寄り道_25

絵ができるまで⑦「寄り道2」

寄り道_25

本屋での逆光の絵を描こうと思って描き始めました。明度の配分がキーになるので、白黒から描き始め、後から色を付けていくことにします。

ラフ1

ラフ2

■最初は人を2人描くつもりでしたが、本屋の静かな空気感を出したくなり、1人にしました。

■本棚(暗)とガラス(明)の面積にあまり差がなく中途半端に感じたので、本棚の面積を増やして暗部がメインの絵にしていきます。

ラフ3

■奥の窓枠が女の子の顔と同じ明度で分かりづらいので、窓枠を明るくし区別できるようにしました。また頭の真上に縦の窓枠がきていて不自然なので右にずらします。

■パースを強調するために照明のタイプを変えたら、キレのある、画面の締まる形になりました。

■並んでいる本はなるべく大きさや明度に変化を持たせ、単調さを避けます。

■本屋の画像をあさっているときに見つけた、「ガラスに貼られた文字」を取り入れてみました。近くの物と遠くの物が重なると遠近感が生まれてよいとされているので、外の樹木(葉っぱ?)と重なるように配置しました。おそらくですが、樹木の部分(薄いグレー)とその奥の部分(白)の両方にまたがって重なっていることが結構重要なんだと思います。(三段階の遠近が生まれるから、たぶん)

ラフ4

■明度がいい感じで決まったので、トーンカーブと選択塗りでざっくり色を付けます。黄色よりの、レトロっぽい感じにしてみました。

ラフ5

■髪形と服装を変えました。ここが一番好きなパートかもしれません。

■手提げ袋は自分で持っているところを写真に撮って、それを見ながら描きます。本が入った袋がどういう形になるのか、実際にやってみないと分からなかったので。

■両側の本棚の一番上の板が作る輪郭が左右対称(逆"ハ"の字)で不自然なので、左の棚の上には箱などを乗せ、対称を崩しました。

■ちなみに消失点はかなり低めに設定しています(女の子の膝あたり)。こうすることで本棚の高さが強調され、より本に囲まれている感が出せるのではという狙いです。

ラフ6

■ガラスの前にある本たちの色を変えました。緑が浮いてるように感じたので。

■奥のガラスを入口に変更しました。こうすることで少しだけ前後の物語が想像しやすくなる気がします。(女の子が入店する様子や、出ていく様子、または別の誰かが入ってくる様子など)


■右の本棚の柱の前に積んであるボックス(?)を黒に変更しました。グレーのままでも悪くないのですが、黒くすることで情報をなくして、「あ、ここは暗くて何も見えないな」と無意識に感じさせ、視線をむやみに止めない狙いです。もし細部をじっくり見てほしい場合であれば、グレーのまま変更せずさらに本を差し込んだりして見ごたえをプラスしますが、今回のこの絵では、なんとなくこの部分には目を止めてほしくありませんでした。(もしかしたら女の子の目線の正反対の方向だったからかも?どうだろう…この辺はかなり感覚でやっている…)

ラフ7

■明度はキマってますが色が単調なので、天井の色を色調補正でいじり、アクセントになる青(緑?)色に変更しました

■入口横の本のところの下に隙間をあけて、光が入るようにし抜け感を出します。

■同じく本のところの、今度はその上部のガラスのところ、最初ミスタッチで白を置いてしまったのですが、それが木漏れ日のようにに見えて綺麗だったので、そこには木漏れ日を描くことにしました。

■手提げ袋の横縞が服とかぶっているので消しました。

ラフ8

■ガラスの文字は入口風に書き直しました。全体的に直線が多い絵なので、すこしカーブさせてみます。

■ガラスの枠を本棚のパースに合わせます。

■画面上端、中央の小さい明るい部分が目を引くのでなくしました。

ラフ9

■右の本棚の柱をもう少し傾けました。逆にガラスの枠(右側)はパースが利きすぎていたので少し緩めました。

■右端の黒い部分がちょっと太かったので、本を一冊追加しました。

■入口横の本のところの、さっきあけた隙間と女の子のスカートのラインがつながっているので、少しずらします。

ラフ10

■天井の色が気になったので少し渋くします。

■入口の向こうの白い部分が寂しかったので、ポール(?)を追加しました。

ラフ11

■本屋がレトロな色味なことがありきたりに感じ、全体を青っぽくしました。それに合わせて天井とガラスの枠の色もそれぞれ調整します。

ラフ12

■奥の樹木にテクスチャをのせ、リュックにキーホルダーをつけて完成です。

ラフ13_40

寄り道_プロセス


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