[映画]スタートレック

 またしても今さらシリーズ。1979年の映画第一作『スタートレック』を、これまた三十数年ぶりに見た。

 U-NEXT で配信されている字幕版を見たのだけれど、字幕が不完全で、ところどころ抜けている部分がある。幸いわたしの英語力でもわかるような簡単な部分なので鑑賞に支障はないというか、むしろヒアリングの練習に…、ならないか。

 『スタートレック』は70年代後半という時代柄のせいか、多様性ということを強く意識した人員構成になっている。クルーは多国籍、いや、むしろ地球人ではない人まで含まれた多様な構成で、セリフは英語だけれどそれぞれに訛りがある。チェコフやスコットなどはかなり強い訛りだ。全体的に英語ネイティブではない人も多い、というおそらく設定になっていて、全般にしゃべり方がゆっくりなので中学英語レベルでも十分ヒアリングできる。

 ところでこの『スタートレック』、結末の意外性という意味で、わたしにとっては『猿の惑星』以上にこちらで、初めて見たのがいつだか覚えていないけれど、たしか小学生の頃。この結末におもいきりひっくり返り、それまで宇宙ものと言えばスターウォーズだったのに、これ一作で一気にトレッキーになったのであった。

 たしか小学校の高学年でこの作品に出会い、それから立て続けに劇場版を見漁った。そしてほとんど覚えていないけれど、5年生ぐらいのときにやたら長い宇宙ものドタバタ小説を書いた。当時それが小説だという意識はなく、出まかせ作文ぐらいに思っていたのだけれど、シリアスなSFにしたくて書くのに何をどうやってもドタバタになるという問題があった。結局完結しないまま辞めてしまったのだけれど、思えばあれが文章を書く喜びに触れた出来事だったように思う。

 そして中学に上がり、わたしはハヤカワ文庫で出ていた宇宙大作戦シリーズ、そう、スタートレックのノベライズシリーズをかたっぱしから読むという読書体験をした。映画作品のノベライズから入り、宇宙大作戦シリーズを買いあさる日々が続いた。

 この『スタートレック』の劇場一作目は、わたしにとってその後の文学体験の基礎をくれた作品でもあった。もしかしたら、映画にのめり込んでいくきっかけになった作品でもあったかもしれない。今見ても十二分に面白い。わたしを構成する多くの要素の原体験がここにあったのかもしれない、というようなことを、三十数年ぶりに見て感じた。

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