかけを与えてくれると思います。
フォトクリエイトのデザイナーは、案件毎に1人ずつデザイナーがアサインされていることもあり、デザイナー同士が情報交換する機会は月2回のインプット共有会だけなので、デザイナー同士でデザインの情報交換をしたり、デザインについて話し合う機会がもっと増えたらいいなと思いました。