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未来のために学んでおきたい。「Blockchain (ブロックチェーン) 」の概要11.Future Bitcoin

ビットコインができること

機能としての通貨を実現(貨幣の3大機能)
・一般的交換手段 - ビットコインでものを購入できる
・価値の尺度 - BTCでものの価格が表示されている
・価値の保蔵手段 - 資金の避難先として使用。値上がりを見越してフォンドが作られる。

ビットコインの懸念

・利用者の偏り
実際に使用されているアドレスが少ない。全体の90%が0.1BTC以下の少額のビットコインを持っている。
BTCの総量95%を2.6%の人が保有している。そのためみんなのためではなく、一握りの人のためのコインになっている。
ビットコインの利用の実態は投機目的

・BTCの仕組みがもつ弊害
ビットコインは最大2100万BTCと上限があり、すでに1750万BTCが発行ずみである。
そして、希少性があるため将来の値上がりが見込まれ、投資資産として使われやすい。
マイニングの収入が半減していくことで、マイナーが撤退するかの可能性がある。取引承認の遅延や必要な計算量の減少による安全性の低下

・分裂の危険性
BTCは2017年8月に分裂し、「BTC」「BTCキャッシュ」になった。
これは今後も続く可能性がある。理由は、取引の上限です。
当初BTCは1ブロックサイズ=1メガバイト だが、これだと10分間に4200件のトランザクションを超えると遅延し、取引確定が数時間かかるようになっていた。
このためスケーラビリティがないと言われており、ここから分裂がはじまる。
BTC派は取引データ内のデジタル署名を分離して取引データを圧縮しよう。
BTCキャッシュ派は、ブロックのサイズを大きくしようと言い出す。管理者がいないがゆえに、意見が分裂した。

・政府による規制
日本では改正資金決済法で仮想通貨を規制へ。
これにより、仮想通貨が定義され、仮想通貨取引所に一定の条件を課し、登録制に。そして、一定の業務請負規制、金融庁の監督を受ける。

・中国のビットコイン取引所規制
2016年までは大量のBTCが取引された。そして、2017年ビットコイン主要取引所からBTC引き出しが停止され、、レバレッジが禁止。
結果としてBTC取引量が大幅に減少。
政府の動きにより、影響を受けているのがBTCなのです。

・BTCの展望
一部の人が使う商品として残り続ける可能性が高い。BIS2015
昨今、中央銀行がデジタル通貨の研究を積極的におこなっている。
将来に中央銀行が発行するデジタル通貨が広く使われるようになる可能性がある。
中央銀行は実証実験を現在行っており、BTCと中央銀行が発行する通貨を比べると人々は後者を選ぶ可能性が高い。安心、安全、レートの変動を考えるとそれはありえる。

期待されているBC

インターネット以来の最大の発明
仮想通貨(BC1.0)
金融分野(BC2.0)
非金融機関(BC3.0)
こう呼ばれていて、幅広い分野に利用できる。

BCが叶えられること
所有権データを分散して管理=分散型台帳技術
中央型台帳 - 取引データを中央データベースで管理
分散台帳 - 取引データを分散して管理

分散型台帳技術の利点
1.改ざんされにくい
もしデータに変更があると、それ以降のナンスをすべて変えなければならないため改ざんされにくい。
2.システムがダウンしにくい
一箇所でデータが失われても、他のノードが動いている限りシステムはダウンしない。
3.コストが低い
セキュリティやバックアップなどのシステムのコストを削減できる
複数機関で共通帳簿を持てる - 金融で残高の照合作業などが必要なくなる
管理者なしで取引を行える - 運営費がかからない、手数料などがかからない。

BCの課題

・技術面
課題.1スケーラビリティ - 取引数が増えるほど色々な問題が起こる。
ブロックに保存できるデータに限界があり、一回のブロック生成で処理しきれず取りひきが有効かされるまで時間がかかる。
ブロックの生成スピードは限界があり、早く承認されるように手数料が高く設定されることで手数料が高騰する。
スケーラビリティ解決への取組
1.ブロックのサイズを増やす
- 一つのブロックに入る量を大きくする。
ただこれを採用すると、マイニングに参加できるコンピュータが限られてしまう。すると、マイニングの寡占化や中央集権的になったり、ハードフォークになるため、後方互換性が失われる。
2.トランザクションサイズ縮小
一つのトランザクションをちいさくすることで、入るトランザクション量を増やす試み。
具体的には「セグウィット」と呼ばれる技術で、トランザクションデータのInput中にあるscriptsig(署名データ)を分離。こいつは60%をトランザクションデータの中でしめている。
3.シャーディング
トランザクションの検証作業を、ノード事に役割分担し、検証作業を並列化することで、同一時間内での検証可能トランザクション数を増やす試み。
各ノードのトランザクション数を増やす。

