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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2021年5月の記事一覧

『三体』レビュー

『三体』Ⅰ劉 慈欣(著) / 大森 望, 光吉 さくら, ワン チャイ(翻訳) / 立原 透耶(監修) 『三体』Ⅱ 黒暗森林(上・下) 劉 慈欣(著) / 大森 望, 立原 透耶, 上原 かおり, 泊 功(翻訳) 『三体』Ⅲ 死神永生(上・下)劉 慈欣(著) / 大森 望・ワン チャイ・光吉さくら・泊 功(翻訳) ――― 全五冊。まるっとレビュー、ネタバレ無しでいきます。 ☆ ☆ ☆ ようやく! 三体三部作完結(の日本語版)です!! いやあ、Ⅰのころからすご

『荒潮』レビュー

『荒潮』 陳 楸帆 (著), 中原 尚哉 (翻訳) ◇ 米米と書いてミー・ミーと読みます。彼女は中国本土南東部沿岸にある珪島、英語読みでシリコン島と通称される島で、電子ゴミから資源を探し出して暮らす最下層の人々である「ゴミ人」の一人。 彼女たちは毎日危険で苦しい労働を強いられ、健康を害しつつも低賃金のまま。そんなわずかな稼ぎすら、何代にもわたって島に君臨してきた、御三家と呼ばれる支配層に吸い上げられていました。 ある日、国際的なリサイクル業者の米テラグリーン・リサイ