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山下月子の絵のない絵本

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山下月子の作った自己治癒力発動パワー(?なんなん?)のあるお話。精神的に追い詰められ生と死の狭間の河原をお散歩しながら見つけた、キラッと光る小石のようなストーリーの備忘録です。ま… もっと読む
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記事一覧

【絵のあるおはなし】泳ぎ疲れた犬の話2

泳ぎ疲れた犬の話1のつづきーーー 海(みたいなもの)の中で、犬はとにかく疲れていた。なん…

【絵のあるおはなし】泳ぎ疲れた犬の話1

犬は泳ぎつかれていた。からだが冷たくなって骨がぎしぎししていた。鼻は(こんな海のまんなか…

足元を掬われて倒れた人へ

人生は不思議なものだ ある時、思わぬことから 足を掬われることがある 倒れて泥だらけになっ…

ありがたいお言葉 :おはなし

【ありがたいお言葉】 夕方、禅寺の前で立ち止まったが なぜ立ち止まったのか わすれてしまっ…

北向きの窓ガラス :おはなし

北向きの窓ガラスたちは 太陽を映すことができない だから、こんな風に青空を映して 建物の色…

月の十字架

「月の十字架」 むかしむかし月の中に黒い十字があった それは地球の覚者が無惨にも犠牲にな…

箱の中の犬の話-上

☆☆☆ あなたの中に存在する人と犬と猫と その他沢山のものへ、この物語を贈ります  山下月子 ☆☆☆ 大きな温かな手を思い出していた。温かくていつも撫でてくれた優しい人間の手だった。その手がある日僕の体をすっぽり包んで、少しだけ宙に止まった。僕はすっかり安心して暖かさに包まれていたが、やがてこの暗い箱の中に下ろされて、それから僕はここにいるんだ。 箱の中は真っ暗だ。だから僕は何も見えない。どこからか漂ってくる匂いを嗅ぐと、あの人間が近くにいることがわかる。僕はこの人間

箱の中の犬の話-下

箱の中に入れられた犬の話の続きです。前の話↓ 箱の中の犬の話 上↓ https://note.com/rai

箱の中の犬の話-中

箱の中の犬の話-上はこちら↓ 猫がニャーンと、どうやらこちらに向かって鳴いているようだ。…