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【和訳】世間の高い期待と戦い続けて来たエミネムの本心。(Eminem - "Walk on Water" feat. Beyoncé)

2013年頃から、キャラクターを演じるという方向性だけでなく、ありのままの自分をさらけ出すことで共感を呼ぶというアーティストが増えてきたように思います。

Kendrick Lamarの2ndアルバムは、Comptonというローカルから音楽の力で世界へと羽ばたく様子を描いた1stアルバムで大成功したにも関わらず、身近の人たちにすら良い影響を十分に与えられないことに悩む自分の姿を描いて話題を呼びました。2017年には大御所であり、ロカフェラ帝国のドンとして強気な姿勢を見せ続けて来たJAY-Zも『4:44』でこれまでとは一風違った、正直に弱気な姿勢も見せる作風を提示しました。

そんな中、エミネムの新アルバム『Revival』から"Walk on Water"が先行公開されています。エミネムは、スリム・シェイディーといった作り込んだキャラクターを演じきることで注目を集めると同時に、そのオルターエゴに寄せられる世間の期待と、中の人としての自分自身との乖離に悩む様子も"Stan"などの曲を通して描いてきたアーティストです。

エミネムは「水の上を歩く」と題された曲で、どのような内容を歌うのでしょうか。さっそく解読していきたいと思います。

サビ

まず、この曲、何といってもサビが素晴らしいんです。

最初はしっとりと、後半に連れてパワフルになっていく、ビヨンセの歌声も表情豊かで思わず聴き入ってしまいますし、歌詞の内容もとても表現力に富んでいます。

I walk on water
But I ain't no Jesus
I walk on water
But only when it freezes (fuck)

【意訳】
俺は水の上を歩く。だけど、俺はイエス・キリストじゃないんだ。
俺は水の上を歩く。だけど、水が凍ってるときだけなんだ。

水の上を歩くというのは、聖書から来ている表現です。

夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」

この後、イエスの一番弟子であるペトロが、それなら自分にも水の上を歩かせてくれとお願いしますが、信仰心が足りなかったペトロは水の上を歩くことができず、イエスに怒られるという逸話です。

ファンは、売れているアーティストを神様のように思うときがあります。きっと根本的につくりが違っていて、エミネムなら何でも出来るんだろうと過度な期待が寄せられることもあるでしょう。エミネム自身も過去に「Rap God」、つまり俺はラップの神だと歌った曲があります。

スリム・シェイディというオルター・エゴを用いて"ファンタジー"だという前提を置くことによって、過激な表現を曲中に散りばめるという手法で登場したエミネムは、狂信的なファンも多く、そうしたファンへの戸惑いは過去の「Stan」などの曲でも表現されています。

しかし、自分は条件が揃ったときに、ときどき神のようなパフォーマンスをすることができるだけで、奇跡を起こせる神ではなく、みんなと同じ人間だということを「水が凍ってるときだけ、水の上を歩ける」という比喩で表現しています。

1バース目

1バース目はファンや世間からの期待値の高さへの戸惑いから始まります。

Why are expectations so high? Is it the bar I set?
My arms, I stretch, but I can't reach
A far cry from it, or it's in my grasp, but 
As soon as I grab, squeeze
I lose my grip like the flyin' trapeze
Into the dark I plummet, now the sky's blackening

【意訳】
どうして期待値がそんなに高いんだ?俺が設定したハードルなのか?
俺は腕を伸ばすけど届かない。
そこには甚だしい隔たりがあったり、もう少しで掴めそうなところにあるけど、掴んで握った瞬間に手が滑ってしまう。空中ブランコみたいに。
俺は暗闇に真っ逆さまに落ちていく。空が遠のいていく。

エミネムは過激な表現という面でも、ラップのスキルという面でも、とにかく話題性のある曲を出し続けてきたアーティストです。1人のリスナーとしては、どの曲もそれぞれにおもしろくて素晴らしいと思うのですが、狂信的なファンからは「スリム・シェイディの頃を超えられてない」等と言われることも多いでしょう。エミネムのように才気走ったアーティストが20代の頃に爆発力を持って到達した地点というのは、その後に苦しいハードルとなるようです。

