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運命と私 28

大きな駅に電車が止まると一気に人が降りて、
私たちは開いてる席に座ることが出来た。

私の顔はまだ熱かった、

「大丈夫ですか?」と言って北沢は私の顔を触って来た。

私が驚いた顔をすると、
「あっごめんなさい!」
そう言って北沢は急いで手を離して真っ赤な顔になった。

私はそんな北沢のことがかわいいと思えて来た。

北沢は家まで送ってくれると言ってくれたが、断った。

今の家に6年以上住んでいるけど、
男性を家に入れたことは1度も無い。

自分以外の人が家に入ることで、
部屋の空気や匂いが変わってしまうことが好きではなかった。

私は自分の空間をとても大切にしていて、
そこには誰も入れたくなかった。

北沢が心配していたので、
家に着いてからメールをした。

「今家に着きました。
今日は楽しかったです、
週末楽しみにしています。」

私はメールを送り寝る準備を始めた。

今日は色々なことがあった1日だった。
ハーブティーを淹れてストーブの前に座り、
1日を振りかえる。

一緒にいると安心出来る北沢に少し惹かれている自分、
私に未練があると知って江藤のことで揺れてる自分。

江藤との関係に戻っても未来は無い。
自分も江藤も奥さんも不幸になる関係。

頭では理解している、
でもどうしても江藤に惹かれてしまう。

媚薬でも飲まされたのかもしれないと思うほど、
江藤のことが忘れられなかった。

つづく


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