[映画]スターゲイト

 旧作見まくり月間。ノリで「月間」と書いたけれど今月で終わるつもりもなく、どんどん続けていくことになりそうですね。

 さて今夜見たのは『スターゲイト』。1994年の作品。1994年がすでに四半世紀も前であることに驚きを隠せませんね。25年前って書くよりも四半世紀前と書いたほうが古い感じ、しますね。

 この作品はエジプトで発掘されたわっかが実はスターゲイトだった、というお話で、根っこの設定がとても面白い。

 序盤、石蓋に刻まれていた古代文字を解読するシーン、長い時間かけて翻訳中だったものをひょっこり連れてこられた主人公があっさり解読する。何を意味するかわからなかった部分も、主人公が発見する。もちろんそれでいい。だって主人公だもの。

 しかし。それ今初めて解読されたんじゃないのかよ、と言うぐらいに実は研究が進んでいて、スターゲイトを開くための最後の一つだけが不明、という状態だった。あれ? それがスターゲイトだってことも主人公が来て解読されたんじゃないわけ?

 なんだろうこの…残念感。冒頭、このグダグダな展開で「あーあ」と感じながら見ていると、スターゲイトがつながって向こう側へ探査機を送り込む。送り込んだらすぐに結果が届き、「地球とほとんど同じ環境だ」みたいなことに。マジで。ほとんど同じ環境なのもちょっと待ってほしいところだけれど、それ以上に、そのことがそんなにあっさりと判明するの?なんで?

 しかし安心していただきたい。そんなことを考えていられるほど展開は遅くない。「向こうは地球と同じだ、行くぞ!」となる。自動小銃かなんかを抱えた軍人さんたち+主人公という皆さん。あのですね、宇宙の果てへ行くんですね。それその辺に買い物行くような服装ですね。大丈夫ですか。大丈夫ですね、なにしろ地球と同じ環境ですから。どうやら文体までおかしなことになってまいりましたね。

 あっけなくゲイトの向こう側と相成りますが、宇宙の果て感は全然ありませんね。

 かようにご都合主義全開な展開でありますが、前述のように設定が見事であります。このご都合主義をねじ伏せる設定がされていて、その後のアクションだとか数々の超展開とかもう全部、オーケー。ものすごい力で持っていきます。この見事な脚本力。誰だろう、只者じゃないぞ、と見てみると、監督も脚本もローランド・エメリッヒでありました。聞いたことありますか?エメリッヒ。『インデペンデンスデイ』も監督で脚本ですね。そう言うとなるほどなと思えますね。ブットビな超展開をものすごい腕力でねじ伏せていき、なんだかわからないままに不思議な満足感を得てエンドロールをむかえます。あれ、序盤ではひどいご都合主義だなと思ったはずなのに。なんだろうこの満足感は。

 この『スターゲイト』の見どころはカート・ラッセルです。ストリートファイターに出てくるガイルはこれじゃないのか、っていうぐらいにガイルです。最近だとワイルドスピードのミスター・ノーバディ役の印象が強すぎてコミカルなおじさんというイメージなんですが、このころのカート・ラッセルはマッチョだし、「大佐」って呼ばれてるのが似合いすぎて見事ですね。ガイルにしか見えないわけですが。

 この作品はおそらく今夜初見じゃないかと思います。まったく記憶にないので。映画配信サービス、やめられないですねこれは。

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