I know the mark's high,
butterflies rip apart my stomach
Knowin' that no matter what bars I come with
You're gonna harp, gripe, and
That's a hard Vicodin to swallow,

【意訳】
俺は目印の位置が高いってことなんか分かってるんだ。
緊張と不安でお腹が痛くなる。どんなラップをして、どんな位置に達したとしても、お前たちはくどくどと口愚痴を垂れるって分かってるんだからな。
飲み込むのが難しいヒドロコドンみたいに、受け入れるのが難しい現実さ。

「butterlies in XXX's stomach」というのは、緊張や不安でお腹が痛くなるといったことわざです。期待値が高い中で、曲をリリースするときのエミネムの気持ちが歌われています。

barsはラップという意味と、設定されたハードルという意味と、両方が込められているのでしょう。どんなにレベルの高いラップをしたとしても、どうせ批判されるんだという諦めの気持ちが現れています。

「hard pill to swallow」は受け入れるのが難しい現実という意味ですが、エミネムはこのことわざに言葉遊びをさらに加えて、自分が中毒になっていたコデイン系の薬であるヒドロコドンを持ってきて、「hard Vicodin to swallow」とラップしています。

 so I scrap these
As pressure increases like khakis
I feel the ice cracking, because—

【意訳】
だから俺はそうした曲たちをリリースするのを取り止める。
プレッシャーは迷彩柄のように増えていく。
氷が割れていくように感じる、なぜなら...

エミネムは『Relapse 2』や『King Mathers LP』といったプロジェクトを白紙に戻したと噂されています。プレッシャーが跳ね上がっていく中でリリースを続けられなかったときの内心を正直に綴っています。

氷が割れていくように感じるというのは、自分が過去のように奇跡的なバースを書くことが出来なくなっているように感じているということでしょう。「なぜなら...」の後には再びサビが来ます。つまり、エミネムは神ではないので、いつまでも神のような成果を出し続けることは出来ないのだということです。

2バース目

It's the curse of the standard
That the first of the Mathers discs set
Always in search of the verse that I haven't spit yet

【意訳】
標準化の呪いさ。Mathersのディスクセットから始まってるんだ。
俺はいつだって、まだ過去に歌ったことのない表現を探している。

凄い作品を出すと、次の作品ではそのレベルが標準として求められてしまうということを「標準化の呪い」と表現しています。

エミネムの『Marcial Mather's LP』は3,200万枚を超える売上を誇っており、エミネムが過去にリリースしてきたアルバムの累計売上枚数は1億枚を超えています。とんでもない結果を出してきたエミネムですが、次のアルバムもそれだけ売れるのが当たり前と捉えられてしまうことが、大きなプレッシャーとして伸し掛かっているようです。ちょっと想像できないレベルです。

Will this step just be another misstep
To tarnish whatever the legacy, love or respect
I've garnered? The rhyme has to be perfect, the delivery flawless
And it always feels like I'm hittin' the mark
'Til I go sit in the car, listen and pick it apart
Like, "This shit is garbage!"

【意訳】
この一歩は、また間違った一歩になるのだろうか。
俺が獲得してきた遺産やみんなからの愛や尊敬を汚してしまうような。
韻も歌い方も完璧じゃないといけない。
俺はいつも、制作求められているレベルのものを作れたって感じるんだ。
だけど車に座って、その曲をかけると「この曲はゴミだ!」と感じて捨ててしまう。

「すごいものが作れた!」と感じるけれど、時間を置いてみると、全然ダメに思えてしまうというこの気持ちは、物作りをしたことがある人なら、誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。エミネムの場合は、自分に課しているハードルがとんでもないという違いはあるでしょうが、同じような気持ちを感じることがあるという点には共感ができるかもしれません。

God's given me all this, still I feel no different regardless
Kids look to me as a god, this is retarded
If only they knew, it's a facade and it's exhaustive

