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北西部の町「サルト」は町全体が博物館【JOCV Day229】

ヨルダン北西部の「サルト(السلط)」という町を訪れた。アンマンからバスで北西に20分程度走らせた場所に位置するこの町は、「町全体が博物館(エコミュージアム)」というコンセプトで町づくりが進められていて、観光客も多く訪れる。

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建物は淡い黄色の石で造られているものが多い。「地球の歩き方」では「山吹色」と書かれているが、山吹色(赤248, 緑181, 青0)よりは薄い黄色の建物が多い印象を受けた。小さな町だがアンマンから近いこともあり、人口は約8万人と多く、ヨルダンでは10番目の人口規模の町となっている。

古くから農業で栄えた町並みを保全し、町全体を博物館として整備することで観光客を呼び込もうと試みている。JICAもプロジェクトに参加していて、サルトへのボランティア派遣も継続的に行われている。「地球の歩き方 2017-2018」にも3ページをかけて紹介されていた。

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サルト歴史博物館。アーチ状の窓が特徴的なこの建物は1905年に造られ、現在はサルトの歴史を伝える博物館として機能している。サルトのインフォメーションセンターもここにあり、ガイドマップがもらえたり、町案内などのツアーもここで申し込める。

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サルトのエコミュージアムを担当している観光遺跡省の職員とたまたま会って話しを伺うことができた。日本の山口県萩市などの事例を参考にサルトの町づくりを進めてきたようで、この方も何度か日本に視察に訪れているとのことだった。入口にはJICAの協力があったことを示すモニュメントがある。

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地球の歩き方にも掲載されているハンマーム通りは野菜や衣服、生活品のお店が並び、地元の人や観光客で賑わっていた。お店の看板のデザインが統一されている。

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ヨルダンには至るところにモスクがあるが、サルトにももちろんある。写真右手に見えるのはグレートモスク。文字通り大きい。

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19世紀に建てられたヨルダン最古の病院の「エヴァンジェリカルホスピタル」。現在は聴覚障害者向けの施設などに使われている。

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考古学博物館はサルトおよびその付近から発掘された物をメインに展示している。アンマンにあるヨルダン博物館に比べると大分コンパクトになっている。

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8万人の人口を捌くだけあって、バスターミナルに往来するバスも多い。アンマンとサルト間のバスも1時間に4, 5本は出ている。

観光開発と合わせて町の人々の生活に必要なインフラ整備も進めている。アンマンからも近いので、地域コミュニティ開発や観光資源の活用に興味のある人はぜひ訪れてほしい場所である。

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