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目が光るひまもないほど忙しい

シリーズ・現代川柳と短文NEO/061

 事実、忙しい現代人の目はふだん光ることはないだろう。むろん、忙しくない現代人の目もまた光ることはないが、いまは忙しい現代人の話をしているんだからこっちを見なさい。で、その忙しい現代人がなんらかの理由で忙しくなくなったとしても、つまりひまになったとしても、やはりその目が光ることはないだろう。目なんか光るわけがないのだ。目は光らせるためではなく涙を流すためにあり、その涙がなにかの拍子で光を反射して光ったように見えることがある。

【きょうの現代川柳】
目が光るひまもないほど忙しい
/今田健太郎


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