見出し画像

DesignShip 1日目で印象的だったセッションのレポート・感想

楽しみにしていたDesignShipでしたがどうしても当日行けず、アーカイブ配信を視聴しました! 1日目のみですが、印象に残ったセッションいくつかを抜粋したレポートと感想です。

オープニング

目覚めよデザイナーたち!
日常に色が足される感じ、かっこいいですね。

広野さん挨拶

去年熱かった記憶がすごいのですがw、今年も熱かったです!
胸元のスカーフがデザインシップ色でおしゃれでした。
今年2回目となるイベントですが、会場の広さと人数はなんと3倍。スポンサーは50社以上にわたるそうです。
去年との違い、一番の特徴は2フロアに分かれていること(コラボレーションフロアは配信なし。やっぱり会場行きたかった...)。

コラボレーションフロアを設けて、会場を分けた理由

提供できる、また求められた価値として「交流」があると考えたから。
またセッションを行う会場を「ストーリーフロア」と名付けた理由は、カンファレンスとしての目的が変わったから。と広野さん。

去年のコピーは「業種の壁・業界の壁を叩き壊し、あらゆるデザインナレッジを共産化して、世界屈指のデザイン大国としての日本再興を目指す」でした。
デザインの種類は多岐にわたりますが「これからの産業のためのデザイン」に焦点を当て、プロダクト・デジタル・グラフィックは今手を取り合っていくべきだ!日本を盛り上げよう!!というのが去年の内容。

今年は、「物語の力でデザインの壁を越える」。
人の行動を考えられるのは「物語の力」だと考えたから。エモい...

コンセプトに変更はありましたが、オープニングでワクワクが止まらないのは去年と変わらずでした!

医療体験の当たり前をアップデートする「道具」としてのAIデザイン  Ubie株式会社 畠山 糧与

畠山さん、去年も登壇されていましたね。
内容はこちらのnoteに書き起こしてくださっています。

会社概要がFigma!

医師とエンジニアが立ち上げた事業。前の職場でもよく話してたんですが、医療・製薬系は不景気でも絶対無くならない・誰もが当事者(患者)になり得る超重要な分野ですよね。

医師が患者でなくディスプレイとばかり向き合う状況

カルテの入力など、ディスプレイと向き合う作業に時間を割くことが多くゆとりを持って患者さんと向き合えないという医師の悩みは多いそうです。
そこでUbieが行ったのは、紙の問診票ではなくまずAI問診をやってもらうというもの。事前に問診を行っておくことで、医師は事前に知りたい情報を得た状態=準備ができた状態で患者さんを迎えることができます。
結果、作業時間の削減にも繋がり、患者さんとの対話に時間を充てることができるようになります。

Ubieが作るのは、道具としてのAI

AIには「人格」としてのAI と「道具」としてのAI が存在します。
道具として使う場合も「なぜ?」という問いに理由を返せないAI の推論には ヒトが解釈する余地がありません。そこで、Ubieではこれまで参考病名だけを表示していたのを止め、きちんと推測理由を添えることにしたそうです。たったこれだけのことですが、AIが医師のプロトコルを支援する上で足りないピース(=推測理由)を補うことができ、「道具」として使いこなすことのできるAI に近づけたそうです。

いつかやってくる未来を今たぐり寄せる

少し前までまだまだ先のことに思えたAIも、今では普及の兆しを見せています。畠山さんにとっての病気予測も同じで、「道具」としての AI はきっと世の中を変えていくし、何より自分や周り人の役に立つもの。ヒトとAIの関係性のデザインに取り組むのは面白い!とのことでした。

ブランディングデザインのはじめかた - デザインと経営の新しい関係 - 株式会社エイトブランディングデザイン
西澤 明洋

15年間ブランド開発をやっている西澤さんのお話。デザイン切り取っての単発の仕事(例えばロゴだけ作るとか)はやっておらず、常に包括的にやっているそう。

著書の紹介。
手がけた事例は、あのCOEDOビールなど。

さらには美術館やベンチャー企業、神社まで。

幅広いですね。
これだけ多くのデザインを手がける西澤さんの思うブランディングデザインとは「企業のデザイン部」ブランディングデザイナーは、デザイン部長のようなもの。
また前提として「ブランディングデザイン」とは何なのかについてもお話されていました。お仕事で関わる中では

