見出し画像

福澤徹三/侠飯7 激ウマ張り込み篇

タイトルは「激ウマ張り込み篇」だけど、
張り込みなんて牧歌的なものではない。
今回のテーマは身辺秘匿捜査。
身辺秘匿の名の通り、
その身分を隠して捜査する行為。
捜査の中で亡くなったり危害を受けても、
身分を明かせないとも聞く。
違法行為の有無を捜査する中で、
時には違法すれすれの行為に及ぶこともある。
犯罪者として捕まったとしても、
それでも身分を明かせない、
見殺しになることさえあるとも。

犯罪者と思った男たちが、実は頼りになる捜査員。
最後に身分を明かされてびっくり。
それがこのシリーズのカタルシスパターン。
本巻では、早々と男たちの身分は明かされる。
読者がハラハラするのは、
対抗する勢力との騙し騙されの面白さ。

働き方改革真っ盛り、
週休3日制が実現しそうな今の時代に、
働き方どころか
その身分さえ明確にできない仕事もある。
過酷。
でも彼らの敵は犯罪者。
巨悪は夜も昼も眠らない。
待ってはくれない。
それに対抗するには、
働き方なんて言っていられないのかもしれない。
でも経済だって、敵は巨大。
世界は眠らないと思うのだけれど・・・

そんな過酷な職場の雰囲気を、一時味わう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?