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産休・育休取得前のチャレンジも、復帰後の糧になる。|デザイナー 大谷 梨沙

こんにちは、「RAKSUL DESIGN MAGAZINE」です。

RAKSULで活躍するデザイナーの、仕事内容やキャリアを探るインタビュー企画。第2回目は、印刷事業ラクスルのプロダクトデザインやマーケティングデザインを担当している、デザイナーの大谷 梨沙さんにお話を聞きました。

<写真:西川 元香>

<PROFILE>
大谷 梨沙(おおたに・りさ)

日本大学 芸術学部 コミュニケーションデザインコース 卒業。
新卒で介護系情報誌の出版社でデザイナーとして働き、二社目はWeb広告代理店でバナー広告をはじめとしたコミュニケーションデザインに従事。
2017年に、ラクスル株式会社に転職。現在は、アパレル事業のプロダクトデザインと、印刷事業全体のコミュニケーションデザインのディレクションを担当。

事業成長に繋げられる
自社サービスを育てていくためのデザインがしたい。

――これまでのご経歴を教えてください。
 
日本大学の芸術学部でグラフィックデザインを学んでいました。教育や福祉領域に興味があり、卒業後は介護系情報誌の出版社に入社して、福祉系サービスの広告や介護保険利用の手引きなどのエディトリアルデザインを経験しました。
ですが、広告を出稿したあとの“効果”まで追いたいと考えるようになり、Web広告代理店に転職し、コスメや金融、ゲーム業界など幅広い領域のデザイン・広告制作に携わるようになりました。

前職では、さまざまな案件に携われて刺激的だった一方で、作った広告がどんどん“消費”されていく感覚が強くなっていきました。事業会社に行って、自社サービスを育てていくためのデザインがしたい。そう考えていたときに、ラクスルに転職していた前職の先輩から誘ってもらい、2017年に入社を決めました。

――入社後は、どのようなお仕事を担当しましたか。

入社してすぐに任された仕事は、オンラインデザインというサービスのデザインテンプレート作成です。
印刷サービス「ラクスル」の魅力のひとつは、様々な領域のデザインテンプレートが充実している点だと思うのですが、当時は250ほどしかテンプレートがなく、お客様のニーズを網羅しているとは言えませんでした。そこで、どんな業界でも、一定レベルの“選べるデザインがある”状態を目指し、「月に100テンプレート増やす」ことを目標に、量産していきました。
業種によって求められるデザインは異なります。医療、飲食店、土木建築……など多業種に対応できるテンプレートを作成し、最終的にはベトナムのオフショア活用も進めながら、約2年かけて約7,000種類まで増やすことができました。

ラクスルで利用できる無料デザインテンプレート

――現在はどのようなお仕事をしているのでしょうか。

2021年11月にリリースしたアパレル・ユニフォーム事業を担当しています。
アパレル・ユニフォーム事業とは、医療従事者向けの服や工事現場の作業服など、さまざまな業界で使う制服をカスタマイズするサービスで、お客様が持つロゴデザインを活用し、プリント印刷や刺繍を入れられるようなサービスになっています。
「今までラクスルで名刺を作っていたけれど、制服も作れるなら、同じロゴの刺しゅうを入れてもらおう」といったニーズに対応していきたいと考えています。

また、私の最近の役割は、お客様が持っているデザインを対象となる洋服へ入れたらどう見えるのか、シミュレーションできるようにすることです。より使いやすいサービスにできるよう、検索ページや商品ページのリニューアルも進めています。

アパレル事業で開発しているデザインシュミレータ

周りの理解と制度の充実が、育休取得を後押ししてくれる。

――二度の産休・育休を取る前後に悩んだことや、デザイナーだからこそ不安に感じたことはありましたか。

多くの女性が感じることかもしれませんが、「キャリアが止まるかもしれない」という漠然とした不安がありました。女性はどうしても身体を休める必要があるので、「夫は休まずに仕事ができて、昇給や評価も続いていいなぁ」という羨ましさもありましたね。
とくに初めての産休・育休取得時は、もっと頑張りたいのに足踏みしてしまう…という焦りが大きくて。デザイナーとしてそれまでずっと手を動かしてきたこともあり、「現場から離れて勘が鈍ったらどうしよう」「復帰したあともチームに迷惑がかかるかも」と思っていたのですが、実際に戻って手を動かすことで、すぐに産休前の感覚を取り戻すことができました。

二度目の産休取得前には、自分の実力よりも少し背伸びした案件、購入導線のリビルディングを任されていました。当時は必死だったのですが、育休からの復帰後に、以前できていなかった仕事が自然とできるようになっていて「産休・育休取得前のチャレンジが糧になっていたんだ」と実感しました。

