アナログノートで少しだけの巻き戻し
ノートに思いついたことを書き続けていたとしましょう。一冊を書き終え、次の一冊を書き終え、さらに次の一冊をという感じで現在5冊目の半分くらいだとします。
そのとき、5冊目のノートを頭から読み返すことは、少しだけの巻き戻しと言えます。どういうことでしょうか。
時間軸を考えるとして、最初に思いついたことを書き留めた起点があり、現在地点があります。
もしこの書き留めを、デジタルツールで行っていたとしたらどうでしょうか。ごくフラットに思いついたことを書き並べていく。
そのとき私たちは、「最新のものから読むか」か「時系列を逆にして一番最初のものから空読むか」という──かなり大雑把な──スタート地点しか取れません。
一方で、5冊目のノートを読み返すことは、「現在ではないが、かといって一番最初というほど古くもない、ほとほどの地点から自分が書いたことを読み返す」ことができます。いい感じに「古い/新しい」振り返りができるのです。
デジタルツールにアイデアを貯めはじめるまでは、こんなことがメリットだとは思っていませんでした。むしろ、すべての情報がフラットに並んでいることこそが至上である、のような印象もあったのです。
たしかにそれは、こと「検索」においては正しいのでしょう。しかし、「ぱらぱら読み返すという」行為ではただ鬱陶しいだけです。そんなに昔からは振り返りたくはない。ちょっとくらい古いものがいい。そういう感じがあるのです。
もちろん、アナログの場合は物理的な制約上避けがたくこうなっているだけであって、デジタルツールだって保存の仕方を工夫すれば上記のような振り返り方はできます。ようは考え方と運用の問題です。
全部をフルに巻き戻すのではなく、ちょっとだけ昔から振り返る。そういう感じはなかなか良いものです。
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