【意訳】
神は俺にこの全てを与えた、それにも関わらず、俺は未だに何も変わってないように感じる。
子どもたちは俺を神のように見上げる、こんなのって馬鹿げてるんだ。
もし、この子たちが知ってたなら。俺はただの見掛け倒しで、毎日消耗してるって。

次に、自分がどのように見られているかと、本当の自分との違いを述べています。インターネット技術によってアーティストが直接ファンに向けて曲をリリースすることができるようになり、自分自身をさらけだして共感を呼ぶアーティストも登場してきましたが、多くのアーティストはイメージに基づいて創り込まれた商品でもあります。エミネムは、圧倒的なスキルと売上を誇るモンスターアーティストというイメージが強いですが、それは見掛け倒しに過ぎないと述べています。

And I try not to listen to nonsense
But if you bitches are tryin' to strip me of my confidence
Mission accomplished
I'm not God-sent, Nas, Rakim, 'Pac, B.I.G., James Todd Smith
And I'm not Prince, so…

【意訳】
そして、俺はナンセンスな話には耳を傾けないようにしている。
だけど、もしお前ら糞どもが俺の自信を剥ぎ取ろうとしてるっていうなら、そのミッションはもう完了してるぜ。
俺は神からの贈り物じゃないし、NasでもRakimでもない。2Pacでもないし、Notorious B.I.G.でもない。LL Cool Jでもないし、Princeでもないんだ。だから...

ここに来てエミネムは、神のように思われている過去の自分を脱ぎ捨てています。自分を批判してくるメディアや世間に対して、自分は神からの贈り物じゃないという諦念を示しているのです。

NasやRakim、2PacやNotorious B.I.G.、LL Cool Jといった伝説的なラッパーたち、Princeという伝説的なアーティストを引き合いに出し、自分は彼らのような伝説ではなくて、ただの1人の人間なんだと述べているのです。

以前解読した"Head Lights"でもエミネムは過去を清算していましたが、こうした歌詞を読んでいると、過去の自分を清算することで、アーティストとして前に進もうとしているように感じられます。若くして余りにも大きな成功を手にしてしまったエミネムは、過去の自分を背負ったまま、過去の自分と張り合ったままでは、もうこれ以上は曲を作れないと感じているのでしょう。OutkastのAndre 3000が陥っているスランプと同じようなスランプを、エミネムは自分なりのやり方で克服していると見ることができます。

繋ぎ(ビヨンセ)

'Cause I'm only human, just like you
Making my mistakes, oh if you only knew
I don't think you should believe in me the way that you do
'Cause I'm terrified to let you down, oh

【意訳】
だって、私はただの人間だから。あなたと同じ。
過ちだって犯している、もしあなたが知ってたなら。
いま、あなたが私を盲信しているような信じ方って止した方がいいと思うわ。
私はあなたをがっかりさせるのが怖いのよ。

がっかりさせるのが怖いから、自分を盲信して過大評価するのをやめてほしいと、また分かりやすく曲のテーマが歌われています。

3バース目

It's true, I'm a Rubik's—a beautiful mess
At times juvenile, yes, I goof and I jest
A flawed human, I guess

【意訳】
そうさ、俺はバラバラのルービックキューブみたいな美しいめちゃくちゃだ。
あの頃は少年みたいに、ヘマをして戯れてた。欠陥のある人間さ、多分ね。

エミネムは、スリム・シェイディーやマーシャル・マザーズといった複数の架空の人格を使いこなして、独自の世界観を作り上げて来ました。そうした自分の多面性を「ルービックキューブ」と表現しています。しかし、そうしたオルターエゴの境目もぐちゃぐちゃになってきた様子を、まるで不揃いなルービックキューブのようだと例えているのでしょう。その中でも、精神病で攻撃的な表現をするスリム・シェイディーは、欠陥のある人格であり、賛否両論を呼びながらも、みんなに愛されたキャラクターでした。

But I'm doin' my best to not ruin your expectations and meet 'em,
but first the "Speedom" verse, now Big Sean
He's goin' too fast, is he gonna shout or curse out his mom?

