見出し画像

[2022年版] テスラの何がすごいのか?

電化製品比較サイト RANKを運営する貫井です。
今回サイトで掲載を始めた電気自動車の紹介を始めてみたいと思います。
自分の認識としては、電気自動車も電化製品だと思います・・・。

テスラといえば電気自動車なのですが、イーロン・マスクが前面に出過ぎていて逆に自動車が影に隠れてしまっている感も否めません。(笑
そこで、テスラの凄さを2022年度版としてわかりやすくまとめてみました。

世界の電気自動車を生産しているメーカーは100以上(特に中国が多い)に及び、すでにEVだからといって、目新しとは言えなくなりました。
話題は電気自動車としての性能評価に移っており、その点においてもテスラについてお伝えできればと思います。

1:車体製造技術がすごい

ボディー製造の技術として、部品点数を最大限に減らすための一体成型タイプである、巨大金型ギガプレスというものが注目されています。

https://www.youtube.com/watch?v=6BOkkD-zwXw

イタリアのイドラ社によって開発されたギガプレスは、70製造工程を1工程に抑えるという神業をやってのけました。まさに、ダイキャスト製ミニカーを実寸で作るようなものです。
これにより、製造時間と製造コストの削減、かつ車体剛性をアップさせることに成功。すでにテスラのModel Yはこのギガプレスを導入、製造されています。これによって先代モデルに不足していた剛性をアップさせ運転性能向上に貢献しています。
メリットとしては、剛性向上、運動性能の向上、価格の低下、安全性の向上、航続距離の向上などがあげられます。
この流れは、他の自動車メーカーにおいても進むとみられています。

ギガプレスによるデメリット
良い点ばかりが取り沙汰されていますが、デメリットもあります。
最大の難点はパーツが分解できないため、細かな修理に対応していない点です。よって、事故による廃車確率が高くなります。
電気自動車はバッテリーの一体型化も進んでおり、修理を前提としない生産コンセプトに移っています。これは事故をしない自動車作りへ方針が移っており、またリサイクルシステム構築へ舵を切り、修理ではなくリサイクルへ視点が変化しているとも言えます。

2:バッテリーがすごい

テスラバッテリー
出典:tesla

2020年9月のテスラによるバッテリーデーで新型バッテリーとして、4680型電池が発表されました。
そもそも先代の2170型でも、冷却性能なども含めバッテリーシステムとしては高い性能を保持していますが、4680によって、エネルギー効率6倍のより競争力のあるバッテリーとなりました。
製造会社としては、パナソニックの一択でしたが、現在中国の大手電池メーカーであるCATLの参入となりました。CATLは別途、自社開発の高性能電池も発表しています。
テスラの素晴らしい点は、この電池バッテリーとともに、オクトバルブというシステムによって車内の熱管理を統合化しているところです
これにより、柔軟に車内の熱を統合的にコントロールすることが可能になり、電池バッテリーで課題となる熱問題を解決しています。

新型バッテリーによるデメリット
この新しいバッテリーは新構造によるメガキャストとの一体型配置となり、バッテリー劣化の場合でも交換不可能という結果を生み出しました。
しかしながら、この点については70万キロ走行でバッテリー性能の8割維持などの、バッテリー持続性能などの向上により対応がなされています。

3:モーターが進んでいる

リラクタンス型IPMモーターを電気自動車としてはModel3以降初めて搭載しました。これはトヨタのプリウスでも利用されているものですが、モデル3で、電気自動車としては初の搭載になります。
このモーターは、出力性能を維持しながらもトルクの性能にすぐれており、あらゆるモーターがリラクタンス型へ移りだしています。

出典:https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter202205.html

4:インフラ充電網を自前で作り出している

テスラの電気自動車の普及戦略として特に優れているのが、充電設備を自社開発し、アメリカや世界に多く設置したという点です。
電気自動車の難点はガソリンにくらべ、供給システムが整っていないところですが、その課題に対し自社みずから整備した点は称賛に値します。
アメリカでは30分以内に満充電になる高速充電チャージャーを200km圏内おきに設置し、世界にすでに3万台の設置を行い、電気自動車の普及に貢献しました。
日本ではまだ十分に整っているとは言い難く、今後に期待されます。
日本では独自の電力充電供給網としてCHAdeMOが7000基を運営していますが、特に供給が必要な高速道路での設置でもPAに2台程度、出力も低めの状態です。今後の設置が望まれている状況です。

5:自動車性能が、リモートでアップロードされる

これはパソコンやスマホと同じコンセプトですが、自動車のハードウェアの性能を向上させるソフトウェア・アップデートが自動で行われます。
自動運転のソフトウェアだけでなく、燃費や細かい性能に関わる点に関してもアップデートされる点が大きな特徴です。
いままでの自動車では見られない新しいコンセプトです。

気になる自動運転技術ですが、現状では、抜きん出ているとは言えません。
自動運転技術に関しては、各メーカーがしのぎを削っている状態ではっきりとした優劣はまだ出ていません。
日本におけるレベル3運転に関しては、ホンダやメルセデスが先行している状態です。

6:電気自動車としての販売台数がすごい

販売台数に関しては、2022年で140万台を目標としており、
2022年は、マツダの生産台数を超える勢いと言えば、規模がわかりやすいかと思います。
トヨタの年間販売台数が1000万なので、電気自動車のみでここまでの販売台数は驚異といえると思います。
しかしながら、2022年10月時点で、中国のBYDがテスラを抜き1位となりました。今後も中国メーカーの台頭が著しいと予測されます。

出典:https://cleantechnica.com/

7:事故確率が低い

2018年の記事になりますが、アメリカでのNHTSAによる検証調査の記事にもあるようにテスラが50車種調査の結果、上位を独占する形となりました。
事故を起こさない自動車として非常に優れています。よって、ギガキャストによる廃車確率が増える点を、事故確率を下げることによって補っているとも言えるかもしれません。

https://electrek.co/2018/10/07/tesla-model-3-lowest-probability-of-injury-nhtsa/

8:完全なD2Cでやっている。

テスラは、代理店を通さない直接消費者への販売(Direct to Consumer)を行っています。これにより自動車当たりの販売コストが抑えられるので、消費者にとっては大きな利点です。またネットでの購入者も多く、自動車もネットで買う時代が訪れているという証拠になります。

テスラのすごさ:まとめ

このような形で、テスラの凄さをご紹介させていただきましたが、電気自動車=テスラというイメージはすでに時代遅れであり、
それ以上に、電気自動車としての車体性能やインフラ性能など、自動車を囲い込む包括的な魅力として評価されるのが、正しい評価と思われます。

RANKでは、電化製品に関連するいろんな製品を取り上げています。
記事としてではなく、製品ひとつひとつをわかりやすく比べられる商品比較サイトを目ざしました。

貫井新一

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?