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レンジャーズストライクファンが見るデンジマン 13話

第13話「割れた虹色の風船」

Aパート

なんかもうタイトルが不穏。珍しく開始からタイトルコール。冒頭では少女が見つけた風船を悪ガキに強引に取られてしまいます。
「ケガはないかい? お嬢さんは藤村博士の娘さんのみかちゃんだろ?」
個人情報知りすぎてて怖いなこの人。突き飛ばされた少女を労り、悪ガキたちを懲らしめるというと、彼が手をたたくのに合わせて風船が割れ、風船の中に入ってたガスで目がやられたようでのた打ち回ります。偶然通りがかったチーコこと松尾巡査が駆けつけるも、今度は風船に絡まれて身動きが取れなくなります。
 悪がきを懲らしめたおじさんはみかちゃんと手をつないでスキップしてご機嫌。今なら普通に事案だな。良い子のために風船を渡しながら旅をしてるといいます。みかちゃんは忙しいお父さんに会いたい、というと公園で遊びながらお父さんのもとに向かうことに。いや、普通に誘拐だこれ!?
 アスレチッククラブではデンジマンたちが食事中……というか、青梅がひたすら食ってる。フォークをもって唖然としてる赤城も面白いし、独り占めを懲らしめる緑川も面白い。些細な描写ですが、仲良しな感じが出ていいです。緑川は先ほどの事件をメンバーに報告。チーコから聞いたんでしょうかね。いたずらにしては酷すぎると調査に乗り出します。
「ベーダー一族の仕業である可能性が強いな」

 一方でお爺さんはみかちゃんと東京目指して行脚中。お父さんの藤村博士が狙いなんでしょうかね。人が多すぎてお父さんが見つからないかも、というみかちゃんの言葉に、口から風船を取り出すと、風船がお父さんの元まで案内してくれるとメルヘンなことを言ってくれます。これにはみかちゃんも大喜び。しかし、彼女の見てないところで風船が立て続けに割れては、ガスをばら撒いて人々を苦しめます。救急車も出動して被害は甚大です。それを見下ろしてにやりと笑うお爺さん。
「動き出したなデンジマン。奴らが藤村博士の隠れ家を知っている……!」
 やはりお爺さんの目的は藤村博士のようです。みかちゃんはそのままデンジマンに接触。デンジマンがお父さんの場所に案内してくるそうです。ほくそ笑むお爺さん。
 場所は変わってベーダー城。アドバルラーからの報告がないことにいら立っているへドリアン女王。
「藤村博士に毒ガス浄化装置など作られたら、我らはこの地球に住めなくなる!」

 なるほど、ベーダー一族の目的は毒ガス浄化装置のようです。名前の直球具合がすごい。物凄く性能のいい空気清浄機みたいな感じだろうか。
 ヘドリアンがいら立っている中、アドバルラーは赤城たちを尾行して藤村博士の隠れ家までたどり着きます。久しぶりにお父さんに出会ったみかは思わず抱き着きます。
「みか、お父さんの研究が終わるまで我慢しなさいとあれほど……」
 お父さんの言葉を待たずに、研究所の窓に風船を見かけたみかちゃんは風船を中に入れてしまいます。風船売りのお爺さんだと飛び出してしまいます。赤城が急いで研究員を部屋から出そうとしますが風船が爆発、ガスをもろに受けてしまいます。あきらは急いでみかちゃんの保護に向かいます。
 しかし、手薄になった研究所にアドバルラーは侵入、装置を破壊しようとしますが、誤って爆発をもろに受けてしまい、悶え苦しみ逃げ出します。ドジっ子か。逃げ出した先でみかちゃんに会うもデンジピンクにも遭遇、追い詰められますが、事情を知らないみかちゃんが庇ってしまったことで取り逃がします。CM。