【意訳】
だけど俺はみんなの期待を裏切らないよう、可能な限り、努力してるんだ。
まずは"Speedom"のバース、それからビッグ・ショーンのバース。
「彼のラップは早口すぎる、今回も母親の悪口をちゃんと言うかな?」

エミネムは、客演で参加したTech N9neの"Speedom"とBig Seanの"No Favors"について触れています。みんなの期待を裏切らないように努力して生み出したバースだけれど、「早口すぎる」と批判もされたようです。

また、エミネムの過去のファンは、今でも母親への辛辣なディスソングなどを期待しているのでしょう。エミネムが前に進もうとしても、ファンやメディアが過去の自分を欲していることが足枷となっている様子が描かれています。

There was a time I had the world by the balls, eatin' out my palm
Every album song I was spazzin' the fuck out on
And now I'm gettin' clowned and frowned on
But the only one who's looking down on
Me that matters now's DeShaun

【意訳】
昔は、とんでもない影響力があった時期もあった。
アルバムの全ての曲で、俺は糞みたいに感情的になってた。
そして今、俺はバカにされて、顔をしかめられてる。
だけど、唯一、俺を見下しているやつで、俺にとって意味を持つやつは、天国から俺を見ているDeShaun(Proof)だけさ。

過去には、とんでもない影響力を持つアーティストだった時期もあったけれど、今はそんな力は残っていないと歌っています。ここでは敢えてスラングを用いて、昔のキャラクターをチラつかせつつ昔を語っているように見えます。

多くのメディアや過去のファンが、もうエミネムは終わったと今は見下しているとエミネムは感じています。しかし、もうそんなことはどうでも良くて、彼が気にするのは先に亡くなった盟友のProofが彼のことをどう思っているだろうかということくらいだと開き直っています。

個人的には、メディアも過去のファンも、今のエミネムを見下してはいないと思います。彼が歌っているとおり、期待値が高すぎるために批評的になることもあるんだと思いますが、エミネムの出す曲を今でも楽しんでいると思います。

Am I lucky to be around this long?
Begs the question though
Especially after the methadone
As yesterday fades and the Dresden home
Is burnt to the ground, and all that's left of my house is lawn
The crowds are gone
And it's time to wash out the blonde
Sales decline, the curtain's drawn

【意訳】
これほど長い間、この業界に居続けられて、俺はラッキーなんだろうか?
疑問が残るね。特にメサドンで死にかけた後ならね。
昨日が薄れていく中で、俺のドレスデン通りの家も燃え尽きて、芝生しか残っていないって中で、群衆は消えていった。
ブロンド色の髪を洗い流すときが来た。売上は落ちて、カーテンは閉じる。

一時的に売れたとしても、長い間、業界で活動を続けられるミュージシャンは決して多い訳ではありません。エミネムはミュージシャンとして本当に長い間、活動を続けています。しかし、それが本当に幸福なことかというと、疑問を持たざるを得ないと述べています。彼は、特異なキャラクターで強烈な印象とともに登場しましたが、様々な世間からの批判に苦しみ、活動休止中にはメサドンというドラッグの過剰摂取で死にかけたこともありました。

その後には、徐々にピークを過ぎていく実感を歌っています。ドレスデン通りの家は、博物館にしようという試みで、ある女性に買われた後に、火をつけられてなくなってしまいました。「スリム・シェイディー」として登場するときには決まって綺麗な金髪に染めていましたが、それも清算時だと感じているようです。

They're closin' the set, I'm still pokin' my head from out behind
And everyone who has doubt, remind
Now take your best rhyme, outdo it, now do it a thousand times
Now let 'em tell ya the world no longer cares or gives a fuck about your rhymes

