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ドラマ「ブレイキング・バッド」に見るビジネス戦略

近頃、アメリカのドラマ「ブレイキング・バッド」(2008~2013年頃放送・エミー賞等受賞)にハマり、一気に視聴した。

このドラマは、高校の科学教師が、自分の本来の才能への渇望から麻薬の製造・販売に手を出し、エスカレートしながら悪行に手を染めていく物語だ。
基本的に面白さのポイントは登場人物の心理状況やリズミカルな物語展開であるが、筆者は会社員という仕事柄か「作中における麻薬取引のビジネス戦略」にも着目して見ていた。

(以降、本編の展開のネタバレがありますのでご留意ください。)
◆物語におけるビジネス戦略の変遷は、段階的に発展していった
・第一段階
自分のリソースの範囲内で生産し、知り合いの販売ルートに乗せる
・第二段階
販路拡大のため、地元の架線業者と手を組む(他人資本による拡大)
・第三段階:
更に大きい単位の競合グループに目を付けられ買収されかかる
・第四段階:
より大きいマーケットを求めて海外への販路を模索する

◆商品価値の源泉は「圧倒的な品質とブランド」
市場に出回っている同種の麻薬は、純度が60~70%程度のもの。
対して主人公たちが製造するものは、以下の特徴がある。
・純度が95%以上という品質の高さ(時に99.1%など)
・製品の青さから「ブルー・メス」のブランドで認知浸透されている

上記のように、ドラマ「ブレイキング・バッド」では実際のビジネス環境で起こる、以下のような原理が働いていると言えそうだ。
・オープンな市場では常に競争に晒されることとなる
・競争に生き残るためには、資本を増強しシェアを獲得していくことが必要
・ただし模倣できない品質やブランドは、独自の販路や市場を検討できる

このような着眼点で本作を見ると、シナリオが非常にうまく練られていると感じた。実際のビジネスでも、「ガイアの夜明け」のようにドラマ性のある実話は多い。今後も「ビジネス×戦略=ドラマ」の方程式に着目していきたい。

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