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成功の代償として、人間不信になったジョーイ・バッダスの心を読む。(DJ Scheme - "Trust Nobody(2 My Brothers) feat. Joey Bada$$")

Writer:@raq_reezy

こんにちは。

今回は、DJ Schemeのアルバム『FAMILY(Delux)』に参加して、1曲にラップを提供しているJoey Bada$$(ジョーイ・バッダス)を解読して行きたいと思います。

曲名は「Trust Nobody(2 My Brothers)」ということで、「誰も信じない」という尖ったタイトルとなっています。

いったいどういうことなのか、内容に入っていきたいと思います。

今回解読する曲
DJ Scheme - "Trust Nobody(2 My Brothers)" feat. Joey Bada$$
Produced by DJ Scheme

コーラス

(I don't trust nobody)
Trust nobody, trust no one
(I don't trust nobody)
That's why
(I don't trust nobody)
Trust nobody, trust no one
(I don't trust nobody)

和訳:
(誰も信じない)
誰も信じない、誰一人信じない
(誰も信じない)
それが理由
(誰も信じない)
誰も信じない、誰一人信じない

【解読】

曲名の通り、誰も信じないという人間不信気味なテーマとなっています。

それでは、具体的な中身を見ていきましょう。

1バース目

Tell me, who can I trust if I don't trust myself? (Nobody)
Fallin' victim to lust and needed someone else (Somebody else)
I run away from my problems knowin' I need some help (I need some help)
Been fuckin' with these drugs, fuckin' with my mental health (Fuckin' with my)

和訳:
教えてくれよ、俺自身を信じられないのに、どうして他人を信じられる?
欲望の犠牲者となり、誰かを必要としていた
俺は助けが要ると知りながら、自分の問題から逃げていた
ドラッグにまみれて、メンタルヘルスを害しながら

【解読】

1バース目において、まずジョーイ・バッダスは自分自身への不信感を表現しているようです。

自分を信じられないのに、他人を信じられるだろうか(いや、信じられない)という反語で、他人を信じるどころの精神状態ではなかった様子が表されています。

では、ジョーイがなぜ自分を信じられないのかを深ぼってみると、心の健康を害して、ドラッグを服用していたと歌っています。心に問題を抱えていることに気付きながらも、強がって、助けを借りずにドラッグなどで誤魔化していたのでしょうか

At first sight it may appear like I'm livin' life (Livin' life)
But beneath the surface, I know that I'm not alright (No, I'm not alright)
Tunnel vision got me movin' closer to the light (Closer)
Some dumb decisions from the past kept me up at night (Me up at night)

和訳:
ぱっと見では、俺は良い人生を送っているように見えるかも
でもその裏側では、俺は自分が大丈夫じゃないことを分かっている
トンネルビジョンが俺を光に近づけた
過去の愚かな判断が夜中まで俺を眠らせなかった

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