「結構売れているのに知られていない」
「良いもの作っているのに売れない」

こんな人がとても多いそうです。そこで説明するのは以下の通り。

ブランディング=差異化 であるということ

他と差を出すために奇をてらうのではなく、「他とはどう違うのか」という部分をお客さんに正しく伝えることを指します。

また、ブランディングはマーケティングと違うことも説明しなければなりません。
マーケティングはよく ≒ 売るゲームとして捉えられます。
対して、ブランディングは伝言ゲーム。ただ単に対象へ伝わるのではなく、伝わった後に、他の誰かに伝えたくなるようにする必要があります。

西澤さんの考える「ブランドに必要なもの」は以下の通り。

ブランドに必要なもの
1. 熱い想い
2. 良いモノ
3. コミュニケーションチーム

ここで、ブランディングデザインの三階層について。

M: マネジメント(ビジネスとしての一貫性を図る)
C: コンテンツ(プロダクト・インテリアなど)
C: コミュニケーション(ロゴ・パッケージなど)- VI

「伝言」に焦点を当てると、図で言う上層がより重要になってきます。
ロゴやパッケージももちろん重要ですが、コンテンツのトータルデザイン・ビジネスとしての一貫性は必要不可欠なもの。

スクリーンショット 2019-12-13 20.44.52

また、ブランデイングデザイナーとしての関わり方について。

スクリーンショット 2019-12-13 20.45.06

これまでデザイナーの関わりがあったのは「コミュニケーション」部分 のみだったのに対して、ブランディングデザイナーはこのように関わります。

スクリーンショット 2019-12-13 20.45.17

もちろんマネジメントを100%任せてください!という関わり方はしませんが、コンテンツ・マネジメントを飛躍させるためのアイディアを出すことでブランドに大きく貢献できる存在と言えそうです。

フォーカス RPCDとは

F(フォーカス)、R(リサーチ)、P(プラン)、C(コンセプト)、D(デザイン)のこと。特に重要なのは「F」の部分。自社の強み、他者との差異の要素です。

スクリーンショット 2019-12-13 20.43.53

このサイクルを繰り返すことでブランドを構築していきます。
この開発手法においては、調査の段階から二人三脚でやっていくことを経営陣に分かってもらう必要があります。
手法についての詳細な説明はHPにあったので、ご興味ある方はぜひ。

経営のデザイン

会社全体、経営をどれだけ可視化できるかが焦点になります。最近は「企業のデザイン参謀」、パートナーとして歩んでいくことが重要視されています。
これからのデザイナーに求められるのは、トレーニング以上に「経営リテラシー」だそうです。考え方を理解しないと具現化できないので、デザインの勉強と同じくらい経営を学ばなくてはいけません。
逆に、これからの経営者にはデザインリテラシーが求められていきます。優秀な人はクリエイター思考であることが多いと西澤さんは感じているそう。そしてここがお互いに融合するようになれば、より良いデザインを生むことができます。
「経営とデザインの融合」で、これからの日本の底力を上げていける!と西澤さん。デザイナーの役割の重要性を改めて感じました!

最後に。ブランドとは?

約束と生き様。
基本的にはブランドは人のようなもの。また西澤さんは自分の仕事を「鬼に金棒を与える仕事」と表現されていました。最終的に作った金棒が市場を切り開いていけるように、見た目だけでもダメ、戦闘力だけが高くても使い易くなければ意味がない。そういった部分も含めて、デザイナーが包括的にサポートする必要があります。

企業が社員・社会にした約束を有言実行していく手伝いをするのがブランディングデザイナー。出会った良いサービス、熱い経営者・プロダクト一つひとつを元気にしていきたいと考えているそうです。

ARグラス時代における、空間体験デザインとは MESON, inc 本間 悠暉

これまで手がけてきたARファッションショーなどの事例の紹介から。

AR(Spatial Computing)に賭けた理由

なぜ今なのか?
・5Gの開通(来年)により、通信容量が拡大する
・AR/MRグラスができたことで、情報の立体表示・空間把握が可能に
・AI により現実世界の意味を読み取り、デジタル世界と紐づけられるように

=今まで平面で扱っていた情報がより三次元的になる流れ。
三次元では、デザインもがらっと変わっていくのが想像つきますね。

スクリーンショット 2019-12-13 21.02.51

スタートアップでの成長について

1. ワクワクする方へいく!
個人的にも、ARにはとっても未来を感じます。アイアンマンのトニー・スタークなどの例が挙げられていましたが、SF作家や映像作家などが描いていた未来を実現するのはワクワクします!と本間さん。確かに、夢を持てる & 興味のある分野ってすごく頑張れますよね。