一方で戸惑ったのは、情報量の多さや会話のスピード感でした。子どもと家にいるときは、仕事のときとはまったく違うスピード感で時間が流れていて、会話も行動も必然的にゆっくりになります。その感覚で復帰すると、Slackで飛び交うやりとりがものすごく早く感じてしまい、なかなかついていけないんです。体験したからこそわかったことなので、今後周りのメンバーや後輩が復帰することがあれば、「1~2週間はキャッチアップ期間が必要」という意識で接していきたいと思っています。

――復帰後、働き方は変化しましたか。苦労したことがあれば教えてください。

保育園の迎えのために仕事を早めに切り上げるなど、時間の制約はどうしても出てきます。それでも仕事に遅れが出ないように、細かくタイムスケジュールを切って、作業のバッファを多めにとったり、チームメンバーへの連絡を早めに進めて調整してもらったりしています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で保育園が休園したときは、日中は仕事ができなかったので、子どもを寝かしつけたあとにデザイン作業をしていました。チームメンバーには「夜に動くので、働くタイミングがずれます」と事前に相談させてもらい、すんなりと受け入れてもらえたのがありがたかったですね。

――ラクスルならではのサポート制度、取り組みなどで役立っているものはありますか。

子どものいる社員が集まる、「#parent 」というSlackチャンネルがあります。
そこでは、子どもと一緒に行ける遊び場情報や、子ども向けイベント情報が集まっていて「この設備はベビールームが充実している」などの細かなクチコミにも助けられています。
ほかにも、「使わなくなったベビーカーあります」「絵本いりませんか」といった声や、「こんな病気になって、こう対応しました」といった体験談もあり、どんな質問を投げても、ぽんと返信が返ってくる。すごく安心感があります。

また、育休を取るときには収入面の不安も大きいと思うのですが、ラクスルには産育休復職祝金制度もあり、育休取得中の給与を実質全額保証してくれるんです。今では、メンバークラスの方もマネジメント層も自然と育休取得を選ぶようになっているなと感じています。
(※2021年度には、男性社員の育休取得率が67%になり、平均取得期間34日を達成しています。)

DESIGN Partnerとの協業で得た学びを
自身の成長につなげたい。

――大谷さんがラクスルで働き続ける理由を教えてください。

人の良さに尽きます。ラクスルには成果主義の厳しさがありますが、しっかり目標を定め、それに向かって迷いなく走るので、どんな厳しさも理にかなっているんです。同じゴールを見ているから、仲間と同じ熱さで仕事に取り組める環境があります。

私は、未経験でコミュニケーションデザイナーからUIUXデザイナーへと転向させてもらいましたが、そうした“挑戦させてもらえる風土”もラクスルの魅力だと思います。
「やりたいなら、この経験を積み上げていこう」と、挑戦を前提に周りがサポートしてくれます。もっといろんなことをできるようになりたい、というモチベーションにもつながっています。

――これまでの印象的な仕事、成長を感じたプロジェクトはありますか。

ラクスルでは、約30名のDESIGN Partnerさん(副業で働いてくださっているデザイナーの方々)と業務委託契約を結んでおり、プロジェクトごとに社員とDESIGN Partnerとがタッグを組んでいきます。私は2名のDESIGN Partnerと仕事を進め、その中でさまざまな学びを得ています。
一人の方は、私よりも何倍も経験値のあるプロダクトデザイナーさんで、私にとっては師匠のような存在です。UIUXデザインの手法も、ラクスル在籍のデザイナーとは違う視点を持っているので、「そんなアプローチ方法があるんだ!」と新たな発見につながっています。
もう一人の方は、若いジュニアデザイナーなので、どんなふうに仕事を依頼するとスムーズに進むのか、こちらのディレクション力が試されています。デザインルールのマニュアル資料を作るなど、経験に差があってもクオリティを担保できるようなやり方を模索しています。

――今後のキャリアを通じて、チャレンジしたいことは何ですか。
今携わっているプロジェクトには、全体のディレクションを行う「リードデザイナー」がいます。プロダクトの成長や周りのデザイナーを引っ張っていくリードデザイナーになれるよう、そして今後いろいろな部署から「大谷がほしい」と言っていただけるように、デザイナーとしての知識や経験を積み上げていきたいです。

そしていずれは、組織のデザイン設計に携わりたいと考えています。
ラクスルが好きなので、ここで働くみんなにとって快適な環境や制度づくりを進め、デザイナーがもっと活躍できるチーム体制をつくっていきたいですね。

――大谷さん、貴重なお話をありがとうございました!

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