見出し画像

検察庁法改正案は22条を削除して進めればいいと思います。

どうも、RAQです。

前回、こんな記事を書きました。ざっくりとした話。


さて、もう少し頭も整理できたので、今回は検察庁法の具体的な中身について、見ていきたいと思います。


僕の基本的な考え方について


(1)検察という身分の保障について

検察官という身分については、何があっても保障されるべき。

なぜなら、自分にとって都合の悪い検察を内閣が次々とクビにできれば、検察の捜査をいくらでも妨害できてしまうため。

この趣旨はすでに法律に盛り込まれており、内閣は検察を自由にクビにはできません。

検察官適格審査会(国会議員や裁判官、弁護士などで構成される)だけが、検察をクビにできます。


(2)検察庁における各幹部ポジションの人事権について

一方、各幹部ポジション(検事総長・検事長・検事正・次長検事など)の人事権については、ある程度しっかりと内閣に与えた方が良い。

なぜなら、内閣が検察の幹部ポジションについて人事権を行使できなければ、検察のトップがもし暴走して人権侵害や政治介入などを行なった場合に、国民の基本的人権や利益が損なわれる恐れがあるから。

内閣は与党が組織するので、内閣というのは基本的に選挙によって国民から選ばれている。この内閣が検察の幹部ポジションについて、きっちりと人事を行うことで、国民は、内閣を通じて、検察が暴走しないようコントロールできる。

ここら辺の考え方は、前回書いた通りです。


(3)まとめ

・検察という身分については、内閣に関係なく保障すべき

・その上で、検察庁における幹部ポジションについては、内閣が人事権をしっかり持つべき。

検察という身分を奪われることはない(クビにはならない)けれど、役職については内閣がある程度握った方が良かろうという感じ。


ここまで考え方を整理した上で、改正法案を見ていきたいと思います。


検察庁法改正法案を読む

重要な変更点だけ。


まずは改正法案の9条。ざっくりと以下のようなことが書いてあります。

第9条:「検事正」という幹部ポジションの延長について
2:63歳になったら検事正は他のポジションにすること。
3:ただし、その人を検事正のポジションから外すと困る特殊事情があれば、検事正のポジションを1年延長してOK。
4:1年延長しても、特殊事情が解消してない場合、検事正のポジションをもう1年延長してもOK。ただし、延長中にその検事正が定年退職を迎える場合は、その日までしか延長できません。
5:国家公務員法に基づいて、定年退職自体を(最大3年)延長した場合は、その期限まで検事正のポジションも延長してOK。
6:延長に関する細かい基準(何が特殊事項にあたるか等)は、法務大臣が準則で決めてね。
7:63歳以上の検事を検事正にすることはできません。

以下、個人的なコメント。

2:検事正(部長みたいな感じ)という幹部ポジションの新陳代謝を促すために、63歳になったら、検事総長 or 検事長に昇進するか、そうでなければ若手に譲りましょうという感じ。良いんじゃないでしょうか。

3&4:ただし、特殊事情があれば、もう少し続けてもらっても良いという内容。幹部ポジションの人事のことなので、内閣の裁量で延長で良いと思います。

5:これは要らない。後述。

6:OK。

7:別にいいけど、検事正のポジションを63歳以降も延長できるなら、63歳以降が検事正になってもいいのでは。しらんけど。


第10条:「上席検察官」という幹部ポジションの延長について
2:上席検察官についても、9条の検事正と同じルールでよろ。

コメントについても、第9条と同じ。


第20条:次長検事や検事長への任命について
2:63歳以上の検察官は、次長検事や検事長に任命できません。

9条の7と同じだけど、この規程いらなくない?

まあここは些細なことなので、どっちでもいいけど。


第20条の二:再雇用について
国家公務員を短時間勤務者として再雇用できるルールは、検察官については無しで。

良いでしょう。


第22条:定年退職について
1:検察官は65歳で定年退職してください。
2&3:ただし、検察官の定年退職も、国家公務員法を読み替えて、3年まで延長できますよ。
4〜8:検事長と次長検事は63歳になったら、平の検事に戻ってください。ただし第9条と大体同じルールでポジションの延長がOK。

これが問題。

なぜなら、これは単に幹部ポジションの話ではなく、検察官という身分の保障についての話になってくるから。

65歳の定年退職までは、そもそも検察官は上でも書いた通り、内閣が自由にクビにできないことになってます。検察官適格審査会しかクビにできない。

でも、65歳〜68歳については、実質的に内閣が自由にクビにできることになる。これは問題なので、この部分は削除すべき。

22条の削除に伴い、これを前提としている9条の5とかも不要になるので、あわせて削除で。


という感じで、22条とそれを前提とした条文を修正すれば良いのではないでしょうか。


なお、この「役職人事の延長」と「定年退職の延長」を分けて考えるという視点は、橋下徹さんが出されていた意見です。

また、定年退職の延長は、実質的に65歳〜68歳の検察官について、内閣がクビにできるようになるのと同じだという観点は、枝野さんがどこかのディスカッションでおっしゃっていた意見です。

どちらも尤もだなと思ったので、参考にして、取り入れさせてもらいました。パクリスペクト。


ついでに

また、この法案がこのまま通った場合には、改正法の施行後に、定年退職の延長を認められなかった検察官が「実質的に第二十三条の検察官適格審査会しか検察をクビにできない条文に違反している!」ということで裁判所に訴えれば、今回の改正について、司法の場での判断が下りるのではないでしょうか。


ということで、そんな感じで。

では。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!