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広島で開催する落語会 「RAKU-GO-三道楽(らくごさんどら)」への想い

来たる4月13日、広島で開催する「RAKU-GO-三道楽(らくごさんどら)」。
昼夜回とも、徐々にお申し込みをいただいております。感謝!

コロナ禍、そして、広島県下のまん防発令で、市内の飲食店さんを通じての情報拡散もできず、チラシの配布や設置もままならない日々でしたが、準備は着々と進んでいます!

先日は、東京で「めくり台」が完成!高座の横に置く、名前を書いた紙(めくり)をかける台です。
我が子のごとく、背負って広島に連れて帰りました。

「RAKU-GO-三道楽」や「つながり寄席」を広島で開催したいと思った理由のひとつは、コロナ禍で他人と約束しにくくなった今、一人で気後れせずに安心して行ける「お出かけ先」を作ること。

ご提案する「お出かけ先」は、落語会。

飲食や濃厚接触はありません。喋るのは舞台上の芸人さんだけ。飛沫での感染の危険性があるとしたら、むしろ芸人さんのいる高座の中。
しかし、皆さん、師匠方には高齢者も多いことから、かなり気をつけておられます。1月に渋谷で行われた落語公演の楽屋を手伝わせていただきましたが、芸人さん達は、常にきっちりマスク着用。かなり普段から感染対策には気を配っている私から見ても、「これじゃ危ない」と思う場面は一度もありませんでした。実際、私自身、あの”悪名高い東京”でコロナ禍以降、何百回も落語会や寄席に行っていますが、帰広の度に受けているPCR検査では毎回陰性です。

もちろん、何事にも「絶対」はありません。が、一つの目安や判断材料にはなるかと思います。
(写真は文蔵組大落語会より。大喜利で複数が舞台に上がる時はマスク着用。)

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さて、私自身は、ひとり旅、ひとり遊び、ひとり飯のベテランで、ひとりでどこへでも行ってしまうのですが、そうでない人から見ると「ひとりでよく行くわねー」でした。特に日本は、連れ立って出かける傾向があります。それ故、ひとりで行動する者にとっては居心地悪いこともありましたが、コロナ禍になって大きく変化。飛沫飛ばさない ”おひとり様” 歓迎時代が到来しました。それに不安を抱えながら誰かと会ったり、相手と予定が合わなくて出かけるのをやめるよりも、自分の自由な時間を見つけたら、ひとりでも気軽に出かけてみませんか?落語は、たとえ一人で来ても楽しめます。おしゃべりするのは演者さんですし、周りを気にせず、好きな時に笑って、好きな時に居眠りできますから。
(写真は、2月の熊本つながり寄席。おひとりでご来場の方も多数おられました。)

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4月13日のお昼の会「昼下がりのわん丈」は、ランチ後にちょっと寄ってもらいたい企画です。13時15分からスタートで、15時半には終わりますので、夕食の支度にも間に合う設定。夜は出にくいという方にも、同じ体験して欲しいと思いました。東京の落語会でも、昼と夜では客層が違いますので、それぞれの生活にあった自由時間があるはずです。場所は、八丁堀福屋から歩いて行ける「女学院前」の電停のすぐ側。飲食店「すき家」の入っているビルの2階です。サロン内は、ゆったりこんな感じです。(当日はレイアウトを変更します)

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夜の会「天空の落語会〜三遊亭わん丈 x Tamie 二人会」は、落語会でこんな贅沢な場所使うの?ってとこでやります。19階でガラス張りから夜景が一望できるライブスペース。こんな開放感のある空間で、落語で笑って、ジャズでスイングなんて、オトナの至福の贅沢だ!と個人的に思ってます。

個人的をもうひとつ言うと、私はフラメンコの仕事をしていた時も異ジャンルとのコラボにはとても慎重でした。ただ、お客さんを集めたいだけのコラボってどうなの?と。もちろん、知ってもらう機会を作れるということで、両ジャンルへのメリットはあります。ただ、演者さんの気持ちは集客以外の部分で穏やかなのかな?と気になってしまっていたのです。

ただ、洋風のライブハウスで落語ということに関しては、迷いはありませんでした。ストレスの多い今の世の中。お客さんが日常から切り離されたところで気分転換できることが大事。それは、木造で畳の江戸情緒あふれる建物でもいいし、夜空に包まれた天空の空間でもいいと。落語会が数多く開催されている東京では、いろんな場所で落語会が開催されています。今、精神的に居心地がいいのは、広い空間で、ある程度のソーシャルディスタンスが取れ、正座よりも椅子、かな?と思うのです。そう考えると、天空のライブハウスもいい感じしませんか?
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写真は、ライブジュークさんHPより。当日の椅子の配置は異なります。)

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そして何より大事なのは、演者さんの気持ち。三遊亭わん丈さんは、以前、バンドのヴォーカルをされていました。それもあって「ライブハウスでも全然大丈夫ですよ。実際、やったことありますし。」と快諾してくださいました。ほっ…。
そして、Tamieさんとの共演も”二人会(ににんかい)”という、落語界でよく使われるタイトルを提案してくれたのは、わん丈さんでした。今年に入って「笑点」の地上波にもご出演され、益々メジャーになってきたわん丈さんですが、「広島では僕のことを知っている人は少ないと思うので、ジャズやTamieさんのファンの方や落語とは今まで縁のなかった人にも知って欲しいですし」とおっしゃっていただきました。落語を聴いたことのない人の前で話すことに意欲的なわん丈さんならでは。「牡丹燈籠」もその他の噺も、きっと楽しく語ってくれるでしょう。

ライブジュークでは歌い慣れている、ヴォーカリストのTamieさん。”江戸の落語家さんとの共演、面白いかも!いい経験になるわ!”と、全面協力してくれます。話のプロである落語家さんとのオープニングトークという、私からの無茶振りにも挑戦してくれます。また、Tamieさんの計らいで、ミュージシャンは広島のジャズファンにお馴染みの素晴らしいアーティストで固めてくれました。上質のジャズで、ライブハウス本来の醍醐味も満喫できます。

ところで、落語とジャズ。こじつけでは?

