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読書日記『麦本三歩の好きなもの』

この本を読んでいる最中、私はずっとある女性を頭の中で動かしていた。
『麦本三歩の好きなもの』の表紙で本を眺めながらパンをムフっかじっている女性。
BiSHというグループのモモコグミカンパニーという方らしい。

麦本三歩は、物語の中で毎日を楽しそうに過ごしていた。その中でも、飯テロかと思うほど、美味しそうにご飯を食べた。ラーメン、キムチ鍋、クリームパン…。今の寒い季節にピッタリのものも多く、私の胃袋を刺激してくる。

私が今、熱量400kal越えのホイップ&カスタードパンをペロっと食べきってしまったのもきっと麦本三歩のせい。夜ご飯を食べ終えたばかりだというのに。

三歩が欲求のままにご飯を食べるから、私も自分の“食べたい!”欲求につい従ってしまった。
具体的には、『麦本三歩の好きなもの』を読み終わったタイミングで近場のコンビニに行き、食べたいと思ったクリーム系の甘いものを探しに行った。

私的に好きなクリームの味で、だいぶ嬉しかったのですごく良かったのだけれど…。夜中に甘いものを食べたという罪悪感がぬぐえない。

麦本三歩は自分の欲求にまっすぐぶつかる人のようだ。食べ物も、それ以外も。最近は、自分の食べたいものを食べれているだけですごい人だなと思ってしまう私。三歩のことを見習わなきゃなと反省する。

この本が、三歩視点で書かれており、三歩の心情をそのまま受け取ることができるから、そう感じてしまうのかもしれないけれど。

お話の中には、普段自分が現実世界で見かけるものや、使っているサービスがいくつか登場する。主人公である麦本三歩も等身大な感じがしたし、表紙も実写の女性。
だからか、すごく近い気持ちがした。

その中で、一番「分かるなぁ~」と思ったのは“杉本三歩は魔女宅が好き”の章にある“自分らしさに酔う”という表現。
よく聞く“自分が好き!”という意味の“自分に酔う”という表現ではない。

自分らしくあろうとする、また、自分らしくあろうとしない、という意味の”自分に酔う”だ。
あの章を読んだ人の多くは“分かるわぁ”と思ってくれると思う。とにかく、”分かるわぁ”と共感したのだ。


こんどのお休みはラーメン食べにいきたいなぁ~。

あらすじ(幻冬舎:書籍詳細より)

「朝寝坊、チーズ蒸しパン、そして本。好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しい」図書館勤務の20代女子、麦本三歩のなにげなく愛おしい日々を描いた傑作日常小説。

『麦本三歩の好きなもの』

住野よる 著

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