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月の砂漠ー駱駝の恋うた短歌集ー

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ねぶたの木うす紅色の髪飾り 夜風に波打ち目を閉じて待つ

灼熱の葵(あふひ)の上り詰める頃 君はあっさり梅雨明けと呼ぶ

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朝帰り 破れることもない君と 裏通りを行く淡き青春

偽りの愛かホントの愛か なんてどうでもいい いま君といる

天仰ぐ 君の変わらぬペガサスに 白く抱かれる六連星になりたい

君の名を名もない 星に重ねれば 夜空はいつも流星の泪

ただひとつ 伝えたいことただひとつ 大好きだよとただひとつだけ

霜寒の 山の夜長は明けぬとも ドクドク騒ぐ野獣の如く

落葉が 切ない数を数えても 木枯らしがまたわからなくする

君抱く 涙はらはら水溜り 秋の花びら浮かんで揺れて

桃に白 茎は色っぽく赤く染め 手を出さば刺すミゾソバの花

たなごころ 君の曲線つつみ込む 心を読んでまるい絵を描く

秋雨のほのかな灯り水鏡 鬼灯(ほおずき)に乗せ恋歌の聞こゆ

処暑の風 燃える情熱あおる蝉 秋桜日除けにすまして居る