【意訳】
あいつらはセットを閉めようとしてる。
俺はまだステージ裏から頭を突き出して居る。
疑っていたやつは全員思い出す。
さあ、お前の一番いいライムを取り出して、それを超えてみろ。それを千回やってみろ。
次に、お前のライムになんか誰も気を払わないって世界に言わせてみろ。

先ほどのカーテンが閉じる描写や、ステージが終わる描写は、過去のアルバムである『The Eminem Show』や『Encore』を想起させるものになっています。活動休止を挟んで、『Relapse』で戻ってきた後が、エミネムの活動の後半期だとすると、ピークが遠ざかっていく中で活動を続ける様子がどのようなものかを本人は感じて、ここに書き記していると読むことができます。

And as I grow outta sight, outta mind, I might go outta mine
'Cause how do I ever let this mic go without a fight
When I made a fuckin' tightrope outta twine?

【意訳】
俺は視界から消えていって、気が狂っていく中で、我を忘れてしまうかもしれない。
だって、俺は何もないところから全てを手に入れて来たやつだってのに、このマイクを戦わずに手放すことなんてありえないだろ。

『Relapse』で復帰してからのエミネムは、常に活動休止前のエミネムと比較され、もうピークは過ぎたのだから引退すべきだといった評論すら書かれるようになりました。

しかし、もともと何もないところから勝ち上がって来たのだから、戦わずにマイクを手放して引退するなんてありえないと、檄を飛ばしています。これはエミネムファンからすると嬉しい一言でしょう。まだしばらくの間は、エミネムからのリリースを期待することができそうです。

But when I do fall from these heights though, I'll be fine
I won't pout or cry or spiral down or whine
But I'll decide if it's my final bow this time around, 'cause—

【意訳】
だけど、俺がこの高さから落ちたとしても、俺は大丈夫さ。
俺は不機嫌にもならないし、泣きもしない。
悪循環に陥ることもないし、嘆きもしない。
だけど、俺はいつ最後にみんなに頭を下げるかは自分で決めさせてもらうぜ、だって

ここから先は下り坂を歩み続けるとしても、自分は自分のできることを諦めがつくまでやり続けるんだというエミネムの強い意志を見てとることができます。

直近のエミネムは、ヒップホップや音楽業界の進化を確実に感じ取っており、リック・ルービンに対して、最近のマンブルラップの流行はカルチャーショックであり、自分はついていけないということを話していたそうです。

自分が音楽業界の波に乗っている時期を経験し、それから音楽業界の流行りが変わっていく中で、古いアーティストになったことも認めた上で、それでも自分のペースで音楽活動を続けるというベテランの風格にエミネムの強さを感じ取ることができます。

アウトロ

'Cause I'm just a man
But as long as I got a mic, I'm godlike
So me and you are not alike
Bitch, I wrote "Stan"

【意訳】
だって、俺はただの人間さ。
だけど、俺はマイクがある限り、神みたいなやつだぜ
だから、俺とお前は一緒じゃねえんだよ。
クソ野郎、俺は"Stan"を書いた男だ。

このアウトロが、この曲の一番の醍醐味です。

一曲を通して、「俺もみんなと同じ人間なんだぜ」と、どこか諦めを見せていたエミネムですが、アウトロではマイクを握る限り、俺は神みたいな存在だと、突如、他の人たちを突き放します。

"Stan"は、エミネムの狂信的なファンが、エミネムに対して手紙を送り続けるという設定で進むストーリー・テリング形式の曲で、エミネムの曲の中でも、最も評価の高い曲のひとつです。

この曲"Walk on Water"はアルバムの一曲目であり、俺は"Stan"を書いた人間だと自分を鼓舞した状態で、アルバムに入っていきます。

ということで

エミネムの"Walk on Water"、これはエミネムのように、とんでもないピークを経験したアーティストでなければ書けなかった曲でしょう。いかにエミネムがとんでもないアーティストであるかということが、自分の凄さを訴えるセルフボースト形式の曲でもないのに、びしびしと伝わってくる内容でした。

12月15日に発売予定のエミネムの『Revival』を楽しみに待ちたいと思います。

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