Bパート

 ガスの影響で目が石灰化した赤城ですが、博士の作った毒ガス浄化装置を使うとたちまち治ってしまいます。空気をきれいにするとかじゃなくて、汚染された部分に照射すると治せるんだ。これでみんなの目を治せる、と喜んだのもつかの間、みかちゃんが居ないことに気づいて慌てて探しに行きます。
「だって、おじさんが心配で……おじさん、ケガは大丈夫なの?」

 自分を追いかけてきたみかちゃんに戸惑うアドバルラーでしたが、自分を父の場所まで連れてきてくれたから、いい人だと無邪気に応えます。
「いい人……いい人、か」

 思いもよらない言葉に、自虐的に笑うアドバルラー。しかし、彼らを探してデンジマンが現れます。とっさに隠れるアドバルラー。
「みかちゃんとずっと一緒に暮らせたらどんなに楽しいかしれないな……」

 頭の中でみかちゃんとのバラ色の生活を夢見るアドバルラー。眠ってしまったみかちゃんにお世話をしようとしたところで、ヘドラー将軍に見つかってしまいます。
「こんな小娘に心を奪われおって!」

 腑抜けたアドバルラーに怒りを見せますが、ベーダー怪人として矜持を見せるといいます。風船を膨らませると、手紙を挟んで研究所に送ります。
「藤村博士に次ぐ、娘の命を助けたくば……毒ガス浄化装置の設計図をもって、野外音楽上に来い」

 みかちゃんと人質に毒ガス浄化装置の設計図を求めます。要求通りに博士が持ってきたことを確認すると、みかちゃんを拘束。戸惑う彼女の顔に、罪悪感を感じてしまうアドバルラー、すっかり絆されてしまっています。設計図と同時に娘を開放するアドバルラー。
「藤村博士、残念だが女王陛下の命令により、貴方を殺さねばならん」
 しかし、女王の命令により藤村博士の命を狙います。風船を操ってみかちゃんを再び手元に戻します。地中からのデンジブルーの強襲を受けながらも、みかちゃんを盾にします。
「少しでも動いてみろ、こうしてくれる!」

 と、みかちゃんを持ち上げますが、
「おじさんは悪い人じゃない、おじさんはいい人よ。みかのこと、大好きだと言ったじゃない」

 少女の言葉に思わず動揺してしまい、動けなくなるアドバルラー。そのまま地面に降ろします。そのまま開放すると、父親のもとに行かせます。アドバルラー……本当に少女のことが好きになっちゃったんだな。
「おじさん、やっぱり良い人だった! さようなら!」

 笑顔で手を振り去っていく少女の姿を振り返ることもできない、アドバルラー。一時はうなだれるも、ヘドラー将軍の激を受けて、デンジマンに挑みます。どこか、やけっぱちな態度が哀愁を感じます。
モグラたたきされるデンジブルーに笑ってしまう。先ほどまでの温度差よ。アドバルラーは風船で拘束する技で翻弄しますが、デンジタワーからの連続けりで追い詰められたのちにデンジブーメランで倒され……そうになったところで巨大化! 巨大船に挑みます。
 巨大船でも風船を使った技で翻弄しながらダイデンジンの目を潰しますが、回復されたところを満月斬りで倒されてしまいます。今際の言葉も吐かせて貰えないあたりが寂しい。
 風船を飛ばしながら、楽しかったおじさんのことを想い、涙を浮かべるみかちゃん。
「アドバルラーは僕たちというよりみかちゃんに負けたんだ」

少女の真心に負けたベーダー怪人、か……。ほんのりと寂しさを感じさせながら、次回に続く。

次回予告

 今度は塾か。

感想

 戦隊あるあるの善玉怪人回。まぁ、アドバルラーは最後までベーダー一族を裏切らなかったので、善玉とは言えないんですが。
 昭和の特撮はドラマが淡々と描かれるので、今の戦隊と比べるとあっさり気味ではあるんですが、今回はアドバルラーの人間態の演者さんが味のある演技をしてて、引き込まれる感じがありました。最後の赤城とナレーションの、少女の真心に敗北した、というセリフもよかったですね。今のところ、一番好きなエピソードかもしれない。
 さて、次回は塾だ!!

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