2. ロードマップを引く
ノンデザイナーのスキルアップについて。下から積み上げていくことが必要だそうです。

スクリーンショット 2019-12-13 21.04.47

例えばサービスデザインでは、UX理論や心理学・デザイン基礎理論などを学ぶ必要があります。

3. スキルを掛け合わせて磨く
BTC各分野の領域を、自分でどうやって獲得していくのかについて。

社内プロジェクト・自主プロジェクト・座学を駆使して一旦すべて抑えること。その後で、自分の進みたい方向を見つける

なるほど...
後述しますが田久保さん・田川さんのセッションで出てくる「越境人材」の目指し方と同じですね!

SX Design 空間体験デザインをどう作っていくか

デザインプロセスについてのお話

スクリーンショット 2019-12-13 21.08.40

バックキャスティング思考とは
未来志向の考え方を指します。 遠い未来を想像して、そこから逆算的に今できるアイディアを考えるもの。フォアキャスティング(今起きていることから確度の高い未来を予想するもの)の逆ですね。

リアリティシーケンス
ラフな段階でどう表現・共有していくかは課題になってきます。確かに、三次元かつ主観的なイメージって他人に伝えるの難しそうですね...。
従来のスクリーンベースではなく、UIも含めてユーザーの視界に写っている現実環境や要素を書き出し、可能なアクション・音声(ガイド)の内容・ユーザーインプットにより体験をデザインしていくことが重要だそうです。

グラスUIデザインのはじめ

安全性・オブジェクト距離・視覚角のデザイン・インタラクションのデザイン
立体的であるからこそ、距離や視野角外の気づき、どのようなインタラクションで発生するのかを考えなくてはなりません。
新しい分野だからこそ考える・気を遣うべき問題は多く、広い視野が必要そうです。

表現のチーム共有

「あれみたいな感じ!」という言葉でで共有できるようになるために、引き出しを増やす努力は日常から欠かさないとのことでした(展示に行ったり、アプリを使ったり、pinterest使ったり、みんなでゲームしたり)。

これからの未来を考えると、いろんな可能性があって楽しそうですね!

『イノベーションとデザイン』田久保 善彦 × 田川 欣哉

グロービス パネルディスカッション - モデレーターは広野さん。

なぜ越境が必要なのか?

BTC 人材の必要性から。 T - C や B - C など、 中間領域の仕事が増えてきています。もちろん越境にもスケールの差がありますが、中間・そうじゃない定義の場所はどんどん増えていきそうですね。

田川さんが過去に BTC についてお話しされているインタビュー。

デザインをやっている人がビジネスに興味がないとそもそもビジネスとしての成功も描けないので、もう一歩二歩進むことが必要、と田久保さんも仰っていました。

なぜ今そういうことになっているのか?

時代の中で、BTC人材が必要な時とそうでない時は蛇行しています。今はインターネット・フィジカルとデジタルの融合が起きているため「越境型」が必要な時代です。田川さん曰くここ30年くらいはそういう時期かな?とのこと。
また田久保さんによると、デザイナーは増加していて、D2C の世界では活躍できる場面も増えているそう。

トータル:プロダクトデザインとしてのデザインをした上でそのほかの部分のデザインをしていかないと、安易に離脱されてしまうことが予想されます。例えば見てくれだけ良くても中身が伴っていなかったりとか。先ずはプロダクトの全体像を描くことが大切ですね。

越境型デザイナーとは

C の要素に足をつけ、越境した先が
T の場合:デザインエンジニア
B の場合:ビジネスデザイナー

テクノロジーもデザインも多様なので、越境型のデザイナーも当然多岐にわたります。それを踏まえた上で、以下の特徴が挙げられていました。

TC:プロトタイプが非常に早い。
仮説・実体化・コニュニケーション・検証・フィードバック、をどれだけ早く回せるかで組織全体の能力が違ってきます。ここが迅速に回せるデザイナーは組織にとって重要な存在になりそうです。

BC:戦略かマーケティングかにより変わる
ここでは戦略を上流側、マーケティングを下流とします。
上流は組織にとって非常に貴重な存在ですが、なかなかいないそうです(事業戦略考えられるデザイナー、スタートアップで最強な気がする)。
下流の、マーケターのいうことが理解できるデザイナーも越境人材と言えます。ブランディングとの架け橋になれる人で、まさにニュータイプ。