課題.2 実時間性の低さ
取引が確定するまで時間がかかる
いつ取引が確定するかが分からない
解決策1 合意形成アルゴリズムの変更
実用的ビザンチ・フォールト・トレランス(PBFT)はリアルタイムに処理でき、取引の完了性も確保できる。
これは、承認された人しか参加できない、合理形成のアルゴリズムを使用。
コアノードにトランザクションの認証を集中させている。
解決策2 オフチェーン
毎回取引結果をBCに書かず、最終結果のみ書き込むことで、即時取引が可能になる。そして、BCに書き込むトランザクション数も減る。

課題.3 プライバシー
取引情報と特定の個人情報がひもづけば、その個人の保有残高や送金記録を知ることできてしまう。
BCの仕組みは全ての取引の履歴が記録されているから、取引情報からその人の全ての取引記録を追跡することができる。取引情報と個人情報が結びつくと、その人の資産状況がわかってしまう。
解決策1 匿名コイン
各取引の匿名性を担保する通貨が登場。一方で、犯罪やマネーロンダリングの温床にもなるため、適切なきせいが必要。
Zcash 取引の内容を、専用の鍵を持っているユーザーしかかんらんできない。プライバシーが保護された状態で取引できる。

課題.4 規制と健全性
消費者保護は重要であり、適切な規制が必要。一方でバランスを崩した規制は、業界の発展を阻害する。
適切な規制が必要
銃や麻薬などが売買されるダークウェブでの支払いに匿名コインが使用されることがある。 匿名コインは犯罪やマネーロンダリングの温床になりやすい
バランスを崩した規制の影響
中国ではビットコイン取引所が規制され、取引量が1/100以下へ減少
Coinhiveというマイニングサービスでは、事前警告も一切ないまま利用者の一斉摘発が行われた。バランスを崩した規制は、その技術が成熟する機会を奪ってしまう。

・市場 課題.5 ボラティリティの高さ
仮想通貨は値上がりに期待して投機商品として購入されている。結果として、価格が変動しやすく、通貨としては安心して使いにくい。
解決策1.ステーブルコイン
価格が安定した通貨として開発されているステーブルコイン
法定通貨担保型 - 1tether = 1ドル
仮想通貨担保型 - 他の仮想通貨の預金により担保する方法
DAIはEtherを担保にして 1DAI=1ドル
無担保型 - 通貨の発行量を自動で調整する方法

・一般
ユーザービリティ
BCの多くは、ある程度のリテラシーを必要としている。なので、誰でも簡単に安心して使える状態ではない。

BCの活用

・共有データベースとして活用
データベースを共同利用しコスト削減
共用データとして活用することで、データに唯一性を付与できる。そのためデータ所有者がデータの所有権を利用できる
・事例 - リップル国際送金プロジェクト
現状.複数の関係者が独自のデータベースを活用するとやりとりにコストがかかる。
解決.データーベースを複数の関係者が共同で利用すると、やりとりのコストが削減。

 国際送金はコルレス関係にある銀行しか送金できないので、中継銀行が増え手数料がかさむ。着金に時間がかかり、手数料が高い
リップルコンセプト.国際送金の課題を解決しようとしている。
銀行間を分散台帳のネットワークで結ぶことで、国際送金を安価に、リアルタイムにおこなうことを目指している。既存のコストを60%削減できるといっている。
仕組み
ルールも仕組みもバラバラだったところに、分散型台帳の共有をして共通のルールをつくることで、上記の2つの問題を解決している。

データ所有者がデータの所有権を利用できる
デジタルデータは従来は所有権がなかったのに対して、BCではデジタルデータに所有権を付与できるようにしている。データそのものを取引できるようになる。
事例2.XAIN スマートカーへのブロックチェーン活用
2018年ベルリン初のスタートアップ (オックスフォード大学で始まった)
ポルシェと共同開発
走行データを収集し車に走行データをBCに記録する。
スマートロックによる盗難防止ができる。車のオーナーは走行データを保険会社やナビシステムに売買できる。

スマートコントラクトとして活用
中央管理者なしで個人間取引を実現
事例1.マーケットプレイス2.0 Propy(プロッピー)の国際的不動産取引
2016年にスタートした、不動産売買のプラットフォームでスマートコントラクトを利用。仲介の手数料をなくし、登記所との連携により国際取引をスムーズに実現。


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