いえいえ、そんなことはないんです。
即興性やアドリブが”美味しみ”のこの二つのジャンルは、実は、相互乗り入れファンがとても多いのです。落語界にもジャズバンドがあり、春風亭昇太師匠はウィリアムズ浩子さんと丸の内のコットンクラブで共演してます。山下洋輔さんは柳家小三治師匠と共演をしたり、「寿限無」という曲を作ったり。落語の高座でも、昨年他界した川柳川柳師匠のネタには「ジャズ息子」があり、柳家小ゑん師匠のCDのジャケットは、ジャズファンなら、見覚えのある構図が…ありますよね。
(柳家小ゑん師匠のHPより→http://www.netlaputa.ne.jp/~ventain/KOEN/)

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余談ですが、山下達郎さんも落語ファンで、落語月刊誌「東京かわら版」にエッセイが出たことや、こんなトークもあります。

こんな雑誌もありました。5年前のPOPEYEでの特集です。


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その中にある、立川志の輔師匠の言葉。少し長いですが、紹介します。
これ、私が常々思っていること、そのままなんです。志の輔師匠の言葉としてお伝えした方が、きっと説得力があると思います。(笑)

”落語もジャズもどうやって出会うかが大事”


「僕が思うのは、聞く耳がない時に出会ってもダメだってこと。いくら”落語はいいよ〜”って言われてもピンとこなくてそのままになっちゃってるケースはたくさんある。それは、その時聴いた落語がよくなかったってことより、出会うときじゃなかったってことの方が大きんじゃないかな。逆に初めて出会った落語が、たとえ落語通にとっては意見の分かれるレベルのものであっても、自分の気持ちにフィットすれば落語好きになることだってある。でも、お客さんって初めのうち分かりやすい新作落語を聴いて”落語って面白いな”って思っても、古典落語を知るようになると、その深さを味わう喜びを知ることが往々ある。これはジャズにも言えるんだけど、落語って聴く側の体調や精神状態やそれまでの人生経験で印象がすごく変わるんですよ。」 POPEYE 9月号(2016)より抜粋

少し付け加えるなら、新作落語にも深さや味わいのあるものもあるし、古典落語を聴いて、落語って面白いと思う人もいると思います。同じ古典落語も演者によってこんなに面白くなったり、ジーンと来たりするのかなんて思ったりして…ほーら、ここにも新作から入って、古典を味わい出した輩が…。

「若い頃に寄席に行ったけど、それっきりで」「学校で聴いて、その時は面白かったけど」。確かにそういう人は多いはず。私も大学生の時に「末廣亭」に行きましたが、その時、すごく面白かったことは記憶しています。全く尊敬できない人から落語を勧められた時は、落語に興味はあったのに少し拒絶感を覚えたこともありました。その後の人生経験、体調、そして、今のご時世。そんなこんなの後に再会したからこそ、面白いと思えたのかも知れません。

貴方にとって今がその時かは分かりませんが、4月の「RAKU-GO-三道楽」が、落語との出会いの良ききっかけになりますように💫(表紙写真は、林家正楽師匠の紙切り。お題は「ジャズ」です。)

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公演情報
第1回RAKU-GO-三道楽「昼下がりのわん丈」
“プライベートサロンで、人気の江戸落語家と昼下がりのひとときを”
◆ 日時  2022年4月13日(水) 12:45開場 13:15開場
◆ 会場 Le・Reve八丁堀 〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀1−8 エイトビル2階 
◆ 前売3000円 当日3500円 和服来場特典あり 全席自由
予約URL tiget.net/events/162368
◆ 出演 : 三遊亭わん丈(落語協会所属)
◆ 落語「牡丹灯籠」より2席 & 当日のお楽しみで1〜2席
第2回RAKU-GO-三道楽「天空の落語会 & Jazz Night 〜三遊亭わん丈・Tamie 二人会」
“落語とジャズ。時空を超えたクロスカルチャーを楽しむ大人の夜”
◆ 日時:2022年4月13日(水)18:10開場 18:30開演 
◆ 会場: ライブジューク 広島市中区中町8-18 クリスタルプラザ19F
​全席自由 前売4100円(3500円 + 1ドリンク代600円)
    ​​当日4600円(4000円 + 1ドリンク代600円
予約URL tiget.net/events/162822
◆ 内容
トーク Tamie x 三遊亭わん丈
<ラクゴの時間 三遊亭わん丈> 
<ジャズの時間 Tamie > 
Tamie(vo)藤井政美(sax)岸本優子(pf)山本 優一郎(b)吉岡洋充(dr)
◆ 予約方法:  TIGETの予約用URLから。またはTIGET(tiget.net/)にアクセスし「三遊亭わん丈」で検索。
TIGET は登録しなくても使えます。申し込みの最初の画面では「当日支払い」の表示のみですが、そこをクリックして進むと、次の画面で「前売り料金」か「当日料金」かを選択できます。
TIGETが使えない場合は、ご希望公演(昼・夜)、前払い(前売り料金で)or当日払い、氏名、連絡先TEL、枚数を明記の上、メールでrakugolabo@gmail.comまで。


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