4枚目 決めるのにがて(永遠の出口/森絵都)

緊急事態宣言が出るみたい。とりあえずスーパーに行ったけど、さほど変わらずだった。明日にはまたものがなくなるのかな。

慌てて買いだめする人と買いだめに怒る人、その時々の必要な量しか買わない人。

色んな考え方があるけれど、わたしは元々買いだめしがちな人間。
「これ食べたい!」と「安くなってる!」と「買わなきゃ」とがぐるぐるせめぎ合う。結果、1週間余裕で生きられるくらいのものを手に入れてしまう。

ちなみに、スーパーを1周してもカゴにものが入らないときはひどくお気持ち不調のとき。カゴは心のバロメーター。

どうして、こんなに食材買いがちなのかなって考えた。
不安だから。何回も買い物に行くのが面倒だから。お金使いたい欲を満たしたいから。おなかが空いてたから。

たぶん、どれも正解なんだけれど1番大きいのは選択肢を増やしたいから。

昔から"決める"ことが苦手だった。ファミレスのメニュー、どの本を借りるか、何色にするか。
些細な、どちらでも構わないのかもしれないことでも、わたしにとっては1つ1つたいせつな決断だった。だから自分が心ゆくまで探して悩んで選んできた。

生きていくなかで、その状態はどんどん熱を帯びていった。
次の年の手帳を1月かけて探したり、ワンシーズン気にいる服が見つからなくて結局時期を逃したり。
側から見たら本末転倒なかんじのこともある。

よく言われる"なにか選ぶことはなにかを捨てること"ということば。
きっと、いつかにこのことに気づいてから、選ぶことが難しいことになったんだと思ってる。

「私は、<永遠>という響きにめっぽう弱い子供だった」
永遠の出口/森絵都

この後には、永遠に○○ないと言われると、たいせつな一瞬のチャンスを逃してしまう、人生のなかでそれに自分が触れることはないのだということの重みに押しつぶされそうになる…といったニュアンスで女の子の物語が始まる(うろ覚えですが)。

なにかを失ってしまったことに気づいたとき、それを失っていない状態に戻ることはもう二度とできない。反抗したって、せいぜい似たなにかで埋めることくらい。
全く同じ、無かったことになんてタイムマシンがあっても無理だ。タイムマシンで過去に行ったわたしが戻したい出来事を知ってる時点で、もう無にはならないでしょ?

だから、わたしにはひとつの決断に自分が後悔しないだけの確信を探し回ってるんだろう。

最初に戻って、どうして買いだめするかという問題。
きっと、選択に幅を持たせることで、その時の最上を選ぶことができるようになると思ってるんじゃないかな?って結論になりました。
うどんか白ごはんで選んだうどんじゃなくて、うどんもパスタもお米もパンもある中で選んだうどんなら少し楽しくなると思わない?

ほんとのとこ、どうして買いだめしがちかは分からない。最初のもっと違う理由で買っちゃってるのかもしれない。

でも、まあ自分の選択のこだわりに付き合ってられるうちは面倒で楽しいこの時間を過ごすんだろうな。