エッジの効いた越境型デザイナーを作るには、そもそも募集の内容を広げることも重要だそうです。確かに職種に名前をつけて仕事の内容を絞ってしまうと、越境型の人材はなかなか育たないかも知れません。

もちろん経営者に対しても、デザイン志向を教えていくことが必要です。
田久保さんが田川さんに依頼して、グロービスで講義を行なっているそう。田川さんの講義を聞けるのはここだけなんですね!すごい。広野さんは「スポンサーセッションですか?」とツッコミ入れてましたが。w

「越境型人材」になるには何をやったら良いか

長めの時間を使って考えること。
少なくとも5年〜10年くらいは見た方が良いそうです。越境タイプを目指すやり方はいくつかあって、Takram でも育て方のセオリーは存在するとか。

みんな肩書きが越境感ありますよね

ただ、まずは一つのことをプロフェッショナルクラスにできるようになること。浅く広く仕事をやるのではなく、世の中で「プロ」と呼べるレベルに掘り下げてから。そこからさらに専門家になりたい人もいるし、越境していく人もいます。

UIデザイナーがやっていること、近傍に越境するのはやりやすい例として挙げられていました。例えばソフトウェアエンジニアがUI、UIデザイナーがグラフィックなど。
中途半端に広く取り組むのではなく、近傍で掘り込んでいくことで「越境型人材」に近づけるそうです。確かに近傍であればプロになる過程で得た自分の領域の知見が活かせそうですね。

つまり、越境する第一歩は今やっているスキルの深掘りということになります。何らかのプロになるという前提がまずハードル高く感じられてしまいますが、非常に納得しました。

ビジネスに越境していく場合は、ビジネスサイドと会話ができないと難しいそうです。田久保さんも田川さんと話す時、超ロジカルだと感じることが多いとか。クリエイティブだけではない、ロジカルシンキングそのもの。デザインシンキングと対立構造にあるわけではなくて、共存できるもの。

越境型デザイナーを目指す人へメッセージ

田久保さん
どうやって生きていくのが自分にとって一番良いか?時に、自分の志を立ち止まって考えることが必要です。
「歳を取っても、延々と自分探しをしないといけないの?」と批判する人もいますが、世の中がこれだけ変わっている・個人の能力もネットワークも変わっている中で都度見直さない方が不自然です。大きなジャンプはないので難しいですが、先ずはよく考えることが重要です。

田川さん
去年のスライドの中で、ピーター・ドラッガーの「教育者たちが育てなければいけないのは今存在しないような仕事をする人材だ」という言葉を挙げました。
自分は何者?というアイデンティティーを考えると不安になるので、人は肩書きを得ようとします。基本的に既存の肩書きは数年前に考えられたものです。ただ、変革期にある今、ニーズも前提となるテクノロジーも変わっていくので、今までにない職業に就く確率の方が高いと思います。
世の中の進歩は、名前のない領域に進出してからこそ叶います。
しかし「AとBを跨ぐ人」というのは「A」と「B」という過去の言葉を使って定義することができます。揺籃期においては、自分の認知と世の中の認知は「越境」的ワードを使うことで、過去を引用しながら先を見ることができるということです(例えば、田川さんがデザインエンジニアと名乗ったのが10年前くらい)。
踏み出した時に感じるモヤモヤは感覚が鋭いが故のものだと思います。うまく扱って欲しいです。

感想

「会場行きたかった」に尽きます....。
コラボセッションも見たかったですし、レポート書いてませんが2日目の原研哉さんの日本についてのお話、非常に感銘を受けました(特に代 -empty - の話題など、どんぴしゃに興味のある分野の内容でした)。

去年も感じましたが、DesignShip は自分のできることの大小に関わらず可能性を感じられてやる気を引き出してもらえる素晴らしいイベントだと思います。私も例外でなく、未熟者ですがすごくモチベーション上がりました。来年も楽しみです!

来年こそ絶対会場行きます!!!!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ヤッター!
25
スペースマーケットで UIデザイナーをしています。文化や音楽に触れたり、考えたりするのが趣味です。お腹いっぱい桃を食べたいです。

こちらでもピックアップされています

#デザイン 記事まとめ
#デザイン 記事まとめ
  • 4752本

デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。