「いちばんここに似合う人」

ミランダ・ジュライの小説を読んだ。
最近、小説をあまり読まなくなったし、楽しんで読まなくなった気がする。
この、奇妙なそしてきっとありふれたストーリーを、味わって読み終えた。
エッチで孤独な女の子がいろいろ出てくる。
もちろん、エッチで孤独な男も。
でも、ミランダが女性だから、女の気持ちに触れるちょっと奇妙な感じがいい。

果てしない誤解の続く大きな川の流れの中に、ぷかぷかと、正直な顔をしたアヒルのおもちゃが浮かんでいて、じっと目の前を通りすぎるのを眺めている感じ。
どこでも買えるちっちゃいおもちゃなんかに、本当は惹かれていたんじゃないの?

気づかなかった、小さな変化が、心にさざ波を起こす。その瞬間をとらえて、読む人を引き込む(巻き込む)。
ミランダの小説は、その上、なかなかチャーミングだ。

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