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夜型だけど早起きしたいから昼寝を採用した話

 宵っ張りだけれど、朝も早起きだ。つまりショートスリーパーである。ショートスリーパーなんつって、ちょっとカッコイイかも、なんていう時代は20年ぐらい前に終わっていて、今はそんなものは単に健康を害する、寿命を縮める、忌むべきものであるという認識が一般化している。どう考えてもその通りであろう。

 でもやめられない。平日はショートスリーパー状態で、休日になると朝は早起きし、昼寝をして、夜は遅くまで起きている、という生活を長いことしてきた。

 なんでこんなことになっているのかというと、それは朝が好きで、深夜も好きだからなのだ。

 二十代ぐらいのときは、昼から翌朝まで活動し、午前中寝ている、という生活をしていた。朝6時とか7時に寝て、12時とか午後1時ぐらいに起きる。これだと深夜から未明、明け方までフルセットで楽しめるのだけれど、朝日とともに活動を終えるというのはなんというか、目覚める命たちの中で自分だけ死んでいくような感じがしてあまり気持ちのいいものではなかった。やはり朝日を見上げながら活動を開始したい。そこで夜はほどほどに寝て早起きするという生活に次第にシフトしていった。最初は早起きするために早く寝るということをやっていたのだけれど、そんなものはすぐに破綻した。なぜなら、夜はやはり好きだから。午前0時より前に寝るのがなんだかもったいないような気がする。

 深夜、街が寝静まったあと、自分のために用意した快適な部屋で、必要なだけの灯りをともして好きなことをする。たいていは映画を見るか、本を読むか、あるいは小説を書いている。もちろん今書いているこれみたいなものを書くのも楽しい。やはりわたしにとって、こういうものを書くのは日付が変わった後、いわゆる深夜と呼ばれる時間帯なのだ。純粋に100%気分的な問題なのだけれど、ものを書くのに気分はとても重要だ。もしかしたら他の何よりも、重要だ。

 深夜には邪魔が入らない。これは今わたしがそういう境遇にあるというだけで、二十代のころは夜中に仕事をしていて、明け方に仕事の連絡が入ってきたりすることもあった。今はそういうことが無く、仕事は日中に片付き、夜になるとあとは翌日扱い、という極めて健全な人々と仕事をしているので快適だ。今でもたまには23時ぐらいに仕事のメッセージが入ってくることもあるけれど、それを今すぐやれということはほとんどない。

 だから純粋に深夜は自分だけの時間なのだ。好きなことを存分にやり、誰もそれを妨げない。だから深夜に活動していたい。

 そこで、最近のマイブームは昼寝だ。休日以外にも、昼休みとしてさっさと食事を済ませ、そのあと寝る、ということを始めた。そしたらもうこれがかなり調子が良い。

 脳は寝ている間に情報を整理するらしい。頭を使って学んだことを、睡眠中に整理、定着させるようだ。だから寝ないでなにかを勉強するというのは大変効率が悪いらしい。これは確かに、実感がある。特にわたしの場合ややこしいことを考えているときほどわかる。難しいことを勉強しているときや、手に余るアイデアと戦っているとき、難題にぶつかったとき。頭が限界になるまでひとまず考え抜き、ちょっと散歩をしてきたあと45分または90分の昼寝をする。45分または90分というのは、わたしの場合90分の倍数で睡眠をとると起きるときにすっきり起きられる、ということによる。なかなか昼寝で90分寝る余裕のないことが多いので、そういう場合には30分とか45分にする。いずれにしてもこういう具合に昼寝をすると、それまで出口の見えなかったことに光明が見えたりする。眠っている間に脳が何かをした、というのを実感できるのだ。

 これはわたしの実感だから、誰もがこうかどうかはわからないし、特に昼寝の時間などはどういうのが良いのかきっと個人差があると思う。しかしおそらくどんな人であっても、寝ないで考えるよりちょっと運動して寝る、という工程を挟むことには、試してみる価値があると思う。

 夜型も朝型も捨てずに昼寝をする、という結論。もちろん昼寝をするという選択を許されない状況にいる人も多いだろう。でもこれ、きっと昼寝をするという習慣はもっと広くあちこちで行われるようになると、世の中のいろいろなことが改善していくのではないかという気がする。

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